「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「おくりびと」 (2)

2008年07月19日 21時17分22秒 | 映画
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55184485.html からの続き)

 大悟は 妻の美香 (広末涼子) に 自分の仕事の内容を言えず、

 冠婚葬祭関係とごまかしていました。

 ところがある日、とうとう美香に 仕事のことがばれてしまい、

 美香は 「けがらわしい!」 と言って 実家に帰ってしまいます。

 友人からも 「まともな仕事に就け」 と言われ、

 内心反発しながらも、きちんと 言葉にできない大悟。

 人は誰でも 必ず死ぬ、死ぬことは 普通のことなんだ。

 納棺師は 悲しい別れを、優しい愛情で 満たす仕事なんだ……。

 美香は 妊娠したことが分かって 戻ってきますが、

 「自分の仕事を 子供に誇れる?」 という質問に、

 大悟はまだ 言葉に詰まってしまいます。

 しかし、知り合いの 銭湯のおばあちゃんが急死して、

 納棺式に立ち会った 美香は、厳粛な夫の仕事に 圧倒されるのでした。

 そして、生前おばあちゃんが 愛用していたスカーフを 首に巻いてあげる、

 夫の優しさに 心を打たれます。

 誰でもが 「おくりびと」 になるし、「おくられびと」 にもなるのです。

 でも 日常から死が遠ざかっている 現代人は、死を忌避してしまいがちです。

 映画は、旅立ちの静謐さを 改めて教えてくれます。

 それは本来、自然で穏やかに 迎え入れるべきものでしょう。

 故人の在りし日の 面影を取り戻し、送別のお手伝いをするのが 納棺師の勤めです。
 

 大悟の父親は、大悟が幼いときに 女を作って家を出て行き、

 大悟は父親の顔を 覚えていません。

 母親も2年前に 世を去りました。

 大悟は 父を憎んでいますが、そこへ突然、父の訃報が舞い込みます。

 父を引き取る気もない 大悟ですが、

 じわ~っと感動する クライマックスへと 話は進んでいくのです。

 大悟が奏でる チェロの音色、

 「石文 (いしぶみ) 」 と言われる、自分の気持ちを表した石を

 相手に渡すというエピソードも、映画のキーポイントになっています。

 監督は滝田洋二郎。

 「名作」 と呼ぶのに相応しい、

 ユーモアと感動に溢れた 日本映画が、新たに誕生しました。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55208477.html
 
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