( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/61379524.html からの続き)
○ 佐伯家・ 食卓 (朝)
美和子が 朝食の用意をしている。
淳一が入ってくる。
全裸でサングラスをしている。
視点が定まらず、 茫然としている。
美和子 「ジュン? どうしたの、 その格好
…… !?」
淳一 「 …… ポチは …… ? どこ行ったの
…… ?」
美和子 「え、 なに言ってるの !?」
淳一 「 …… 探してもいないんだよ ……
(虚ろな目)」
美和子 「意識障害 …… !?」
淳一 「 …… どこに隠したんだよ …… ?」
美和子 「(淳一の肩をつかみ) ジュン !!
しっかりして !!」
淳一 「 …… ポチ …… どこだ …… ?」
美和子 「ジュン ! 分かる !? ポチは死んじ
ゃったじゃったのよ ! (淳一のサングラス
を外す)」
淳一 「ああ …… ?」
美和子 「おいで ! (淳一の手をつかみ、
引っ張っていく)」
○ 同・ 庭
美和子が淳一を ポチの墓に連れてくる。
美和子 「ジュン ! ポチのお墓よ ! 分か
る !?」
淳一 「あ、 ああ …… (少しずつ我に返る)」
美和子 「ジュン …… !!」
淳一、 次第に自分に気づき、 ぶるぶる
震えはじめる。
美和子 「大丈夫!?」
淳一 「 …… あああ …… !!」
淳一、 家の中に 駆け込んでいく。
美和子 「ジュン !! (追いかける)」
○ 同・ 淳一の部屋の前
淳一、 わめきながら走ってくる。
光のついた 部屋の中に入り、 ドアを閉め
る。
美和子が追いかけてくる。
美和子 「ジュン !」
美和子、 ノブを回すが 動かない。
美和子 「開けて ! (戸を叩く)」
中から 淳一の叫び声と 激しい物音が聞こ
えてくる。
美和子 「何してるの、 ジュン !?」
淳一の叫び声。
美和子、 向かいの 自分の部屋に飛んでい
く。
机の引出しから 淳一の部屋の鍵を 取り出
し、 踵を返す。
淳一の部屋の鍵を 開ける美和子。
美和子 「ジュン ! (ドアを開け 部屋の中に
飛び込む)」
淳一が 両膝を抱えこんで震えている。
蛍光灯が割られ、 破片が飛び散っている。
美和子 「大丈夫 …… !? 」
淳一 「 …… ううう …… 」
美和子 「ジュン …… !! (淳一を強く抱きしめ
る)」
淳一、 視線が宙を漂い、 顎をガクガクと
震わす。
美和子 「ジュン …… ! (思い切り抱きしめ
る)」
(次の記事に続く)