「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

神宮外苑の銀杏並木について

2010年12月10日 20時50分50秒 | 心子、もろもろ
 
 神宮外苑の銀杏並木は、 世界でも有数の 美しい並木だと言われています。

 青山通りから絵画館へ向かう 約300メートルの道路の両側に、

 2列ずつ 計4列の銀杏が 146本植えられています。

 青山通り側から見ると、 中央に 遠景の絵画館を挟んで、

 両側に見事な 銀杏並木が整然と並んでいるのです。

 一本一本が 円錐形に刈り込まれ、 凛として並び立つ街路樹は、

 威風堂々とした格調を感じさせます。

 実は 絵画館側に植えられた銀杏のほうが 樹高がやや低く、

 青山通り側に向かって 次第に高くなり、 両端部では 3メートルの差があります。

 そうすると 景観に奥行きが生まれ、 絵画館が大きく見えるという、

 遠近法の視覚効果があるそうなのです。

 ここの銀杏は 今から100年以上前に、

 新宿御苑で採取された ギンナンから育てられ、 1923年に植樹されたといいます。

 以来 一本も欠落することなく、 今も 凛とした居住まいを誇っています。

 黄葉の見頃には  「いちょう祭り」 が開かれ、 今年で14回目だということです。

 心子と見た時は 3日間くらいでしたが、

 現在は 11月中旬から12月中旬までの 1ヶ月となり、

 会場の広さや 露店の数も 10倍くらいになっています。

 神宮外苑銀杏並木は 心子が一番好きな場所でしたが、

 今も多くの人が訪れ、 華やかな姿が愛でられています。

〔 参考文献 : 読売新聞 〕
 
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銀杏の黄葉の変化

2010年12月09日 21時07分30秒 | 心子、もろもろ
 
(前の記事からの続き)

 同じ並木の銀杏でも、 黄色い所と 緑が残る所があったりします。

 黄葉の時期は 個体差もありますが、 日当たりと剪定の 影響が大きいそうです。

 銀杏の葉は 日光を浴びて光合成をし、 その役割を終えると 葉緑素がなくなって、

 黄色い色素が残って 黄葉します。

 日照条件や剪定が良くないと、

 銀杏の葉は “逆境” の中で 懸命に生きようとするため、

 かえって緑が長く続き、 黄葉が遅れるのだといいます。

 最近は 全体的に黄葉の時期が 遅くなっているようです。

 温暖化の影響で 気温が下がらなかったり、

 都市部では夜も明るいことが 影響しているといわれます。

 ところで、 日本の街路樹で 一番多いのが銀杏だそうです。

 街路樹は 根元が踏み固められたり、 通気性や透水性が悪く、

 樹木にとっては 非常に良くない環境ですが、

 銀杏は それでも育つ強さを 持っているのだということです。

 夏は豊かな緑葉で 直射日光を遮ってくれ、

 冬は落葉して 暖かい日差しを取り入れてくれます。

 落ち葉の清掃が 非常に大変でも、

 落葉樹が 街路樹に選ばれる理由は、 そこにもあるでしょう。

 街路樹は 美しい景観で 人の目を楽しませてくれるだけでなく、

 ヒートアイライド現象を緩和したり、 防火の役割を担ったり、

 環境維持にも貢献しています。

 長寿で 生命力が強い銀杏は、 ご神木や街路樹、 秋の味覚のギンナンなど、

 色々な形で 人々に親しまれているのですね。

〔 参考文献 : 読売新聞 〕
 
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見頃を逸した 銀杏並木

2010年12月08日 19時40分43秒 | 心子、もろもろ
 
 毎年見に行く 神宮外苑ですが、 今年は銀杏の黄葉が 例年より遅れており、

 12月に入ってから 行く予定にしていました。

 しかし 立て込んでいたり、 急に予定が変わったりで、

 今日まで 行ける日がありませんでした。

 黄葉の状態を リアルタイムの知らせてくれる HPがあるのですが、

 そこの写真では まだどうにか 見頃を保っているようでした。

 僕の最寄り駅の 銀杏並木も、 まだ 黄葉を付けている木が 沢山あります。

 ところが、 今日 外苑へ行ってみると、 一番手前の 一本を残して、

 ほとんど全て 葉が落ちて 丸裸になってしまっていました。

 HPの写真に映っていたのは 一番手前の 一本だったのですね。(;_;)

 前夜の風と雨で、 最後の残り葉も 落ちてしまったのでしょう。

 おまけに 黄色い絨毯もびしょびしょで、 落ち葉拾いもできませんでした。

 今年は完全に タイミングを逸してしまい、

 心子との想い出に 浸ることもできませんでした。 (;_;)

 そんななかでも  「いちょう祭り」 が 開かれていましたが、

 客足はほとんど まばらでしたね。

 来年は 時を見計らって、 黄金色のルーフの下を 歩きたいと思います。
 

 それにしても、 年々 黄葉がおかしくなってきている気がします。

 黄色くなった木と まだ青い木の 差が大きく、

 全て落葉した木と まだほとんど緑色の木が 隣り合ったりしています。

 最寄り駅の銀杏では、 まだ全く青いうちに 落葉してしまった葉もありました。

 何かが変わってきているようですが、

 それに関係する記事が 読売新聞にあったので、 明日 掲載したいと思います。

(次の記事に続く)
 
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メモリは まな板だ

2010年12月07日 20時49分06秒 | Weblog
 
 以前から パソコンが非常に重く (ウィルスソフトを入れてから?)、

 近頃は ひとつの動作に 何十秒もかかってしまうようなこともあって、

 やってられませんでした。

 メーカーに電話したところ、 メモリ不足だということで、

 メモリを増設することにしました。

 パソコンを使い始めてから 約10年、

 2台目のパソコン (デスクトップ) ですが、

 メモリ増設するのは 初めてです。 σ (^^;)

 誰でもできるということで、 ちょっとうまく はまらなかったりもしましたが、

 無事に増設することができました。

 約500MBが 1.5GBになり、 ひとまず結構快調です。
 

 メモリといえば、 僕がパソコンを 使い始めて間もなく、

 パソコンのことなんて 全然理解できないころ、

 メモリなどの説明を 分かりやすくしてくれた人がいます。

 ハードディスクやCPUを 板前の厨房に例えて、 その人の家族に言ったのです。

 曰く、

「CPUというのは 板さんの腕前だ。

 腕がいいほど 仕事が早い。

 メモリはまな板だ。

 広いほど 仕事がしやすい。

 ハードディスクは冷蔵庫だ。

 大きいほど 沢山の食材が入る。」

 初心者にも 非常に納得できる講釈でした。  (^^;)
 

 ちなみに、 その当時 僕が使っていた ワープロのCPUと、

 アポロ13号のCPUは 同じ程度の性能だったそうです。

 アポロは 正にボートで 大海原に挑むようなものだったのですね。
 
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母の十三回忌

2010年12月06日 20時39分41秒 | Weblog
 
 昨日は 母親の十三回忌でした。

 脳出血で 重度の片麻痺となり、 3年間の入院後、 肺炎を併発して、

 平成11年 1月1日、 午後1時ごろに 亡くなったのでした。

 母は、 僕と心子が 知り合った後に 入院し、

 心子は僕を通して、 母にも気遣いをしてくれました。

 でも、 心子と恋人として 付き合うようになる前に、 母は永眠したので、

 心子を母に 紹介などすることはできませんでした。

 母が他界して3年後、 父親もあとを追うように、 がんで世を去っていきました。

 その年は、 心子が旅立った年でもあり、 祖母も大往生しました。

 僕にとっては 多くの人を失った年でした。

 従って この時期は、 毎年 法要に追われていました。

平成11年 1月 母通夜・告別式

  11年12月 母一周忌

  12年12月 母三回忌

  13年 1月 心子通夜・告別式

      8月 祖母通夜・告別式

     11月 父通夜・告別式

  14年 8月 祖母一周忌

     11月 父一周忌

  15年 8月 祖母三回忌

     11月 父三回忌

  16年    叔父二十七回忌

     12月 母七回忌

 やっと一段落して、 3年後に父の七回忌でした。

 ちなみに、 立て続けということでは、

 昨日と一昨日は 酒席の連続でした。 (^^;)

 一昨日は、 午後1~3時に 中学の忘年会、 5~7時に シナリオ仲間の忘年会、

 昨日は 法事のあとの会食です。

 相次ぐ飲み放題で、 帰りの電車では爆睡でした。  (^_^;)

 さらに 寝酒も飲んだので、 今日は昼も お酒が抜けない感じでした。

 今日は 貴重な休肝日にしようかと 思っているのですが。
 
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肝臓はあげられない …… 「生死命(いのち)の処方箋」 (55)

2010年12月05日 17時41分43秒 | 「生死命(いのち)の処方箋」
 
(前の記事からの続き)

○ 街路 (夜)

  世良の車が走る。

 
○ 世良の車の中

美和子 「世良さん、 ジュンに 余計なこと

 吹き込むのはやめて」

世良 「余計なことだって?  事実を隠してば

 かりいて、 自分の良心に 恥ずかしくないの

 か ?」

美和子 「あたしは …… 自分の良心なんかより

 ジュンの命のほうが 大事よ …… !」

世良 「だったら 自分の体を犠牲にしてでも、

 淳一くんを 助けるべきじゃないのか?」

美和子 「どういうこと ?」

世良 「(失言を悔やみ) …… 生体肝移植だよ

  ……。 どうしてそれには 一言も触れないん

 だ ?」

美和子 「(当惑) …… 生体肝移植は、 技術的

 にも、 倫理的にも、 まだ問題があるし …

 …」

世良 「それは 脳死からの移植だって 同じだろ

 う !?」

美和子 「 ……… (言葉が出ない)」

世良 「自分の体を 切るのは嫌で、 人のものなら

 騙してでも 巻き上げようっていうのか

 ?」

美和子 「 ……… (うつむいてしまう)」

世良 「 ……… 美和子が、 信じられなくなった

 よ …… 」

  気まずい沈黙。

美和子 「 …… 世良さんには、 言いたくなかっ

 た …… 」

世良 「何を ?」

美和子 「 …… あたし、 ジュンとは 組織が不適

 合なの …… 」

世良 「え ?」

美和子 「ジュンに肝臓を あげることができな

 いのよ …… (涙がにじむ)」

  世良、 驚いて 車を道路脇に止める。

世良 「本当か …… ?」

  小さく頷く美和子。

世良 「そんな …… 」

美和子 「 …… あたしが駄目なら …… 次の身内

 は …… 」

世良 「 ……… 」

美和子 「世良さんに そんなこと頼めないじゃ

 ない …… !! (顔を伏せる)」

世良 「 …… 美和 …… 」

  涙を拭う美和子。

美和子 「 ……… 言ったら ……、 くれた …… 

 ?」

世良 「 ……… (沈黙)」

美和子 「 …… 答えられないのね …… (涙)」

(続く)
 
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偽りの説明 …… 「生死命(いのち)の処方箋」 (54)

2010年12月04日 23時20分44秒 | 「生死命(いのち)の処方箋」
 
(前の記事からの続き)

○ 東央大病院・ カンファレンスルーム

  緒方と美和子が 杏子を説得している。

緒方 「いかがでしょう、 奥さん。 ご主人の死を

 無駄にしないためにも、 どうか 臓器の提

 供を 考えていただけないでしょうか? 

 ご遺体を焼いて 灰にしてしまうより、 ご主人

 の体の一部が この世のどこかで 生きつづけ

 て、 誰かを助けているということのほうが、

 ご主人も 報われるのではないでしょうか

 ?」

杏子 「 …… うちの人が あんなになったのは、

 自業自得かもしれないって 思います …… 

 だけど、 内臓を取るなんてこと、 あたしは

 どうも …… 」

美和子 「脳死になると 脳細胞は、 自己融解

 (オートリシス) と言って ドロドロに溶け

 てしまうんです。 そんな状態にしておくの

 は、 かえって 残酷なことではありません

 か?」

緒方 「治療費も 1日10万以上 かかっていま

 す。 移植にご協力いただければ、 ご主人の

 医療費や葬儀費用も 私どもで負担させてい

 ただきます」

杏子 「 …… でもねえ、 金に代えられないもの

 って、 何かあるんじゃないですかねえ …

 …」

 
○ 同・ カンファレンスルームのドアの外

  世良が 美和子たちの話を聞いている。

 
○ 同・ 消化器外科

  美和子が 淳一の交換輸血をしている。

美和子 「また ビリルビンが上がっちゃったね

  …… 」

淳一 「 …… 姉キ …… 頼みがあるんだ。 人に

 嘘をつくのは やめてくれないか ?」

美和子 「嘘 ?」

淳一 「家族の人に 脳死の説明したんだろ ?

 でも 脳細胞がドロドロになるのは 脳死にな

 ってから ずっとあとで、 その時には 臓器は

 もう 移植に使えなくなってる ……。 それに

 医療費がかかるのは、 本当は移植のために

 臓器を新鮮に保つ 治療をする時だって …

 …」

美和子 「どうしてそんなこと ?」

淳一 「世良さんに聞いた …… 」

美和子 「いずれにしても 脳死の人は助からな

 いのよ。 家族の方にも 承知してもらうには

  …… 」

淳一 「患者を騙すのは やめてくれよ …… !

 オレも その人と同じ 患者の立場なんだよ

 !」

美和子 「騙すだなんて」

淳一 「姉キのこと 信頼できなくなるなんて、

 オレ、 いやだよ …… 」

美和子 「ジュン …… 」

(次の記事に続く)
 
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見えない死 …… 「生死命(いのち)の処方箋」 (53)

2010年12月03日 21時54分01秒 | 「生死命(いのち)の処方箋」
 
(前の記事からの続き)

○ 東央大病院・ ICU

  犬飼、 美和子、 世良が、 安達の脳血管撮

  影の 写真を見ている。

犬飼 「脳血流も止まってしまった。 完全に脳

 死ですね」

世良 「犬飼先生、 脳血管撮影では、 微弱な血

 流まで 読み取れないことがあるはずです。

 聴性脳幹反応まで 調べるべきではないでし

 ょうか ?」

犬飼 「機械に頼るばかりが 医者ではありませ

 ん。 私たちは 患者の全身状態を把握して、

 経験的に判断しているんです」

世良 「脳死は 今までの医者の経験則を 越えて

 います」

美和子 「でも 脳死と判定されて 生き返った人は

 一人もいないのよ」

世良 「そこだよ、 重要なのは !  “もう元に

 戻らない” ということと、  “すでに死んで

 いる” ということは はっきりと違うんだ。

 元には戻らないけれど、 まだ死んではいな

 い人から、 臓器を取り出すということは、

 例えば、 がん末期で 懸命に死と闘っている

 人から、 臓器をえぐり出すのと 同じです

 !」

犬飼 「それは 頭の中で考えることです。 人間

 が 実際に生きているとは どういうことなの

 か、 あなたもそのうち 分かってくるでしょ

 う」

世良 「脳死とは  “見えない死” なんです !

 あくまで密室で ことを進めようとするなら、

 彼女が単独で行なった 脳死判定のことを、

 僕は公表します !」

美和子 「世良さん !?  そんなことをしたら、

 ジャーナリストとして 墓穴を掘るだけよ

 !」

犬飼 「あれはあなたも同罪の 越権行為です

 よ」

世良 「 ……… (地団太を踏む)」

(次の記事に続く)
 
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命の操作 …… 「生死命(いのち)の処方箋」 (52)

2010年12月02日 19時58分37秒 | 「生死命(いのち)の処方箋」
 
(前の記事からの続き)

○ 東央大病院・ 家族室

  緒方が 杏子に説明している。

  美和子と世良も 同席している。

杏子 「 …… はあ …… ?  のうし、 ねえ …… 

 ?」

緒方 「そうなったらもう 助かることはないん

 です」

杏子 「はあ …… でも、 植物状態から 生き返る

 ことだってあるんでしょう ?」

緒方 「脳死と植物状態は 全く違います」

杏子 「あのう …… さっき犬飼先生に、 うちの

 人が 睡眠薬とか飲んでなかったかって 聞か

 れたんですけど、 それと何か関係が …… 

 ?」

美和子 「薬物によって、 脳死と同じ状態に

 なってしまうことがあって、 そうなると 医者

 でも見分けることができないので、 確認し

 たんです」

杏子 「うちの人は そんなもん飲んでなかった

 ですよ」

緒方 「ですからご主人は 薬の影響ではなく、

 脳死に極めて近い 状態なんです」

杏子 「はあ …… でもうちの人は 悪運が強いで

 すからねえ …… 顔色もあんなにいいし、 大

 丈夫ですよねえ …… 」

緒方・ 美和子 「 ……… (やや辟易として)」
 

○ 同・ 脳神経外科

  美和子と犬飼。

美和子 「犬飼先生、 安達さんはどうなんでし

 ょうか?」

犬飼 「眼球頭反射も消失して、 臨床的には

 どう見ても脳死なんだが、 まだ 脳血流が残っ

 ているんだ。 脳死というのは厄介なものだ

 よ」

美和子 「回復の可能性は ?」

犬飼 「もうないと言っていい。 下手に回復して

 ベジタブル (植物状態) になるより、

 いっそ脳死のほうが 本人にとっても幸せかも

 しれない」

美和子 「どの道 助からないのなら、 必要以上

 に 厳密な判定はしなくても …… 」

犬飼 「うむ …… 」

美和子 「それに、 移植で救われる人たちが

 いるんですから …… 」

犬飼 「そうだな …… 」

美和子 「先生、 お力を 貸していただきたいん

 です。 弟はもう 瀬戸際まで来ているんです

  …… !」

犬飼 「分かる、 分かるよ。 悪いようにはしな

 い …… 」

(次の記事に続く)
 
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早すぎる説得 …… 「生死命(いのち)の処方箋」 (51)

2010年12月01日 20時37分21秒 | 「生死命(いのち)の処方箋」
 
(前の記事からの続き)

○ 東央大病院・ 外景(朝)
 

○ 同・ ICU前の廊下

  ナースが女性 (安達杏子・ 41才) を

  導いてくる。

  川添が ICUから出てくる。

ナース「(川添に) 安達さんの奥さんです

 !」

杏子 「うちの人は …… !?  うちの人はどこ …

 … !?」

川添 「こちらです。 どうぞ ! (杏子を案内す

 る)」
 

○ 同・ ICU

  杏子が入ってきて、 ベッドの安達にすが

  りつく。

杏子 「あんた …… !?  どうしたの、 あんた、

 しっかりして …… !!」

  世良が驚いて見ている。

  泣きわめく杏子。

川添 「奥さん、 あまり動かさないでくださ

 い」

杏子 「先生、 この人、 どうなるの !? …… 

 助けてよ …… !!  助かるよね …… !」

川添 「落ち着いてください、 奥さん」

美和子 「 ……… (痛ましい)」

世良 「 ……… 」

 
○ 同・ 緒方の研究室

  緒方、 美和子、 世良。

世良 「緒方先生、 まだ早すぎます。 あの奥さ

 んに 臓器提供の説得なんて」

緒方 「平島多佳子さんのオペでは、 提供の承

 諾を 得るのが遅れたために、 ドナーが心停

 止まで いってしまった。 今度は脳死になっ

 たらすぐ 摘出できるようにしておかなけれ

 ば」

世良 「でも 奥さんはまだ 事態を受け入れられ

 ていません」

緒方 「あなたの仕事は 取材ですか?  お説教

 ですか?  私は取材許可を 取り消すことも

 できるんですよ」

世良 「! …… (むっとする)」

美和子 「 ……… 」

(次の記事に続く)
 
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