ネタは降る星の如く

とりとめもなく、2匹の愛猫(黒・勘九郎と黒白・七之助)やレシピなど日々の暮らしのあれこれを呟くブログ

『恋愛脳 男心と女心はなぜこうもすれ違うのか』

2006-03-09 00:17:00 | 読書
『恋愛脳 男心と女心はなぜこうもすれ違うのか』黒川伊保子(新潮文庫) リンク先はamazon.co.jp

 男と女の脳の構造はそもそも違うという類の本は、注意して読んだり読まなかったりしている。生理学上の違い、生育環境や性役割期待を含めたジェンダー上の違いなどを強調し過ぎるのも考えもので、性差だけでなく個体差も考慮すべきだと思うからだ。

 でも、ごく個人的に、この本を読んで目からウロコの部分があった。若かりし頃に恋愛関係にあった男性の言動で自分にはどうにも理解できなかったことがあったのだが、20年以上の時を経て、おぉそういう意味だったのか、とわかったからだ。

 ハードな日帰り出張の日だったが、20年越しの誤解を解いてくれた本に出会えて、ありがとうと言いたい。


『「カチン」ときたときのとっさの対処術』植西聰

2005-09-16 20:06:41 | 読書
『「カチン」ときたときの とっさの対処術』植西聰(ワニ文庫) リンク先はamazon.co.jp

 腰帯の「心がグサリ!!と傷つく前に」という惹句に惹かれて購入。もともと対人関係は苦手な方で、攻撃されると感情的に反撃したり口を閉ざしたり、できてないことを指摘されると言い訳に走ったり、人間ができていない自分のために買った。

 同時に、すぐ切れるマネジャーについて上司から相談案件が入ってきたり、近親に私以上に対人関係の対処が下手で鬱病になる近親を抱えていたり、攻撃的なコミュニケーションへの対処と自分の感情のコントロールという課題は、自分ひとりの問題ではないと思いつつ、昨日から一気に読んだ。

 難しいことは書かれていない。カウンセリングの専門家が書いた、実践的な本だ。が、自分の感情は自分が選んだ結果だというセオリーを押さえつつも、無理な仕事を要求する上司や、失礼なことを言う同僚、自分の存在を無視する会議にどう対処するか、具体的で実践的なアドバイスが出ている。

 少なくとも、上記のようなお悩みを抱えている人には推薦書。反撃してかえって相手の思うつぼにはまったり、自分ひとり耐えていればとストレスを抱え込んでしまうよりは、人生を生産的に生きられる。

『アメリカの行動原理』を読了

2005-09-15 20:11:42 | 読書
『アメリカの行動原理』橋爪大三郎(PHP新書)

 特にアメリカの政治・軍事・外交・経済における価値観・世界観を中心に解説した新書。講演録がベースなのか、口語体になっていて読みやすい。地政学や歴史に始まり、憲法や中央政府と地方政府の関係など。

 こういう時期だからこそ、アメリカという国の価値観や世界観を押さえておきたかった。びっくりするような話はないが、中央政府と地方政府との関係や法体系のベースになっている考え方など基本的なことを押さえることができた。

『問題な日本語』北原 保雄(大修館書店)

2005-04-06 09:27:35 | 読書
『問題な日本語―どこがおかしい?何がおかしい?』北原保雄(大修館書店) amazon.co.jp

 最近、自分の国語力が衰えてきたように思ったので、チェックしようと思って買った。

 たとえば「ら抜き言葉」とか「サ入れ言葉」に不自然さを感じるとか、「こちらきつねうどんになります」「コーヒーの方、お持ちしました」と言われると違和感があるとか、私は旧人類なんですかね(汗)。

 こうした言葉のどこがおかしいかを指摘するというよりは、なぜ派生したかを解説している点で、国語の先生必携本……って感じ?(笑)

『アール・デコの建築 合理性と官能性の造形』吉田鋼市(中公新書)

2005-04-04 20:41:21 | 読書
 私事だが、アール・デコという様式を意識したのは、湯布院を旅行した時に>湯布院アール・デコガラス美術館を見学した時からではないかと思う。アール・ヌーボーも好きなんだけど、自分の身の回りに置くものはアール・デコの方、という感じ。

 というわけで、書店で下記の新書が出ていたので手に取って軽く読んでみた。

『アール・デコの建築―合理性と官能性の造形』吉田鋼市(中公新書) amazon.co.jp

 建築学的なことは全くの素人ながら、1920年代から1930年代にかけて流行した建築や工芸美術などの様式を意味することを知って、自分のアール・デコ好きのルーツがわかるような気がした。つまり、大衆化社会、20世紀の都市文化の源がアール・デコ。ポストモダンの味気なさではなく、クラシックとモダニズムの境目にある表現形式で、インターナショナルであると同時に土着の文化とも繋がっている……と、ここは受け売り。

 銀座の和光や日本橋の三越の建物や内装が好き。ニューヨークで一番好きなビルはクライスラータワー。趣味で香水を集めまくった時期があったが、瓶のデザインでお気に入りは今にして思えばアール・デコ調のものが多かった。音楽の趣味を明かせば流行に関係なくアルゼンチンタンゴがお気に入りのジャンルだったりするのだけど、これもアール・デコ全盛の1930年代にパリやニューヨークでも流行したのだった(もっとも、この本によれば、アルゼンチンタンゴ発祥の地であるブエノスアイレスでは、すでに都市化が進んでいて、アール・デコ様式の建築はブエノスアイレスには少ないらしい)。

 本の腰帯には「モダンでキッチュ」「貴族的ながら大衆的」とある。その辺りのことはわからない。アール・デコが流行った時代に生まれた親を持つ自分には、レトロなのにどこか自分とつながりがあるような様式、という感じだ。