「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

ハーグ条約 (3)

2011年04月24日 19時01分35秒 | Weblog
 
(前の記事からの続き)

 ハーグ条約は、 子供を速やかに 元の国に戻すという 原則ですが、

 その原則に従ったため、 子供の不利益になったケースが スイスでありました。

 スイス人の元妻が 子供を連れて帰り、

 オーストラリア人の父親が 子供の返還を要求しました。

 スイスの裁判所の決定により、 子供は オーストラリアに戻されましたが、

 実は父親に養育能力がなく、 子供は里親に 預けられてしまったのです。

 スイスでは 子供を守る 新たな国内法を作り、

 子供に重大な危険があるとき、 返還しなくてもいいという 条件を明確にしました。

1. 申し立て側の養育が 子供の利益に反する

2. 連れ去った親が 元いた国で、 養育できない事情がある

 何よりも 子供の福祉に 焦点を当てた考えが重要で、

 子供の意見を 大切にしなければなりません。

 日弁連には  「両性の平等委員会」 というものがあり、

 DVを受けた女性の立場から ハーグ条約の批准に 意見書を出しています。

 意見書は 女性の利益を守ろうとする余り、 子供の福祉が疎かにされているようです。

 このような反対意見があるとはいえ、

 ハーグ条約は 国際ルールとして定着しており、 その批准は 時代の要請と言えます。

 DVなど 子供の福祉に反する場合に限り、

 返還を拒否する基準作りを 政府は早急に行ない、 国内法の整備する必要があります。

 国際結婚の夫婦に ハーグ条約を周知させることも、 忘れてはならないでしょう。

〔 参考 : NHK 「クローズアップ現代」 〕
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする