(前の記事からの続き)
助けを必要としているのは、 患者ばかりではない。
自殺をほのめかす我が子に 苦しむ家族を救おうと、
7年前、 神奈川に 家族会が結成された。
患者の父親 「言い方は悪いけど、 この子がいなくなったら 自分も楽になる。
どっかにそういう気持ちが ふと湧いてくることがある。
一緒に死ねば 楽になる 」
孤立する家族が集まり、 互いの苦悩を 分かち合うことで、
ほんのひとときだが 救われる。
患者の母親 「娘が 『死ぬ!』 と言って 暴れたときに、
『じゃあ 一緒に死のうか』 と言ったら、
娘が 『死にたい』 と 言わなくなった。
私たちが ふらふら動揺していると、 子供たちは ますます動揺する 」
家族会をサポートする 看護師は、
親が 一人で抱え込まないことが 大切だと指摘する。
看護師 「他人に話せないと、 気分的には どんどん視野が狭くなる。
話す場所は あったほうがいい。
それで 親が変わることで、 子供も変わっていく 」
リストカットに苦しんでいた 愛知県の麗さんから、 突然の連絡が入った。
大量の薬を 飲んだのだという。
幸い 命に別状はなかったが、
服薬から 丸1日たっても、 意識が朦朧としている。
麗さんが 大量服薬したのは6度目。
薬の量は これまでで最も多く、 200錠を超えていた。
母親は 朝早く仕事に出たため、 発見が遅れた。
麗 「とにかく ゆっくり寝たかった。
何も考えたくなかった 」
境界性人格障害の治療には 時間が必要だ。
その間、 家族や友人が無理をせず、
できる範囲で 患者と関わり続ければ、症状が改善することも あるという。
〔 TBS 「報道特集 NEXT」 より 〕
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