( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/56810877.html からの続き)
当時の僕が 天才的友人の影響を受けて、 創作上で求めていたことを、
以前 ある冊子に 掲載したことがあります。
それを紹介します。
「 僕が学んできたものは、 既成概念を否定すること、
自分達が 無反省に受け入れているものを もう一度 疑いなおすことによって、
隠された真実を 見いだそうとする姿勢だった。
物書きに限らず、 真理を追究したいと 望む人間は、
批判精神を研ぎ澄ましていかなければならない。
常に 『これでいいのか』 という問いを 発しつづけなければならない。
それは時に 苦渋に満ち、 残酷ですらある。 」
例えばそれは、 哲学の基本的な態度と 共通します。
哲学というのは、 誰もが 常識と思っていることを 見つめなおして、
本当に正しいことは 何なのだろうかと 追求していくことです。
でもそれは、 常識通りに生きている 人との間では、
トラブルが 生じることがあります。
若いときには、 真実を追い求める姿勢と 日常のコミュニケーションを、
使い分けるなどという 柔軟さや賢明さは、 とても持ち合わせていません。
本音と建前が 別だなどということは、
むしろ とんでもなく不誠実で 卑怯な態度だったのです。
ありのままの自分を 表現することが、 僕にとっての誠実さ, 正直さでした。
「 かつての政治的な青年が 共産主義思想の 洗礼を受けたように、
芸術を目指した僕は、 当時 アバンギャルド (前衛芸術),
または 表現主義に傾倒していきました。
自分の生活の 全てを占めるのは 創作であり、
僕は自分の 価値観を探究し、 日々 自分の創作世界を 構築していきました。
そして それを幼い傲慢さで、 マンガの同人誌仲間に 主張していました。
その結果 周囲との軋轢, 無理解, そして それによる失恋で、
僕は致命的な挫折に 陥りました。 」
「 僕が成してきたことは 正に、
若き日のクリストフが やってきたことそのままでした。
たったひとつ 違うことは、
クリストフは天才であり、 僕は凡人であった ということです。 」
(次の記事に続く)