「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

放射線下での限界作業

2011年04月01日 21時49分41秒 | 東日本大震災
 
 福島第一原発で奮闘している、 東電や協力会社の 作業員は約500人。

 3日働いて1日休む ローテーションで、

 楢葉町近くの 民宿や宿泊所から通っています。

 原発敷地内では、 免震重要棟の 「緊急時対策室」 を 拠点としています。

 放射線を防ぐ 特殊な構造で、 放射線を取り除くフィルターや、

 作業員を除染する設備もあり、 防護服なしで過ごすことができます。

 昨年7月に完成したばかりで、 それが不幸中の幸いでした。

 寝泊まりができますが、 ベッドが足りないので、

 作業員は毛布にくるまって 雑魚寝しています。

 食事は1日2回、 朝は乾パンと野菜ジュース、 夜はレトルト食品や缶詰です。

(ただし当初は ビスケットやジュースなどだけで、 1日400キロカロリー、

 水も1日1.5リットルだった という話を聞きました。

 極限の環境下の 心身とも過酷な重労働には、 とても耐えられないような悪食です。

 文字通り我と我が身を懸けて 日本を救おうとしている勇士に対して、

 拷問のような待遇です。)

 放射線量の高い場所で 作業をする場合は、

 放射線管理員が 事前に放射線量を測定し、 安全を確かめてから作業に入ります。

 汚染水の処理や、

 機器の復旧や動作確認など 電気系統に関わる 仕事をしているようです。

 人海戦術なので、 その都度 協力会社に連絡して 応援を求めています。

 人数を増やして、 一人当たりの負担や被曝量を 少なくしなければなりません。

 いま 一番重要なのは、 作業員たちの待遇改善です。

 疲労からくる作業ミスによる 二次被害を防ぐためにも、

 被曝線量をできるだけ抑え、 充分リフレッシュできる環境を 整えることが必要です。

 放射性物質を制圧しながら、 効率的に作業を進めるには、

 内外の知恵を 総動員しなければなりません。

 4つの原子炉施設で 同時並行に発生する、 未知数の危険に立ち向かって、

 死中に活路を見いだそうとする、 世界でも例のない難作業が

 いま行なわれているのです。

〔 参考資料 : 朝日新聞 〕
 
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泥縄式の福島原発

2011年04月01日 00時15分15秒 | 東日本大震災
 
 僕は大学で 建築学科だったのですが、

 入学直後に 原子力発電所の映画を見せられたのを、

 今でも印象深く 覚えています。

 科学の粋を集め、 原子力に対して 厳密な計算の元に、

 安全面でも 周到な防御をしている計画に、 当時の僕は 感動したものでした。

 核分裂する原子核という ミクロの世界と、 巨大な原子炉という マクロの世界が、

 まさしく合致したという  感慨を持ちました。

 僕は理系ですから、 科学の力を信じ、 原発は有益で 安全だと思ったのです。

 二十歳にもならない 世間知らずの学生に、

 原発の良い面だけを 描いた映画を見せ、 教化しようとしたのでしょう。

 原発の旧耐震指針が 国によって作られ、 原発を推進した 時期と一致します。

 ところがその後、 スリーマイルやチェルノブイリ、

 日本でも  「もんじゅ」 のナトリウム漏洩、 柏崎刈羽原発の事故など、

 いくつもの事故が起きました。

 原発は決して 完璧などではなく、

 こういう恐ろしい 現実は起こるのだと 思い知らされた次第です。

 そして今や、 次々と 予期せぬ危険な局面を あらわにする福島原発です。

 それらの緊急事態に、 正に泥縄式の対応で、

 汲々と追い立てられている 東電や行政。

 当初は僕は、 そのうち治めることができるのだろうと 楽観視し、

 こんな立て続けに 新たな難局が発生してくるとは 思っていませんでした。

 東電は どのような事態の可能性まで  “想定” していたのでしょう? 

 今後 どんな展開になるのか分からず、 長期化は免れません。

 ただ、 TVでは 解決策を述べている 専門家もいました。

 当面は タンクやタンカーに 汚染水を溜め、

 その間に 防水加工をした 大きなプールを作って 汚染水を集め、

 放射性物質を濃縮して ドラム缶にし、

 六ヶ所村 (核燃料再処理施設) へ持っていけば 確実に処理できると。

(数ヶ月の作業と言っていたか)

 しかしその後も、 炉心の冷却は 年単位の時間が必要で、

 廃炉には数十年かかるといいます。

 決して油断することなく、 かといって過度な反応もせず、

 予断を持たずに 見つめていかなければなりません。
 
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