( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55287176.html からの続き)
4.苦痛耐性スキル
人生において、苦痛を完全に除去することは 不可能ですから、
事実を受け入れ、自分を変えていく 努力が必要です。
苦痛を受容することができれば、環境を変えようとするのではなく、
感情を抑えずに受け止め、辛い思考や行動に 気付くことができます。
危機的な状況を 乗り越えるために、次のことが指導されます。
・ストレスへの接触を減らしたり、注意をそらすようにする
・自分を元気づけ、優しくすることによって 自分を慰める
・ネガティブな体験を ポジティブな体験に置き換えるようにし、
その時の状態を改善する
・ストレスを許容し、不適切な行動をしないことの メリット・デメリットを考える
苦痛耐性スキルには、短期的な苦痛に耐えるための 「危機に対処するスキル」 と、
長期的な苦痛に耐えるための 「現実を受け止めるためのスキル」 があります。
短期的な 「危機に対処するスキル」 としては、次の2つが挙げられます。
○辛いことから離れるようにする
・お茶を飲んだり、スポーツやガーデニングなど、何らかの活動をする
・ボランティアなど社会に貢献する
・自分と他人を比較してみる
・感動的な本を読んだり、映画や音楽で 感情を変える
・苦痛をしばらく棚上げしておく
・心を落ち着けながら、テレビを見たり 何かに没頭する
・氷を握りしめたり、熱いシャワーを浴びたりして 感覚に集中する
○「今」 の価値を高める
・リラックスできるシーンを イメージする
・苦痛の中から、目的,意味,価値を見つけたり、作り出していく
・神仏に心をゆだねてみる
・体をリラックスさせたり、マッサージをしてみる
微笑んで表情を変えてみる
・「今」 していることに 注意を集中させる
・「自分は頑張れる」 と繰り返し言ってみる
長期的な 「現実を受け止めるためのスキル」 は、
マインドフルネス・スキルが適用されます。
「呼吸を観察するマインドフルネス」 「自己覚知のためのマインドフルネス」
「微笑」 のスキルを通して、現実の苦痛を 受け入れるようにしていきます。
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55311814.html
〔 「パーソナリティ障害」 福島章 (日本評論社) より 〕