ネタは降る星の如く

とりとめもなく、2匹の愛猫(黒・勘九郎と黒白・七之助)やレシピなど日々の暮らしのあれこれを呟くブログ

「サーキット・ダイエット」

2007-03-29 20:06:47 | 雑記
 なかなか興味深い記事。

サーキットダイエット
短時間で効くとウワサのエクササイズを科学的に分析する

「サーキットダイエットとは、筋トレと有酸素運動のメリットを上手に取り入れた画期的なエクササイズ法なのです」と饗庭先生。

サーキットダイエットは無酸素運動である「筋トレ」と、ジョギングなどの「有酸素運動」を30秒ごとに3分間繰り返すダイエット法だ。運動種目が循環することから“サーキット”と名づけられた。
まず、脂肪を落とすためには消費エネルギーを増やすことが先決である。よって大抵のダイエット法では、走ったり泳いだり、単純にエネルギー消費の時間を増やすことにほとんどの労力が費やされる。しかし、サーキットダイエットはコンセプトからして違う。実は人間の消費エネルギーの6割から7割は、24時間生命を維持するためだけに使われている。つまり、基礎代謝だ。これは放っておくだけ、つまり無自覚なまま勝手に消費される。よってこの基礎代謝をあげれば、楽に効果的にダイエットできるのだ。ここが最大のポイントであり、つまりサーキットダイエットは“短期間ダイエット”だが、考えようによっては“24時間ダイエット”とも言える。効果が上がるのも当然なのだ。

「基礎代謝アップに重要なのが、ミトコンドリアです」と饗庭先生。ん、ミトコンドリア? その昔、生物の教科書で読んだような言葉だが、どう基礎代謝に影響するのだろうか。

基本的に基礎代謝を上げるためには、筋肉量を増やせばいいといわれている。しかし、まだその先がある。熱エネルギーは、脂肪や糖を元に筋肉細胞内のTCA回路(クエン酸回路)で作られるのだが、その反応が行われている場所がミトコンドリアなのだ。ミトコンドリアとはたんぱく質の一種で、生物が進化する過程で生まれた一過性の存在というイメージもあるが、実は今も私たちの体、細胞の中に存在し、大活躍している。

具体的には脂肪を燃やしてエネルギーを作り出している「発電所」みたいなものだ。つまり、基礎代謝を上げるためには筋肉細胞の中のミトコンドリア発電所を増やし、フル稼働させればよいのだ。それではどのようにミトコンドリアを増やせばよいのだろうか。

「強度の高い運動ほど、(筋力とは別に)ミトコンドリアが短時間で増えていることが分かっています。強度の高い運動は最大限の酸素を使うため、筋肉内の酸素が不足し、するとミトコンドリアは、仲間を増やして仕事を乗り切ろうとするんですよ」と饗庭先生。なるほど、ミトコンドリアを増やすには、長い運動を必要としないのである。


 以下、30秒ごとに無酸素運動と有酸素運動を繰り返すのは「カーブス」のサーキットトレーニングと同じ。ただし、こちらは3分間。

「1回3分ですが、慣れてきたら2セット3セットと、自身の体調や能力に合わせて増やしてみてください。もちろん、1セットでも効果は期待できますが、さらなる効果が望めます」

もう一つアドバイスするならば、能率的な時間というのもあり1日1回なら、筋肉の細胞が増えやすい夜の就寝時をおススメしている。1日2回ならばもう1回は朝起きてすぐ。そうすれば、代謝を上げたまま、長い1日を過ごせるからだ。

1回たったの3分。特別な器具もどこにも行く必要もない。無理な食事制限はしたくないが筋肉量を増やして基礎代謝を上げ、体重を落としたいという忙しいビジネスエリートにぴったり。ウソだと思うなら、簡単なのでぜひ一度実践してみて欲しい。


 寝る前に1回3分……試してみようかな。


派遣労働法改正論議

2007-03-29 20:06:32 | 時事
 関心のある話題なので、メモ代わりに貼っておく。

派遣労働の“自由化”は「改悪の流れ」
改正論議の主なポイントは、(1)派遣先企業による、派遣社員の事前面接の解禁(2)派遣先企業による直接雇用申し込み義務の撤廃(3)契約期間の制限の撤廃、の3点。いずれも、派遣社員の権利を擁護する立場からすると、改悪の流れを助長する動きだと私たちは考えている。

まず(1)事前面接の解禁。事前面接とは、派遣を受け入れる会社が、受け入れ前に派遣社員を面接して選別するという行為だ。派遣社員の所属する派遣会社が、企業からの要請を受けて、派遣社員を選ぶのが本来の派遣労働の成立の流れ。事前面接は労働者派遣法で禁止されているのだが、実際には、「職場見学」「事前打ち合わせ」といった名目で横行しているのが現状だ。

2)と(3)の契約期間の制限の撤廃は、問題の根源は同じところにある。派遣社員という働き方の固定化につながるということだ。

労働者派遣法は元来、派遣期間に制限を課してきた。その理由は、労働者派遣法の精神にある。派遣労働はあくまで正規の常用雇用の「補完」であって「代替」ではないということ。長期に渡って派遣社員を受け入れるなら正規に雇い入れるべき、つまり「派遣という働き方を固定化するべきではない」ということだ。

派遣業務は大きくいうと、事務機器操作やソフト開発、アナウンサーなど26の専門的業務と、それ以外の業務に分けられてきた。2004年に施行された改正・労働者派遣法では、26の専門的業務の方で、派遣期間は最長3年までとしていた規制を撤廃した。その上で、企業に直接雇用の申し込み義務を課した(※)。

26業務以外の業務には、原則1年 最長3年の期間の制限を設けたままだった。今回の議論は、こちらの期間制限も撤廃しようというものだ。


制度整っても現実に使えるか疑問
■では近年の法改正では、派遣社員にとってのメリットはなかった?

山崎 法と現実とのギャップが大きすぎる。法改正での利点といえば、05年に育児・介護休業法が改正され、制度上は派遣社員でも育児休業が取れるようになった。ただし条件が、「1年以上同じ会社で仕事をしており、さらに子供が1歳を超えてからも雇用される予定の人」となっている。派遣社員の契約は、3カ月、場合によっては1カ月ごとの更新の積み重ねなので、企業は「あなたは子供が1歳を超えてからも雇用される予定ではない」と言ってしまえば、それで済む話。制度は整っても現実に使えるかといえば、別だ。

■派遣社員の意識は変化しているのでしょうか。

山崎 格差社会の論議が高まり、雇用の流動化が引きおこす問題が世の中に認知されることが、変化を起こしている側面はあると思う。

派遣社員の側の権利意識も、少しずつ変わってきている。朝日新聞の報道で火がついて、世間に浮き彫りになった製造現場での「偽装請負」問題では、派遣労働が請負を偽装するための手段として使われていた。「自分たちの働き方が問題になっている」と驚いた人も多かっただろう。

私たちも、相談者の変化に対応しなければならない。派遣労働ネットワークは、元々は、女性を中心とした事務職の派遣社員の問題を扱うことが多かったが、最近は製造現場で働く派遣労働者からの相談も、増えてきている。また男性でも事務職の派遣社員として働きたい、と希望する人も増えている。

けれども、それにしても私のみる限り、派遣社員は自分たちの働き方、雇われ方の状況について、十分に勉強したり、疑問を持ったりしていないように感じる。知識があれば、いざ問題が起きたときに、派遣先や派遣会社に訴えることもできるが、知識がなければあきらめて泣き寝入りするしかない。もっとも私自身も契約社員として働いていたことがあるので分かるが、非正規雇用で働いていると、日々正社員との待遇の格差を実感し、次第に労働意欲が萎えてくるもの。自分の置かれた立場について、改めて「問題かどうか」を考える気力も、声を上げる気もなくなってしまう。


 自分たちの雇用環境を取り巻く法的な部分に知識がないのは、何も派遣社員だけのことには限らないだろう。ただ、正社員の方が法的にも雇用の面で優遇されているから自分の身を守るために知識武装する必要を感じる機会が少ないというだけのことのように思う。

 いずれにしても、労働を巡る法律の改正がいくつか検討されているので、この機会にちょっと勉強しておこう。


「労働契約法」のポイント

2007-03-29 20:06:13 | 時事
 興味深い連載が始まった。

労働法案国会へ どう変わる 仕事とお金第1回 働く上での“約束事” 就業規則が契約内容に
「労働契約法」のポイント

「労働契約法」は、労働を提供する人(労働者)が雇用する側(使用者)とかわす、働く上での全般的な“約束事”と言える。つまり、勤務条件、業務内容、出向、解雇などにかかわる法律である。3月13日に発表があった労働契約法案要綱の内容はいくつかあるが(注)、この中で、特に注目すべきは、労働条件の不利益変更について就業規則でできると定めたことである。労働条件の変更は労使の合意で行うのが大原則だが、それに合理性のあることを条件として、使用者の作成する就業規則で行えるとした。

前述したとおり、労働契約のルールは裁判例によって形成された部分が多い。労働条件変更を就業規則で行えるとした内容も、長年にわたり最高裁が形成した裁判例によるものだ。在籍型出向(元の企業に在籍したまま関連企業などに出向)なども裁判例によってルールが決められていた。

労使紛争は、「就業規則による労働条件の不利益変更の有効性」が多く争点となってきた。ある労働条件が、労働者に不利益になるように変更されたとき、その変更は認められるか否かという点である。これには、多くの裁判例が存在し、使用者による就業規則の変更に「合理性」があれば有効と判断されてきた。ただし、その合理性とは「変更の必要性」と「変更の内容」両面からの考察を必要とする。「合理性」の判断には、多くの材料が必要だった(労働者がこうむる不利益の程度、代償措置、変更後の労働条件の相当性、労働組合の対応、非組合員労働者の対応、他社との比較、社会通念など。さらに経過措置を検討したか否か、経過措置の内容なども含まれる)。

法案要綱では、「労働契約の内容は、その就業規則の労働条件によるものとすること」、「使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、(中略)合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとすること」という内容になっている。つまり、「就業規則」の内容について合理性があればそれを労働契約の内容とみなし、これに変更が生じた場合、変更後の条件も労働契約として効力を持つ、と定めるわけだ。

使用者にとっては、個別的な同意が取れない場合にも、従業員に対し一括して就業規則を変更することで労働条件を不利益に変更できることがメリットだ。労働者にとっては、仮にかなりの不利益を受けることになった場合に、自分が反対であってもその意思にかかわらず、合理性さえあれば労働条件の不利益な変更が認められてしまうのがデメリットになる。


 なるほど……ただ「合理性があれば」というのは誰が判断するんだろう。最終的には裁判で争うにしても、不利益変更の場合はどちらかが「合理的でない」と思うに決まっているわけで。

タミフルを巡って

2007-03-26 12:50:44 | 時事
 同じ日経のサイトで、タミフルを巡る記事がふたつ出た。ひとつはタミフルを販売している中外製薬の永山社長へのインタビュー、もうひとつは立花御大の記事。

「タミフル、販売やめない」
批判浴びても強気を崩さぬ中外製薬社長

 今年2月、愛知県と仙台市でインフルエンザ治療薬「タミフル」を服用した中学生がマンションから転落死した。事件の後、厚生労働省と販売元である中外製薬が厳しい批判にさらされている。タミフルの服用について警告を出したものの、転落死を招いた異常行動とタミフルの因果関係は認めていないからだ。

 因果関係について調べている厚労省の調査班のメンバーが中外から寄付金を受け取っていたことが問題視されるなど、両者に対する非難は強まるばかりだ。

(中略)

 薬害問題に詳しい東洋大学社会学部社会福祉学科の片平洌彦(きよひこ)教授は、「薬害エイズなど過去の大型薬害は、いずれも国や企業が因果関係を不明としている間に被害が拡大した。疑わしきは罰す姿勢で安全性が確保できるまでは使用を中止すべきだ」と主張する。だが、永山社長にその考えは全くない。

 タミフルで治療すべき患者さんがいますし、それで助かっている人がはるかに多い。ほかの重い病気の薬でも使用した直後に患者が亡くなることは残念ながらあります。だからといって、それでその薬の使用をやめてしまうということはない。タミフルは非常に大事な薬です。様々な新型インフルエンザのことを考えると、きちんと育てていかなければならない。タミフルがないと大変なパニックになる恐れがありますから。

 永山社長は2001年にスイス大手製薬会社ロシュの傘下入りを決め、製薬業界に衝撃を与えた。傘下入り後の4年間に経常利益を2倍に増やし、辣腕経営者として業界では一目置かれている。2006年12月期の連結決算は減収減益となったが、ロシュ製の抗ガン剤など複数の新薬の発売を控えており、当面の業績は安泰と言える。

 しかし、2件の転落死事件をきっかけにして、タミフルの安全性についての疑念が膨らむとともに、人の生命に深くかかわる製薬企業としての中外に対する信頼も大きく揺らいだ。タミフルの販売を継続しながら、いかに信頼を回復していくのか。今後の対応が、試される。


 自分は医学薬学のバックグラウンドがないので、ビジネス的な観点でこのインタビューを読んだ。

 確かに、医学的に因果関係は立証されていない。その段階で、どのように自分の会社の製品やビジネスを守るか。これはビジネススクールの教材にもできるぐらい典型的な、ビジネスポリシーのケースだ。

 そして、医薬品の場合は、開発段階で臨床試験を経ることによって安全性と有効性を確認した上で製造販売が承認されるのだが、限られた臨床試験では予測できない副作用が販売後に出ることがある。だから、副作用事例を収集し、必要な場合には投与に注意するように医師に周知する市販後調査活動が義務付けられている。

 今回の異常行動についてはまだ公式には因果関係が確認されてはいない。しかし、10代の青少年が異常行動によって死亡するというショッキングな事例も含まれており、死亡例が出ているという点で対応に緊急を要するケースだ。

 一方、立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」。
タミフルに隠された真実 第二の薬害エイズに発展か
タミフル服用による異常行動死問題で、厚生労働省の対応が急展開した。

タミフルによる異常行動死の問題は、2年前の05年11月から学会では報告されていた。その頃から、一部の医療関係者からその因果関係を強く疑う意見が公にされていたのに、厚労省はその因果関係をずっと否定しつづけてきた。

(中略)

タミフル服用による異常行動死問題で、厚生労働省の対応が急展開した。

タミフルによる異常行動死の問題は、2年前の05年11月から学会では報告されていた。その頃から、一部の医療関係者からその因果関係を強く疑う意見が公にされていたのに、厚労省はその因果関係をずっと否定しつづけてきた。

一般の報道を追っていただけの人は知らなかったろうが、厚労省のこのような方針大転換の背景には、インターネットの大きな働きがあった。

(中略)

これはタミフル脳症被害者の会が主張するように、明らかに薬害問題である。

厚労省は、早く予防的アクションを起こさないと、エイズ問題と血液製剤の問題のときのように、問題がもっと大きくなってから、その責任を大々的に問われることになるだろう。

おそらくなぜタミフルに異常に早い認可を与えたのか、認可するにあたって十分な審査をしたのかという根本問題にまでさかのぼっての責任が問われることになる。

なにしろ、医療ビジランスセンターのページを見ればすぐわかるように、この問題に関しては、2年も前から、繰り返し繰り返し、警告・要望が出されているのだ。

これまでの薬害問題で、厚生省が繰り返し使った逃げ口上、「知りませんでした」は全く通用しないのである。


 立花御大の記事は、販売する会社よりも厚生省の対応に疑問を呈している。

 こうした事例を見るにつけ、ビジネススクールの教材としてもよく取り上げられる、市販薬「タイレノール」を巡るジョンソン&ジョンソンの対応は見事だったと思う。「タイレノール事件」(リンク先はタイレノール製品サイトの「タイレノール事件」のページ)では、何者かによる毒物混入という犯罪に接して、ジョンソン&ジョンソンの経営陣は製品をすべて回収し、異物混入を防ぐためのパッケージに切り替えたのだ。ビジネス的にいえば一時的な費用負担は相当なものだったが、この経営陣の姿勢(その決定を支えたのは同社の経営理念を表す「クレド(我が信条)」だったという)は高く評価され、結果的にタイレノールという製品もジョンソン&ジョンソン社もイメージを上げることができた。

 果たして、中外は今後この強気の姿勢で事態を押し切れるだろうか。

キヤノン、非正規雇用者1,000人を正社員に

2007-03-26 08:00:00 | 時事
キヤノン、非正規雇用者から千人を正社員に登用
 キヤノンは、グループ各社の工場で働く非正規雇用の労働者のうち1000人を08年末までに正社員に登用する方針を明らかにした。正社員化は段階的に行い、まず派遣社員を期間工として雇用し、この中から試験に合格した人を正社員として採用する。この方針は、27日に各工場の責任者を集めて説明する。

 キヤノンは昨夏、実態は派遣なのに形式的に請負を装う違法な「偽装請負」が表面化。これをきっかけに派遣や請負の労働者から数百人を正社員にする方針を明らかにした。

 ところが、今年2月、人事本部長が朝日新聞の取材にこれを先送りする意向を表明。今国会ではキヤノンの偽装請負に批判が集中した。今回の方針表明は、そうした批判に配慮した格好だ。


 「偽装請負」について「法律が悪い」とうそぶいていた会長をいただき、さらに当初発表した正社員化を先送りしたもんだから、すっかり世間の風当たりが悪くなったのでしたね。今頃軌道修正するぐらいなら、先送りしなきゃよかったのに……。

キヤノン、派遣・請負3500人を直接雇用へ
 キヤノンは2008年末までに、グループ19社の製造部門で働く派遣労働者や請負労働者のうち16%にあたる3500人を直接雇用に切り替える。グループの製造部門の正規社員の比率が2割強と少なくなり、技能伝承などが難しくなると判断。直接雇用へ切り替えても人件費の大幅な負担増にはならないとみて採用を進めていく。

 キヤノングループの製造部門のうち派遣・請負労働者は約2万1400人。このうち1000人を中途採用の正社員、2500人を期間従業員として採用する。


 見出しの人数が違うと思ったら、正社員化するのが1,000人、期間従業員として採用するのが2,500人で合わせて3,500人ってことですね。期間従業員って、結局は時限付雇用で、期間満了したら雇い止め(契約終了)ってことではないんでしょうかね(汗)。全員が対象というわけではなさそうなので、どうやって対象者を決めるのか、気になるところです。

『幕末バトル・ロワイヤル』野口武彦

2007-03-23 13:15:41 | 読書
 昨日まで読んでいた『未完の明治維新』坂野潤治(ちくま新書、リンク先はamazon.co.jp)は途中で脱落。明治10年頃まで、木戸孝允と大久保利通と西郷隆盛と板垣退助がどのような国家構想を持っていて、誰と誰がどういう面で共感できてどういう面で合わないかを説明する序章は面白かったのだけど。

 「富国強兵」は最初から四文字熟語でなくて、「富国」は殖産興業を進める大久保の持論、「強兵」は海外出兵を推進しようとする黒田など薩摩出身の政治家たちの持論(ただし西郷は「征韓論」で知られているものの台湾・中国をターゲットにしている薩摩派を押さえるために征韓論を言い出しただけだ、という解説)。中央政府の権限を明確にするため(結果的に立法府である議会の力を制限しようとした)に憲法を準備しようとしたのが木戸、中央政府の権限を監視するために議会の設立を先行させようとしたのが板垣。

 その辺りまでは理解できたけど、個々の史実については幕末のようにうまく頭に入ってこないで脱落……うーん、たった10年ほど時間軸が下がっただけで、関心の度合いの違いからか、自分の頭に残らない……。

 で、頭に入ってきやすい(苦笑)幕末中心の本に乗り換え。

『幕末バトル・ロワイヤル』野口武彦(ちくま新書) リンク先はamazon.co.jp

 まだ読み始めたばかりだが、第11代将軍家斉の子女55人(汗)を大名家に嫁がせたり養子に取らせたりするための数々のインセンティブ(苦笑)、幕末のお家騒動「仙石騒動」を巡る関係者と幕府要人との結びつきや事件の取調べ・関係者処分の顛末(幕末の開明派で有能官僚のひとり川路聖謨のデビュー)、大奥を揺るがした怪僧のセックススキャンダル、と、ゴシップ記事満載だな^^;。面白いから、さくさく読めちゃう。


NOVA敗訴

2007-03-20 07:01:47 | 時事
 以前「英会話スクールNOVAの噂」で取り上げたが、NOVAのポイント制商法について司法はノーを出した。

<NOVA>敗訴確定へ 最高裁、弁論開かず4月3日に判決
 英会話学校大手「NOVA」(統括本部・大阪市)に入学後、途中解約した男性が「前払いした受講料の残額を返さないのは違法」として返還を求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(那須弘平裁判長)は上告審判決を4月3日に言い渡すことを決め、関係者に通知した。弁論が開かれていないことから、請求通りNOVA側に約31万円の返還を命じた1、2審判決が確定する見通し。NOVAの解約を巡っては複数の訴訟が起こされているが、最高裁判決は初めて。同種訴訟に影響を与えそうだ。
 1、2審判決によると、男性は01年9月に600回のレッスンを受講出来る「ポイント」を75万6000円(1回分1260円)で購入するなどして入学。386回のレッスンを受講後、04年7月に解約した。NOVA側は、途中解約すると使用済みポイントの単価が上がって結果的に返還額が下がる約款に基づき、返還額はないと主張したが、1、2審は「約款は特定商取引法に反して無効。購入時単価によって計算すべきだ」と判断した。
 国民生活センターによると、NOVAの契約や解約を巡っては、96年から今年2月半ばまで7000件超の苦情や問い合わせが寄せられている。経済産業省や東京都も同法違反の疑いなどで今年2月に立ち入り検査を行った。


 解約に伴う返金の換算方法について、NOVAは見直しせざるを得ないだろう。

『銀河英雄伝説』愛蔵版刊行開始!

2007-03-19 12:56:19 | 読書
 すでに「中国でも『銀英伝』が人気と聞いて嬉しい」という記事を書いているので、自分が『銀英伝』ファンなのを今更繰り返す必要はないかと思う。

 今日、出勤途中で新刊をチェックする本屋で、道原かつみさんの流麗なラインによる表紙イラストを発見。

銀河英雄伝説 1 愛蔵版 (1) (コミック)
銀河英雄伝説 2 愛蔵版 (2) (コミック)

 もちろん、即買い。

 道原かつみさん画の『銀英伝』には、田中芳樹さん原作よりも早く出会っている。道原かつみさんの初期作品『ノリ・メ・タンゲレ』や『キャウキャットキャン』を読んでいて画風がいいなぁと思っていた。その直後に『銀英伝』外伝の「黄金の翼」が連載されるようになったのだった。

 というわけで、私は小説版を読むよりも先に道原かつみさん作のキャラクターが視覚的にインプットされてしまっているので、小説版に次いで道原さん版のビジュアルが好き……アニメ版のキャラクターは、ちょっと距離が遠い(もちろん、亡くなった富山敬さんのヤン・ウェンリーとか、若本規夫さんのロイエンタールとか、この人の声でなければというイメージも何人かには持っているのだけど)。

 特に、道原かつみさん描くところのワルター・フォン・シェーンコップは絶品。強くて、仕事ができて、ダンディで、シニカルで(しかしロマンチストの側面を隠し持っていて)、セクシーな不良中年(今流行りの「ちょい悪オヤジ」という言い方よりも、カッコいい♪)万歳。

一泊二日のディスカッション合宿

2007-03-16 21:06:30 | しごと
 昨日から今日にかけて、ある研修プログラムをつくるために(正確にいえば、英語版のプログラムを日本語版で実施できるようにするために)、一泊二日の合宿。メンバーは、人材開発のスタッフは私を含めて3人、あとはコンサルティング会社から2人。

 予算の都合もあってコンサルタントに丸投げもできないし、自分の性分として丸投げしたくないので、議題からプログラムの素材から全部こちら(当社という意味)で用意して、さらにディスカッションの議題設定から進行までもこちらで仕切る形で、コンサルタントチームは情報や理解の共有と要所での助言のためにいてくれた感じ。9割5分までは自力で(自分だけでなく、スタッフ2人の力も合わせて)やや過大だと思われる課題を一泊二日でこなした。

 この会社で13年も人材開発のスタッフからマネジャーとして関わっているが、自分と今回のスタッフふたりを合わせた、この3人が最強の組み合わせ。知的レベルも高いし、意欲も熱意も高いし、考えるスピードも速いからディスカッションもさくさく進むし、三人三様の強みがあるのでディスカッションが相互補完的にかみ合うし、結果的に一泊二日で研修の土台部分をほぼ確立した。

 そして、時々いいところで助言してくれるコンサルタント2人もいい味を出してくれて、たとえていえばジャムセッション。時間の経つのが速かったけどしっかり結果を残した。そして、楽しかった。

 こういうことがあるから、この仕事は面白い。