( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55197261.html からの続き)
僕も数年前、立て続けに 別れを体験しました。
母、心子、祖母、父……。
それを思い出しながら、映画を観ていました。
母は病院で納棺され、実家に運ばれてきたので、
僕は納棺の場に 立ち会うことはありませんでした。
父のときは、病院から実家まで ストレッチャーに乗せて 車で運ばれてきて、
二日後くらいに 家で納棺を行ないました。
葬儀社から係りの人が 3人やってきましたが、リーダーの人は 温水洋一似で、
しんみりした場に いかにも似つかわしい 風貌でした。
この人は 顔でこの仕事に 配属されたんじゃないかなと、内心思ってしまいました。
見習いの人もいて かしこまっていましたが、
毎回 死人の相手をする仕事を 担当させられて、
楽しくないだろうなと 思ってしまったものでした。
僕も こういう仕事に対する 理解がなかったんですね。
納棺の儀式は 映画と同じではありませんでしたが、
係の人に指示されて、遺族が一人ずつ 父の体を清める 所作もしました。
初めてのことで 少し戸惑いましたが、僕は気持ちを込めて お清めをしました。
でも僕の兄などは、かなり違和感を感じたようです。
いきなり そんなことをさせられて、その場で断るわけにも いかなかったものの、
あとで文句を言っていました。
しかし 元々伝統的な 清拭の儀式だったんですよね。
あるいは父は そういうことをされるのを、余り好まない 人だったかもしれません。
また事前の説明もなく 費用に含まれてしまうことも、
出費者の兄には不満だったでしょう。
でも僕は、父と別れの儀式ができて、
そういう形で 父に触れることもできて、とても良かったと思っています。
都会の葬儀で こういうことがどのくらい 行なわれているのか知りませんが、
習慣として 広まってもいいことだと思います。
(前もって説明は あったほうがいいかもしれません。)
ところで、映画では 寝間着から白装束に 着替えていましたが、
父の場合は 普段着ていた服に 着替えました。
和服なら 寝たまま着替えさせることも 可能ですが、
洋服だと それは難しいのではないでしょうか。
その時だけ 家族は部屋の外に出されました。
想像ですが、洋服の背中を はさみで切って着せたのか、
遺体を起こして 着せたりしたのかもしれません。
今回 この映画を見て、僕も納棺師の仕事に 魅力を感じました。
自分もこの仕事をしようかと 思ってしまったほどです。
なかには、この映画を観て 納棺師になる人も 出てくるのではないでしょうか。
そうだとしたら、映画にとっても、納棺師にとっても、幸いなことでしょう。