「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

依存 -- TBSで境界性人格障害の特集 (5)

2008年11月12日 11時17分51秒 | ボーダーに関して
 
(前の記事からの続き)

 見捨てられることに脅える 境界性人格障害の人々。

 都内の大学に通う ルカさん。 (仮名・22才)

 寂しさに苛まれるたび、

 自分を必要としてくれる 人を探すため、 歓楽街に足を運ぶ。

 この日も、 わずかな時間で 何人もの男性から 声をかけられた。

男 「地方から出てきた? 」

ルカ 「もともと東京 」

男 「体を売ってるの? 」

ルカ 「そういうのじゃないです 」

 自分に自信が持てず、 小学3年のとき リストカットを始めた。

ルカ 「自分は 罪深い人間だと思ってる。

 さっさと死ななければと、 常に思って 生きてきた。

 価値がない。

 何もできない 」

 今 ルカさんには、 心を許せる パートナーがいる。

 2年前に知り合った マサトさん。(仮名)

 ルカさんはマサトさんに 執拗にメールを送り、

 自殺をほのめかすなど、 振り回してきた。

マサト 「薬を大量に飲んで 病院に運ばれたと、 留守電に入っていて、

 病院へ行くと ベッドで寝ていた。

 それを見たとき、 パニックになりましたね 」

ルカ 「見捨てられて、 自分は一人になって、 そのまま全てが終わる 」

スタッフ 「全てというのは? 」

ルカ 「全てのこと。 例えば命とか 」

 マサトさんは、 独学で学んだ 病気の対処方法を 携帯電話に書き込み、

 ルカさんとの接し方の 参考にしている。

 マサトさん自身も 性同一性障害を抱え、

 理解されないことの 苦しみを知っているからだ。

マサト 「病気でつらいのは 本人だから、

 苦しみながらも 頑張っている本人を 否定する言い方はいけない 」

 しかしそれでも、不特定多数の男性と 性的関係を持つ ルカさんの行動は、

 なかなか理解できない。

 だがそれは ルカさんにとって、

 見捨てられる不安を 打ち消すための行動だった。

マサト 「本当は 性的なことに対する 嫌悪が強いのに、

 自分を傷つけたくなると してしまうのには驚いた」

〔 TBS 「報道特集 NEXT」 より 〕

(次の記事に続く)
 
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