ネタは降る星の如く

とりとめもなく、2匹の愛猫(黒・勘九郎と黒白・七之助)やレシピなど日々の暮らしのあれこれを呟くブログ

気になる本たち ~雇用を取り巻く環境~

2007-09-26 13:25:00 | 時事
 記事を書く時間はないが、気になったブックレビューをいくつか貼っておく。

『生きさせろ!』、人を馬鹿にした働かせ方をするな!
~格差社会の新しい闘争論

 生きさせろ、とは何とも他人任せのタイトルだ。しかし、そうとしか言えない悲惨な状況に追い込まれた若者たちがいる。

 たとえば、ひきこもれる家庭すらなく、漫画喫茶で寝泊まりする若きホームレスたち。子どもを連れて派遣先や請負先の工場を渡り歩く「子連れ請負」たち。彼らに向かって“努力が足りない”と説教するような自己責任論に、著者は激しく反論する。ワーキングプアが増えている背景には、安価で流動性の高い労働者を階層として固定化しようとする経済界の企みがあるのだと。

 なぜ、こんなことになったのか。本書で詳しく触れるが、九五年、日経連(※)が明確に宣言したからだ。これからは働く人を三つの階層に分け、多くの人を使い捨ての激安労働力にして、死なない程度のエサで生かそう、と。つまるところ、国内に「奴隷」を作ろうという構想だ。なんのことはない、この状況は十年以上前から用意されていたのである。

(※編注:日本経営者団体連盟、2002年に経済団体連合会=経団連と統合して日本経済団体連合会=日本経団連)

 人材が不足し始めたいまでこそ就職状況は好転しているが、ほんの数年前まで「就職氷河期」と呼ばれた時期が続いていた。そのため、多くの若者が正社員の職に就けず、フリーターや派遣をはじめとする非正規雇用の立場で働かざるを得なくなった。


目の前で「自己責任」と言ってみよ~『ルポ最底辺』
生田武志著(評:清田隆之)

 「日雇い」は具体的な労働量に対してのみ賃金が発生する就労形態のため、寄せ場の人々は「仕事の多いときはジャンジャンかき集められ、少ないときは放っておかれる」という使い方をされてしまう。事実、バブル期の90年と崩壊後の93年では、求人数で約半分、最低賃金も日給1万3500円から9000円に激減している。これは正規雇用者ではあり得ない落差だろう。そうやって景気を根底で調整する損な役回りゆえ、彼らは「景気の安全弁」ともいわれているのだ。

 そんな日雇い労働者の資本は体ひとつだ。1トンの鉄材の運搬、150度に熱せられたアスファルトの舗装工事、地上100メートルの足場での命綱なしの作業…それらをすべてわが身ひとつでこなさねばならない。しかも、健康を害せばたちまち収入はゼロになり、持ち金が尽きれば泊まるところすらない「野宿生活者」へと転落してしまう。

 蚊が飛び交い、ゴキブリが這い回り、天候の影響をもろに受ける野宿に安眠はない。さらに恐ろしいのは“襲撃”で、2005年には若者グループが足に障害を抱える野宿者に火炎ビンを投げつけて焼死させるという事件まで起きている。これらの悪条件や恐怖がただでさえ弱っている心と体をさらに蝕む。

 住所がなければ再就職は難しく、空き缶を拾い集めて換金しても1日1000円を稼ぐのがやっと。最近では廃棄されたコンビニ弁当にありつくのだってひと苦労だという。ホームレス対策として、弁当を食べられないよう水びたしにしてから廃棄する業者が増えているのだ。

〈ぼくはこの20年近くの間に、何度か死者の第一発見者になった。これは、ある程度長く野宿者に関わる活動をやっていると避けられない現実である。そして、死者は冬と梅雨期に集中する。冬は寒さによって、梅雨は仕事がなくなることによって〉

 こうして「負のスパイラル」にはまってしまうと、そこから抜け出すのは容易でない。不安定就労と野宿は地続きであり、それは「死」へもつながっているのだ。この危険と常に隣り合わせであること。それが「最底辺」たるゆえんなのだ。


 非正規雇用という労働形態は、高度成長期の前からあった。

 大阪なら釜ヶ崎、東京なら山谷。かつては「ニコヨン」と呼ばれていた(ネットで検索したら映画『ニコヨン物語』ができたのは自分が生まれるよりも前のことだった……でも、この言葉は知っている)。

 今は出稼ぎ労働者という言葉を聞かなくなったような気がするが、農業だけで食べていけない(特に東北の)農家の人たちが季節労働者として働きに出てくることが珍しくなかった。

 非正規労働という形態の良し悪しを言っているわけではなく、そういう労働市場のニーズは昔からあったし、そういう労働市場を選ぶ人々・そういう労働市場しか選べない人々も昔からいた。

 ただ、最近の、派遣労働だったり請負労働だったりする非正規雇用は、昔と何かが違う。その違いを、もう少し考えてみたい。とりあえず、情報源確保。

大爆笑させてもろた^_^;

2007-09-23 18:51:53 | 時事
 自民党総裁選挙で、福田氏が勝った。予想よりも麻生氏が善戦したが、やはりかなわなかった。

 淡々とテレビの報道を見ていた。大阪・梅田のJR梅田駅・阪急百貨店・阪神百貨店を結ぶ歩道橋の上で通行人が感想やコメントを求められていた。
 何人もが当たり障りのないコメントをしていたのだが、ひとりのおばはんが「正直言っていいですか?」と前置きした上で、一言。

「腹黒そう……」

 ……大爆笑させてもろた^_^;。やはり大阪のおばはんは最強だ。

今シーズン初の栗ご飯

2007-09-22 19:08:46 | ものぐさグルメ
 大の栗ご飯好きなので、生栗の出回るこの季節が好きだ。昨夜買ってきた大ぶりの生栗を早速、朝食後に1時間かかって剥いた(料理のレパートリーは狭いが、栗剥き鋏は持っている)。

 今回は発芽玄米1合・発芽玄米の餅米1合・三十種類の雑穀0.5合に、分量より少なめの水に日本酒・みりん・塩・醤油それぞれ少々入れて、1時間浸水させて、剥いた生栗を混ぜて炊いた。今回は炊飯器で炊いたけど、土鍋炊きにしてもよかったなぁ。

 生栗は虫が喰っていて使えないのが結構あったけど、それでも2合炊きのご飯には十分な量。

 昼食は、栗ご飯にフノリの味噌汁(イリコ2~3匹をお椀一杯分の水に浸して一晩置いて取ったダシを温めて、北海道で味噌汁の具によく使われる赤い海藻のフノリを入れ、味噌を解いただけ……簡単!)、冷や奴と浅漬け。

 夕食は、栗ご飯、金目鯛アラ煮(一尾分の頭と尻尾を158円で売っていた。関西人は金目鯛の頭の美味しさをわかっていないらしい^_^;)、浅漬けと粕漬け大根。栗ご飯をお代わりしてしまった……満腹満腹。

 ご馳走様でした。

刺激的な農業論

2007-09-21 19:56:20 | 時事
 けっこう挑発的だが、刺激的。

農家切り捨て論のウソ
小手先の保護政策が日本の農業を“自壊”に導く

NBO 農業政策は次期政権の重要課題です。参院選ではマスコミや野党が格差問題に絡めて「零細農家、切り捨て」と政府を批判し、民主党は農家戸別所得補償を打ち出しました。選挙で民主党が大勝したことで、自民党内でも同様の農家保護策を求める機運が高まっています。一連の動きをどう見ますか。

神門 まず、「零細農家、切り捨て」などという論議は、農業問題に長年取り組んできた私のような立場からすれば、ちゃんちゃらおかしい話です。第一、あれは大衆迎合的なマスコミが作り上げた“お涙頂戴”のストーリーでしょう。そんなマスコミのストーリーに政党が便乗しているだけです。零細農家が切り捨てられるなんてことはあり得ません。

 マスコミは「零細農家イコール弱者」のような形で描きたがりますが、現実には彼らほど恵まれた人たちはいない。農地の固定資産税が軽減されているうえに、相続税もほとんどかかりません。たとえ“耕作放棄”をしていてもですよ。
 そのうえ、農地を売却すれば大金を手にできる。「田んぼ1枚売って何千万円も儲けた」なんていう話はザラにある。しかも、そうした農地の多くは敗戦後の米国主導の“農地解放”を通じて国からもらったようなものです。濡れ手で粟なんですよ。

 最近、「仕事がなくて生活に行き詰まり、一家心中した」という悲惨なニュースを耳にしますが、あれは都市部の話です。「農業に行き詰まり、生活苦のために零細農家が一家心中した」などという話は聞いたことがありません。零細農家には切迫感がないのです。


 以降、かなり挑発的ではあるが、面白い。以下、そのサワリ。

 現在、日本政府はオーストラリアやアジア諸国などとEPA(経済連携協定)やFTA(貿易自由化協定)の締結に向けた協議をしています。そして、またもや農林水産省やJA(農協)、“農林族”と呼ばれる政治家らが農産物輸入拡大に反対を唱えています。下手をすると、ウルグアイ・ラウンドの時の二の舞になるのではないかとヒヤヒヤして見ています。

 第一、肝心の農家がこの問題に関心を示していません。“アンチFTA”の旗を振る日本農業新聞が今年の統一地方選挙を前に行った農民アンケート(複数回答方式)の結果を見ると、関心事項として農産物輸入問題を挙げた回答は全体の2~3割程度しかありませんでした。

 先進的な農家はこんな問題にかかずらっていません。彼らには輸入農産物に勝てる自信がありますから。今、彼らが切実に求めていることは何だか分かりますか。実は“外国人就農問題”なんです。

 既に、政府の外国人研修制度を通じて中国などから多くの外国人が地方の農村部に入り込み、実質的な農業労働力の一翼を担っています。先進的な農家は、そうした外国人を“研修生”としてではなく、正規の労働力として認めてもらいたいと考えているのです。そうしなければ、いずれ日本の農業は立ち行かなくなるといった危機感がある。今の日本人は辛くて厳しい“本当の農業”の担い手にはなれないと、見切りをつけているからです。


 そして、氏の論点とともに、読者コメントもお勧め。

NOVA続報

2007-09-21 08:30:00 | 時事
 昨日に引き続き、NOVA関係の記事を貼っておく。

NOVA、都市部中心に教室閉鎖進む <日経>
 英会話教室最大手のNOVAが東京都内や大阪府内などの都市部を中心に教室の閉鎖を進めていることが20日、明らかになった。6月に受けた行政処分の影響などで受講生の減少に歯止めがかからないことに加え、一部で家賃の支払いが滞っていることも背景にあるとみられる。

 東京都内ではすでに渋谷宮益坂校や新宿大ガード校などを閉鎖。大阪府内でも9月末に住之江公園校などを閉鎖する予定。閉鎖対象教室に在籍している生徒は近隣の存続教室が引き継ぐ。閉鎖対象には子供向け英会話教室「NOVA KIDS」も含んでいる。


NOVAの外国人講師加入労組、会社に慎重対応求める <朝日>
 [東京 20日 ロイター] NOVA<4655.Q>の外国人講師などが加入する労働組合「ゼネラルユニオン」は20日、急な学校閉鎖が相次いでいることなどに対し、猿橋望社長宛てに、慎重な対応を求める警告書を送付した。

 ゼネラルユニオンでは、賃金の遅配を解消すること、解約手続きが終了している生徒へ即刻返金を行うことを求めると共に、閉校に際しては「十分な予告期間を設け、生徒、教職員に被害が及ばぬよう、納得できるコンセンサスをはかること」を要請している。

 20日の一部報道は、900校ある教室のうち、9月末を中心に約200校の閉鎖を検討していると伝えた。これに対し、NOVAは「現時点において、そのような機関決定は一切ない」とのコメントを発表している。


NOVA、200教室閉鎖へ 大都市圏を中心に <朝日>
 英会話学校最大手のNOVAが、大規模な教室の閉鎖を検討していることが20日、わかった。全国で最大200教室にのぼりそうだ。経済産業省による一部業務の停止命令などで新規の受講生が減るなか、教室の家賃など運営費を削減し、経営を立て直す狙いがある。閉鎖で多くの受講生が影響を受けることになりそうだ。

 東京都や大阪府、兵庫、愛知県など大都市圏の教室を中心に閉鎖するとみられ、近接する教室同士を統合、受講生を移すなどして対応する。子ども向けの「NOVA KIDS」の閉鎖も検討する。

 一部の教室では賃貸料の支払いが滞り、関東、関西などですでに閉鎖した教室もある。講師への給料支払いに遅れも出ており、大規模なリストラが必要になった。

 NOVAの07年3月末時点の教室数は925で、受講生は約41万8000人。

NOVA50~200校閉鎖へ

2007-09-20 17:40:00 | 時事
 閉鎖するスクールの規模が記事によってバラつきがあるが、大規模なリストラになる可能性があるなぁ……仕事でも対応策が必要になりそうなので、ニュース記事を貼っておく。

NOVA経営合理化へ、9月末に約50教室閉鎖の計画 <読売>
 英会話学校最大手のNOVAが、9月末に約50の教室を閉鎖する計画であることが20日、明らかになった。

 首都圏や大阪、神戸など複数の教室が立地する地区を中心に、近接する教室を統廃合する予定で、閉鎖する教室の受講生に対し、教室の変更を通知し始めている。

 元受講生による解約金返還訴訟や、経済産業省からの一部業務停止命令を受けた受講生の減少などで、NOVAの経営環境は厳しくなっている。教室の統廃合で家賃などのコストを削減し、経営合理化を進めるのが狙いだ。

 NOVAは今年3月以降、12教室を閉鎖し、8月末の教室数は913。9月末に50教室を閉鎖した後も、テナント契約の更新時期を迎えた教室を中心に、さらに追加閉鎖を検討する方針という。


<NOVA>大規模な教室閉鎖を検討 都心教室も対象に <毎日>
 英会話教室最大手のNOVA(本社・大阪市)が大規模な教室閉鎖を検討していることが20日分かった。経済産業省から一部業務停止命令を受けて生徒数が減り、受講料収入が落ち込んでいることから、不採算教室の整理・統合を進めてコスト削減を図り、経営再建を急ぐ考えだ。
 現在、教室数は900を超えているが、同一地域で重複した教室があるなど効率の悪さが目立っていた。関係者によると、生徒数の少ない不採算教室を中心に既に順次整理・統合を進めているが、今後は賃貸料が高く、教室も重複している都心の大規模教室も対象とする。整理・統合の対象は100教室を超える可能性もある。通っている受講生は近隣の教室で授業が受けられるように配慮する。


NOVA200校閉鎖へ 生徒離れ加速、経営深刻化 <産経>
 英会話学校最大手NOVA(大阪市)が10月末までに大阪府内のスクールを統合閉鎖するなど、大がかりな教室閉鎖を進めていることが20日、分かった。不採算校の閉鎖で家賃や人件費を圧縮するのがねらい。閉校は100校を上回るとみられ、最終的には200校前後にまでふくれあがる可能性もある。社員の給与遅配などで在校生の不信感が募るなか、さらに生徒離れが加速することが懸念される。

 閉校するのは、東京都、大阪府、愛知、兵庫両県など、都市部が中心となる。近隣に複数校ある地域で教室の一つを閉め、他校に統合するケースが多い。テナント料の支払いが滞り、物件所有者からの立ち退きを求められた拠点もあるとみられる。閉校するスクールのなかには、子供向けの教室「NOVA KIDS」のスクールも約50校含まれるとみられる。

 閉鎖が決定した「なかもず校」(大阪府堺市)は、19日に同社統括本部から「10月30日で営業を終了する」との連絡があったという。天王寺本校(大阪市阿倍野区)と“統合”するとの名目で、所属する約400人の生徒は天王寺本校に引き継がれる。同校スタッフが現在、はがきや電話で受講者への連絡をとっている。

 NOVAの広報担当者は「現時点で機関決定した事実は一切ない。200校というような大規模な閉校は検討している事実もない。機関決定を経れば証券取引所を通じて速やかに開示する」と、大量閉校を否定。8、9月中の閉校も「あくまで不採算校を統合して経営効率を上げるための、通常のペースでのスクール統廃合に過ぎない」とした。


200校閉鎖へ NOVA衝撃の朝 生徒「ポイント使い切る」 <産経>
 「何も聞いていない」-。英会話学校最大手のNOVAが、都市部を中心に200校前後の閉鎖を検討していることが明らかになった20日、同校の講師やスタッフらには驚きや動揺が広がった。生徒勧誘時の誇大表現などが特定商取引法違反にあたるとして、経済産業省から一部業務停止命令を受けてから約3カ月。大量閉鎖で今後、受講生の間にさらに不安が拡大しそうだ。

 大阪市阿倍野区の天王寺本校に週3日通う貿易会社勤務の女性(31)によると、NOVAの社員から先月、「世間ではいろいろいわれているが、もっと良い会社にするので何も心配はいらない」と説明があったという。女性は「レッスンの残りポイントはあと20回分ぐらいだが、6年間通って英語も上達したし、この先NOVAがどうなるのか分からないので、新規購入はせず早めにポイントを使い切って辞めるつもり」と話した。

 一方、なんば本校近くの同社統括本部(本社)では、推進2課(広報担当)の倉辺喜之次席が開口一番、「会見の予定は一切ありません」と話すなどピリピリムード。ピンクの「NOVAうさぎ」グッズが並ぶ大部屋では社員らが報道機関の電話対応などを行った。

 NOVAが教室の一部閉鎖を検討せざるを得ないのは、テナント料の支払いが滞っている物件が多く、約900もの教室の膨大な家賃負担が事業継続の足かせとなるからだ。テナント料が高い都市中心部の駅前の教室を含む大規模リストラで運営コストを圧縮、業績の改善を狙うが、関係者によると、毎月27日前後となる給与支払いの一部が7月分は8月1日まで、8月分も9月にそれぞれずれ込んだ。今月14日に予定していた外国人講師への支払いも一部で遅れが出ているもようだ。


NOVA、約200校の閉鎖検討 <スポーツ報知>
 英会話学校最大手NOVA(統括本部・大阪市)が9月末を中心に、全国で200校前後の閉鎖を検討していることが20日、分かった。NOVA関係者が明らかにした。不採算校の閉鎖を軸にした事業再編で経営を立て直したい考えだが、テナント料の支払いが滞って立ち退かざるを得なくなった拠点も多い。対象は約900校ある教室の2割を超えることになる。

 NOVAは誇大広告などを理由に六月中旬、経済産業省から一部業務停止命令を受けた。企業イメージの悪化から、ピーク時には48万人といわれた受講生の減少が続いており、経営再建の行方は未知数だ。

 NOVAは「現時点で(200校前後の教室閉鎖という)機関決定はない。開示すべき事実が出てくれば適時報告する」としている。

 閉鎖対象は、東京都、大阪府、愛知、兵庫両県などの都市部が中心。互いに近接している複数の教室の一つを閉め、他校に統合するケースが目立つ。統合先の教室で受講するよう生徒に既に通知した教室も多数ある。

 閉鎖が確定しているのは、子ども向けの英会話教室「NOVA KIDS」を専門に運営する拠点を中心に約50。このほか、賃料の滞納にしびれを切らした家主がNOVA側に強制退去も辞さないとする内容証明付きの書類を送り付けたり、NOVAが既に口頭で家主に退去を伝えたりするケースが続出しており、閉鎖は200校前後になるとみられる。200校を大きく超えるとみる関係者もいる。

 8月末や9月上、中旬に既に閉鎖したり、10月末での閉鎖も一部含まれている。


NOVA、大規模な教室閉鎖を検討 全国で200前後か <朝日>
 経済産業省から一部業務停止の行政処分を受けていた英会話学校大手のNOVA(大阪市)が、大規模な教室の閉鎖を検討していることが20日、わかった。閉鎖数は調整中だが、全国で200前後にのぼる可能性もある。行政処分のイメージダウンで新規の生徒数が大幅に減り、運営が難しくなったとみられる。

 同社によると、07年3月末時点の教室数は925で、生徒数は約41万8千人。閉鎖教室数は、最大で全体の4分の1程度になる可能性がある。教室の家賃など運営費を圧縮し、資金繰りを改善する狙いとみられる。


NOVA 200校閉鎖検討 賃料滞納で立ち退きも 全体の2割超す <東京>
英会話学校最大手NOVA(統括本部・大阪市)が九月末を中心に、全国で二百校前後の閉鎖を検討していることが二十日、分かった。NOVA関係者が明らかにした。不採算校の閉鎖を軸にした事業再編で経営を立て直したい考えだが、テナント料の支払いが滞って立ち退かざるを得なくなった拠点も多い。対象は約九百校ある教室の二割を超えることになる。 

 NOVAは誇大広告などを理由に六月中旬、経済産業省から一部業務停止命令を受けた。企業イメージの悪化から、ピーク時には四十八万人といわれた受講生の減少が続いており、経営再建の行方は未知数だ。

 NOVAは「現時点で(二百校前後の教室閉鎖という)機関決定はない。開示すべき事実が出てくれば適時報告する」としている。

 閉鎖対象は、東京都、大阪府、愛知、兵庫両県などの都市部が中心。互いに近接している複数の教室の一つを閉め、他校に統合するケースが目立つ。統合先の教室で受講するよう生徒に既に通知した教室も多数ある。

 閉鎖が確定しているのは、子ども向けの英会話教室「NOVA KIDS」を専門に運営する拠点を中心に約五十。このほか、賃料の滞納にしびれを切らした家主がNOVA側に強制退去も辞さないとする内容証明付きの書類を送り付けたり、NOVAが既に口頭で家主に退去を伝えたりするケースが続出しており、閉鎖は二百校前後になるとみられる。二百校を大きく超えるとみる関係者もいる。

 八月末や九月上、中旬に既に閉鎖したり、十月末での閉鎖も一部含まれている。


肝心のNOVAのサイト、トップページにはお知らせがないなぁ。報道に先を越されてしまっているということ自体、NOVAが今回も後手後手の対応に回っていることを示している。
英会話NOVA

今週も面白かった『国家と罰』「となりの死刑囚」

2007-09-20 08:00:00 | 時事
 死刑囚Xさんのエピソードは今週も読み応えがあった。

国家と罰【第3章】 となりの死刑囚 2

 引用しやすい、冒頭のエピソードから。

佐藤 31房の彼のことで、強く心に残っているエピソードがあります。2003年に東京拘置所に新しい高層の建物が加わりました。通称、「小菅ヒルズ」というやつです。

伊東 なんか、ダースベーダーの基地みたくなりましたよね。昔の木造の建物は、府中の自動車試験場で免許を配る古い建物とよく似た、旧日本軍っぽい平屋だったけれど

佐藤 その新しいところに移ったんですが、ここでみんな、シックハウス症候群になるんです。壁のペンキや備品の小机のニスが溶けてきて、気化するんでしょうか。目から涙が出てくるし、お茶をポットに入れて小机の上に置いておくだけで臭いがついたり、食べ物も臭いがつく。でも、それに対して中の人間は誰も文句を言わない。というか言えない。

伊東 それは酷いですね。

佐藤 ところがね、隣の死刑確定囚のXさんが看守に「みんな黙っているけど、これはシックハウス症候群だから。拘置所の方でも問題意識を持ってもらわないと困る」と、囚人たちの思いを代弁して言ってくれたんです。

伊東 立派な人ですね。人民の代表という意識を、とても良い意味で持っているように聞こえます。

佐藤 そうなんです。誰も言わない言いにくいことならば自分が言わなくてはならないという役割意識を持っているんです。


 この後の、ゴムの木に関するエピソードもXさんの人柄を感じさせるものがあるのだが、 さらに35房に収監された未決囚(死刑判決が出て、上訴中)の言動を諌めたXさんの話辺りになると、うーむと唸ってしまう。

 来週続きを読むのがまた楽しみだ。






しょうが紅茶の効果?

2007-09-19 21:19:19 | 日常
 いまだに最高気温が30度を超える関西に住んでいるから暑いのは確かなのだが……最近、とても汗かきになった(汗)。ちょっと動くと、すぐ背中をつつーっと汗が流れる。

 新陳代謝を促すために「生姜入り紅茶(少々の黒砂糖と豆乳をイン)」を飲む習慣を始めてから少し経った。汗かきになったのは、これのせいだろうか?

 減量効果・ダイエット効果はまだ現れていないのだが……。

リーダーは実績でなく「何かやってくれそう」かどうか

2007-09-19 12:31:00 | しごと
 リーダーシップ研究やリーダー論を多少かじっている自分にも、なかなか刺激的な論点だ。

安倍辞任を広告コミュニケーションの視点から見る
 「文藝春秋9月号」に作家の塩野七生氏が「安倍首相擁護論」を寄稿されたのは、今回の辞任騒動どころか、自民党が大敗した参議院選挙の前です。

 一部を以下に引用して紹介します。


首相としての安倍氏は私にとって、「買っていない」というよりも「好み」ではない。政治という虚実からみ合う世界のリーダーとしては、誠実のあまりか単純すぎる。大衆民主主義時代の有権者の心理がわかっていない。女はなぜ男に惚れるのかを、考えたことはあるのだろうか。

 民主主義政体下の有権者とは、「何をやったか」で支持するのではなく「何かやってくれそう」という想いで支持を寄せるのである。

 業績から判断して投票するのではなく、期待感で票を投じる人々なのだ。業績によって評価を下すのは、政治的センスをもったごく少数の有権者か、それとも歴史家か、でなければ歴史家的なセンスも兼ねそなえている新聞記者だけと考えたほうがよい。


 安部氏に、政治家として、リーダーとして、決定的に欠けている資質とは何か? 今回の安倍総理の辞任後に書かれたさまざまな分析を読みましたが、参院選前に塩野氏が書かれたこの文章ほど的確に表現したものは見当たりませんでした。

 政治リーダーとは、「何かやってくれそう」「好きだ」で本来、選ばれるものなのです。そんな単純な事実が、戦後の米ソ冷戦構造の中、アメリカの庇護の下においてのみ可能だった自民党一党支配で、派閥の論理で首相が選ばれてきた日本においては、長く忘れられてきました。

 この政治本来のリーダーの選ばれ方を、ひさびさに日本に持ち込んだのは、前総理の小泉純一郎氏です。でも、小泉氏の話はまた後にします。


 有権者に広く投票されて選ばれる政治リーダーと、株主が選ぶ企業のトップやそのトップに選任される企業内リーダーは、違うところがあると思う。が、リーダーは、業績や実績でなく「何かやってくれそう」「好きだ」で選ばれるもの、という論点は、なかなかに面白い。

 博報堂の新人時代、マーケティングデータを読み込み、過去の多くの似た事例を研究して、アイデアを真正面から考えていました。その時、先輩に厳しく言われたのは「清く正しく、つまらないは、広告表現としてサイアクである」ということです。

 いくら「こんなに素敵な製品ですよ」とか「我々はこんな立派な活動をしています」と、正論を吐いても、人に伝わるとは限りません。伝えようとする相手がコンピュータではなく、人間である以上、「つまらないものは、愛されない」のです。

 名経営者、名政治家、名監督。優れたリーダーに共通する資質は究極、「好かれる。愛される」ということにつきるように思います。


 なるほど、優れたリーダーにあると言われている「カリスマ」とは何かという話でもあるのだ。

 私のこの連載の担当編集である日経BP社出版局の柳瀬博一さんにメールで意見を求めたところ、たいへん丁寧な返信をもらいました。

一部を紹介します。

              ************

人間は、
1:「損か得か」、2:「正しいか間違っているか」、3:「好きか嫌いか」という3方面からの価値判断を、特定の事象において、無意識下で瞬時に行い、行動に移します。

ゆえに、名経営者、名政治家、名スピーカーというのは、1:まず聴衆に彼自身を「好き」と思わせ、2:しかも発言が「正しい」と思わせ、3:最後に俺にとって「得だ」と思わせる、スピーチができるひと、となるわけです。

ただし、大切なのはこの順番です。
人間は、自分を「理性のひと」と思いがちで、とりわけ、お仕事などが絡むと、論理的に考えている、と思い込んでおります。

ですから、建前は、1:損得、2:正悪、3:好嫌の順番で価値判断をしている、と思い込む。

が、実際は違うんですね。自分の心を虚心坦懐に眺めると、だいたいの場合、まずとにかく1:好き嫌い、という皮膚感覚で判断し、次に2:正しいか間違っているか、と世間を気にし、最後に3:損か得か、という理性を働かせるわけです。もちろん違うケースもありますが、存外、好き嫌いが最初の第一歩になっているものなのです。


 建前は損得・正悪・好嫌、実際は好嫌・正悪・損得という指摘は、なるほどなぁと思う。

 もっとも優れた、そしてもっとも危険なリーダーというのは「好きにさせるチカラ」が圧倒的な人です。

 この天才こそが、小泉純一郎前総理だと思います。

 ひるがえって安倍氏には、まず人に「好き」と思わせる能力が凡人レベルでした。言っていることは、正しいのかもしれませんが、「清く正しく、つまらない」に過ぎなかった。

 絶対に選挙で勝てるわけがないなと、私も塩野氏同様に見ていました。

 参院選で「私にはまっとうしなければならない重要な職責があるんです。私は負けるわけにはいかないんです。私に皆さまのチカラをください」という安倍総理の演説をテレビで見て「ダメだこりゃ」とあらためて思いました。女性にもてない男性の典型のような口説き文句です。

 結局、私は投票所へは行きませんでした。

 民主党が勝ったのではないのです。コミュニケーションの天才小泉の亡霊に、凡人安倍が玉砕した、それだけです。相次ぐ閣僚のスキャンダル、不適切な発言、社会保険庁の問題。安倍氏は不運だった、という声もあります。では、安倍氏は不運だっただけなのでしょうか?

 もし、仮に、社会保険庁の問題や、インド洋上の給油のことが、同じように小泉政権の時に起きていれば、「社会保険庁を中からぶっ潰す!」「年金改革こそ小泉改革の本丸!」「インド洋上の給油に賛成か反対か、その二者択一で国民に信を問いたい!」と、逆に自分のタンカに変換して、乗り越えたような気がしてなりません。


 自分は、小泉元首相はその危うさ・破壊力ゆえに嫌いだというへそ曲がりなのだが、安倍首相が敗れたのはなぜかという点では、この記事に賛同してしまった(苦笑)。そして、一方で、「でも、この記事って英雄待望論に過ぎなくて、ヒトラー登場を待つ第一次大戦敗戦後のドイツ国民と同じ心理なんじゃないのぉ?」と混ぜ返したくなる自分も、そこにいる。

『アルカサル―王城―』第13巻(完) 青池保子

2007-09-18 23:03:45 | 読書
『アルカサル―王城―』第13巻(完) 青池保子(秋田書店) リンク先はamazon.co.jp

 腰巻きの惹句が泣かせる。
王の暗殺により、カスティリア内戦は泥沼化へ。歴史の奔流は、残された者たちを何処へ導くのか? 1369年3月23日未明 ドン・ペドロ死す!! 開始から24年。巨匠の代表作、入魂の完結作!!

 そうかぁ、開始から24年……作者も読者も干支が二回り……るーるる~♪
 でも、こうして、物語を完結させてくれた作者の青池保子さん、完結編を書く機会をつくってくれた編集者さんに、感謝感謝。

 スペイン語とスペイン文化を専攻していた自分にしても、カスティリア王ドン・ペドロ1世は、スペイン史の時間にちょっと名前を聞いた程度の存在だった。むしろ、先王の嫡子であったドン・ペドロを暗殺してトラスタマラ王朝を開いた庶子のエンリケの方が、スペイン・トラスタマラ王朝の開祖として記憶されていた。

 ふたりの名前は、スペイン美術史の授業で聞いた覚えがある。今は亡き神吉敬三教授のスペイン・ラテンアメリカ美術史の時間はベラスケスやスルバランやゴヤなどスペイン絵画の巨匠を知る素晴らしい機会だったのだが、建築史も多少入っていて、ドン・ペドロといえばセビリアの王城《アルカサル》であり、エンリケ・デ・トラスタマラといえばセゴビアの王城《アルカサル》――ディズニーの白雪姫の城のモデルとして知られている――と私の記憶にインプットされているのだ。

 英仏戦争時代のスペインは、700年にわたるイスラム勢力との共存・スペイン人による再征服《レコンキスタ》時代の一局面で、ヨーロッパ史全体においては辺境の歴史として扱われている。イギリスとフランスが覇権を巡って争う時代、中世も後半になってローマ教皇の地位も失墜し、スペインはそうした諸勢力の覇権の衝突の場面として登場する……たとえば、フランスの軍人ベルトラン・デュ・ゲクラン(自分はこの人の存在を佐藤賢一の小説『双頭の鷲』で知った)がフランス重騎兵を率いてエンリケの加勢にやって来るのだし、一方ドン・ペドロに加勢するイギリス王侯の中にエドワード黒太子がいたりする(しかし、ドン・ペドロとはすぐに提携関係が破綻してしまう)。

 第13巻の完結編においては、前半ではドン・ペドロがエンリケら諸勢力を圧倒してスペインをほぼ統一する絶頂期が描かれ、後半では主人公ドン・ペドロは既に死んでおり、死に至る場面は回想的に描かれる。第13巻の後半、その大半はドン・ペドロの娘たちのカスティリア奪還というか父王の名誉復権のための戦いの描写に費やされる。ドン・ペドロのカスティリア制覇を支えてきた、愛妻マリア・デ・パデリアや忠臣のイネストロサ(マリアの叔父)やマルティン・ロペス・デ・コルドバが第13巻後半ではバタバタと死に、ドン・ペドロの周辺が寂しくなった。と同時に、下っていくジェットコースターのようにドン・ペドロは覇気と勢力を失っていってしまうのが、何とも切ない。しかし、ただひとり、ガリシアの騎士ロドリゲス・デ・カストロがイギリスに亡命したドン・ペドロの娘たちに忠誠を尽くして、やがて娘のひとりであるコンスタンスが父王の名誉回復をスペインで遂げる結末は、感動ものだった。

 リーダーシップ論を勉強した身には、生まれながらの王族で、ひっきりなしに庶子たちや臣下たちの裏切りに悩まされてきたドン・ペドロが深い猜疑心に陥り、ごく少数の、王への忠誠のために心身を犠牲にすることをいとわない臣下や家族にのみ心を開き、それ以外の人々は信じられなくなる過程を理解しつつも、その孤高の道が破滅への道でもあったのだと寂しく思う。一方、金や地位を諸侯に約束することで庶子の身分ながら(ドン・ペドロを暗殺して)王の地位を手に入れたエンリケも、死ぬまで諸侯の面従腹背に悩まされることになることには、金で釣った相手はいつか金で他所に釣られてしまうものだということを改めて思う。

 青池先生、少女マンガにしてはとても骨太な作品で長年楽しませてくれて、ありがとうございました。もし外伝的な作品をさらに描いていただけるのでしたら、まだまだ待ちますよ(^^)。