「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

福祉避難所  高齢者を守る

2011年04月18日 22時28分03秒 | 東日本大震災
 
 避難所には 介護が必要な高齢者も 大勢暮らしています。

 高齢者にとって 長引く避難所生活は 命に直結する問題です。

 「福祉避難所」 が その解決策のひとつとされています。

 福祉避難所とは、 災害時に、

 介護の必要な 高齢者や障害者を 一時受け入れて ケアする施設です。

 バリアフリー化され、 専門スタッフを配置した 介護施設や学校を、

 自治体が指定します。

 民間施設の場合は、 事前に協定を結んでおきます。

 石巻の中学の体育館は、 医師や看護師約20人が 24時間対応する避難所です。

 Yさん (82才・女性) は 認知症を患い、 足も不自由で 要介護度5ですが、

 ここに来て やっと落ち着きました。

 Yさんは最初は 別の中学に避難しましたが、 ストレスが高じて 症状が悪化。

 毎晩、 「火事だ、 逃げろ~」 と 声を上げ、 別の避難者から 苦情が出ました。

 そこで、 石巻に急遽開かれた 福祉避難所にやって来たのです。

 肺炎, 脱水, 床ずれが原因の感染症。

 体力の弱った高齢者は、 ケアを怠れば 死に至ります。

 この福祉避難所では、 1日2回のスタッフ会議で、

 気になる人について 情報を共有し、 ホワイトボードに書き込みます。

 Yさんはここに 1週間ほど滞在して、 地元の特別養護老人ホームに 戻りました。

 しかし 福祉避難所を指定している自治体は、 全国平均で34%。

 岩手, 宮城, 福島では 23%にとどまっています。

 どこも満杯の状態で、 待機者も出ています。

 そもそも 福祉避難所に辿り着けず、

 一般の避難所に残っている 要介護高齢者も多いと見られます。

 福祉避難所は あくまで一時的なものです。

 その後は 施設に戻ったり、 仮設住宅に移ったりすることが 想定されています。

 避難所を出たあとの 受け皿が大きな課題です。

 被災地以外での受け入れを、 広域でカバーすることが求められます。

〔 朝日新聞より 〕
 
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