DBTスキル訓練プログラムは 24週1セットのプログラムで、
つらさに耐える (苦悩耐性) スキル, 感情調節スキル, 対人関係スキルの
3つのモジュールから成っています。
どのモジュールでも、 マインドフルネス・スキルを学びます。
以下のようなローテーションを 2回りすると、 48週 すなわち約1年になります。
マインドフルネス → 感情調節スキル → マインドフルネス
↑ ↓
対人関係スキル ← マインドフルネス ← 苦悩耐性スキル
・ 感情調節スキル
リネハン博士は、 問題は感情調節がうまく働かないため と考えています。
従って 自分の感情を理解し、 感情と上手に付き合うことで、
問題を改善できると考えられます。
・ 対人関係スキル
感情的に辛い経験は、 対人関係がうまくいかないことと 大いに関係があります。
感情的に辛くなると、 対人関係のトラブルが起きやすくなります。
すると更に 感情的な辛さが悪化するので、
対人関係を効果的に持てる スキルが大切になるのです。
・ 苦悩耐性スキル
感情に圧倒されると、 しばしば行動に結びつきます。
例えば 怒りを強く体験すると、 攻撃的になった怒鳴ったりするでしょう。
感情に触発される行動自体は 自然な反応ですが、 感情調節がうまくできないと、
行動も極端になり、 社会生活に支障をきたします。
自殺企図や自傷などの行動も、 辛い状態に対する対処行動です。
辛くなるとまた そのような対処行動が繰り返され、
問題がこじれ、 一層つらい状態になるのです。
苦悩耐性スキルは 問題をこじらせないように その状態に耐え、
他のスキルを使って 状況を改善するためのスキルです。
(次の記事に続く)
〈遊佐安一郎〉
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ, ジェフリー・C・ウッド, ジェフリー・ブラントリー)
訳/遊佐安一郎, 荒井まゆみ〕より
[星和書店の許可のうえ掲載]