(前の記事からの続き)
○ 東央大病院・ 外景 (昼)
空が広い。
○ 同・ 淳一の病室
美和子、 淳一の手を握っている。
無言のまま 互いを見る
全て 心は通じている。
美和子、 淳一の顔に頬を寄せる。
○ 同・ オペ室前の廊下
ストレッチャーに乗せられた安達。
美和子、 世良、 ナースが付いている。
杏子と川添が これを見送る。
杏子 「川添先生がね、 最後にこの人の体、
あたしに拭かせてくれたんだ …… 」
美和子 「そうですか …… 」
杏子 「(安達に) あんた、 よかったね、 いい
先生に診てもらって …… 」
眠っている安達。
杏子 「何だい、 ちょっとくらい笑っとくれよ
…… 」
美和子・ 世良 「 …… 」
杏子 「ふふ …… 笑うわけないですよね …… 」
美和子 「 ……… 」
杏子 「(美和子に) よろしくお願いします …
… (頭を下げる)」
美和子 「ありがたく承ります …… 」
美和子とナース、 安達を押して、 オペ室
に入っていく。
世良が続く。
オペ室に消えていく安達。
杏子 「(川添に) …… 何だか、 まだ、 生きて
るみたいでしたね …… 」
○ 同・ 麻酔室
淳一に準備麻酔がかけられる。
多佳子が淳一の手を取っている。
淳一 「じゃ、 ちょっと、 寝るからね …… 」
多佳子 「うん …… ちょっと、 おやすみ ……
(微笑)」
(次の記事に続く)