(前の記事からの続き)
同じ並木の銀杏でも、 黄色い所と 緑が残る所があったりします。
黄葉の時期は 個体差もありますが、 日当たりと剪定の 影響が大きいそうです。
銀杏の葉は 日光を浴びて光合成をし、 その役割を終えると 葉緑素がなくなって、
黄色い色素が残って 黄葉します。
日照条件や剪定が良くないと、
銀杏の葉は “逆境” の中で 懸命に生きようとするため、
かえって緑が長く続き、 黄葉が遅れるのだといいます。
最近は 全体的に黄葉の時期が 遅くなっているようです。
温暖化の影響で 気温が下がらなかったり、
都市部では夜も明るいことが 影響しているといわれます。
ところで、 日本の街路樹で 一番多いのが銀杏だそうです。
街路樹は 根元が踏み固められたり、 通気性や透水性が悪く、
樹木にとっては 非常に良くない環境ですが、
銀杏は それでも育つ強さを 持っているのだということです。
夏は豊かな緑葉で 直射日光を遮ってくれ、
冬は落葉して 暖かい日差しを取り入れてくれます。
落ち葉の清掃が 非常に大変でも、
落葉樹が 街路樹に選ばれる理由は、 そこにもあるでしょう。
街路樹は 美しい景観で 人の目を楽しませてくれるだけでなく、
ヒートアイライド現象を緩和したり、 防火の役割を担ったり、
環境維持にも貢献しています。
長寿で 生命力が強い銀杏は、 ご神木や街路樹、 秋の味覚のギンナンなど、
色々な形で 人々に親しまれているのですね。
〔 参考文献 : 読売新聞 〕