福島第一原発で 復旧作業に奮戦している、
東電や関連企業の関係者たちは、 劣悪な生活環境にさらされています。
第二原発 (第一原発から約10キロ) の体育館では、
二百数十人の作業員が 防護服を着たまま雑魚寝するなど、 過酷な状況です。
冷たく固い床に アルミの断熱シートを敷いて、 毛布にくるまっています。
汚染事故に巻き込まれないかと、 不眠を訴える人もいます。
作業では 防護服に身を包み、 さらに全面マスクをして、 大変高温多湿です。
しかし きれいな水がないため、
作業から戻って来ても 手を洗うことすらできません。
風呂にも入れず、 シャワーもなく、
早急に 簡易の風呂を設けるべきだと 求められています。
衛生面だけでなく、 精神的なリフレッシュも重要で、
それがないと ヒューマンエラーに繋がってしまいます。
食事は、 冷たいレトルト食品と 缶詰だけだった時より 少しは良くなり、
1日3食で パンやソーセージ、 ゼリー飲料を 口にできるようになりました。
また、 温かいみそ汁を 飲めるときもあるそうですが、
一番不足しているのは 生野菜です。
低い栄養価で、 精神的なダメージも受けており、
作業員は皆 1回2回は倒れているといいます。
作業員の8割は被災者であり、
自身が家族を亡くしたり、 困難な状況を抱えているのです。
にもかかわらず 復旧作業に従事し、 二重三重のストレスを感じています。
作業員の人たちは、 自分の会社が 日本や世界に迷惑をかけてしまったという、
加害者意識に駆られているのです。
今はやるしかないと、 気を張りつめていますが、 長期のケアが必要です。
現場は一生懸命やっているのに、 本店からの要求は、
現場からすれば 「そんなのすぐには無理だ」 というものが、
次々とやって来ます。
できることとできないことがあるという、 現場の声を理解するべきです。
東電の幹部はなぜ、 現場に 風呂や温かいご飯などを 配給しないのでしょう。
それはやりようで いくらでもできるはずなのに、 一体 何を渋っているのか?
作業員は 自分には何の責任もないのに、
文字通り命がけで 日本を守ってくれる救世主です。
その人たちが このように無惨な条件の下で、 放射線に身をさらし、
今も 懸命の作業を続けているのです。
〔 フジテレビ 「とくダネ!」, TBS 「ひるおび」 より 〕