自分の国は自分で守れ

Mikuのブログ

トランプ大統領誕生を前に「グローバリズム」について考える

2017-01-04 15:07:10 | トランプ大統領・アメリカ

http://the-liberty.com/article.php?item_id=12422

アメリカのドナルド・トランプ氏の大統領就任を控えて、今後、国際的に「グローバリズムの流れが断ち切られる」という分析が増えている。 

グローバリズムとは、貿易や金融などにおいて国家の枠を超え、世界を一つのルールで統一しようというもの。ソ連崩壊後の1990年代以降に世界に広まり、国境を超えて商売をする多国籍企業が台頭した。 

この流れが、「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ新大統領の誕生によって後退する、というのだ。多くのマスコミは、この「トランプ革命」に懸念を示しているが、グローバリズムはそんなに大事な概念なのか。 

 

揺らぐグローバリズムの象徴

グローバリズムの象徴と言えば、政府や企業が発行した金融商品を評価する「格付け会社」がある。現在、投資家や企業家は、この評価を参考に資金のやり取りを行っている。世界では、ムーディーズやスタンダート・アンド・プアーズ(S&P)、フィッチ・レーティングスが、代表的な格付け会社として有名だ。 

いずれも、アメリカに本拠を置いている。そのため、「アメリカ的な価値観」によって、一方的に世界中の金融商品を格付けしている、と批判されている。例えば日本国債であれば、経済危機が叫ばれている韓国よりも、低く評価されている(下表)。 

だが、日本のマスコミは、この不当な評価を疑問視せずに、むしろ、消費増税などの増税路線を正当化する有力な根拠としてきた。

 

国名ムーディーズS&Pフィッチ
ドイツ Aaa AAA AAA
オーストラリア Aaa AAA AAA
アメリカ Aaa AA+ AAA
香港 Aa1 AA+ AAA
オーストリア Aa1 AA+ AA+
韓国 Aa2 AA AA-
ベルギー Aa3 AA AA-
中国 Aa3 AA- A+
エストニア A1 AA- A+
日本 A1 A+ A
ドイツ Aaa AAA AAA
主要3社の国債格付け一覧。最高評価がAaa/AAAで、次にAa/AA、A/Aと後に続く。これに加えて、+と―もあり、評価は3段階に分かれている。 

 

信用ならない格付け会社

では具体的に、どう評価しているのか。それについて、嘉悦大学教授の高橋洋一氏はこんな興味深いことを述べている。 

「格付け会社がどのように格付けを行っているかを聞いてみたら、その回答にとてもびっくりした。予算書などはまったく読まずに、大雑把な概括的な数字だけで格付けしていたのだ。これは、財務諸表を見ないで周辺情報だけで会社の信用度を判断しているに等しいので、大いに呆れたわけだ。いってみれば、格付け会社の情報は、マスコミが客観的な指標に基づかないで定性的に話すレベルと大差なかった」(2015年2月12日付Business Journal) 

すべての会社がこのような状況であるとは言い切れないが、信用ならない会社も存在していることは間違いないだろう。 

 

グローバリズムは共産主義に似てくる

そもそも、グローバリズムには、世界を一つの価値観に染め上げるという点において、結果として、共産主義に似てくるという問題がある。 

共産主義はその理想に反して、一部の権力者が富を独占し、貧しい者は貧しいままという絶望的な格差社会を作り出してきた。 

近年、グローバリズムの流れに乗った一部の多国籍企業が莫大な富を得たものの、本来所属している国に富を還元せず、その国の経済が低迷する状況も生まれてきた。 

だからと言って、「反グローバリズム」で排外主義的な右翼政党が台頭するヨーロッパ諸国の流れを、単純に肯定するわけにもいかない。 

「グローバリズム」か「反グローバリズム」かの単純な二者択一ではなく、一人ひとりが自分の国に責任を持って、勤勉に働き、発展を目指す。いま世界の国々や人々に必要とされているのは、そうした当たり前の「自助努力(セルフ・ヘルプ)の精神」だろう。

(山本慧)

 

【関連書籍】

幸福の科学出版 『「国際教養概論」講義』 大川隆法著https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1400 

幸福の科学出版 『繁栄への決断 ~「トランプ革命」と日本の「新しい選択」』 大川隆法著https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1785 

【関連記事】

2016年12月27日付本欄 「グローバリズム」の弊害とは? 【大川隆法 2017年の鳥瞰図(9)】https://the-liberty.com/article.php?item_id=12401 

2016年12月5日付本欄 イタリアは反EU勢力拡大 オーストリアは極右政党敗北 EUの終わりの始まり?http://the-liberty.com/article.php?item_id=12292

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大学教育への規制強化。日本に学問の自由を!

2017-01-04 15:00:40 | 教育・いじめ問題・児童虐待・少子対策

[HRPニュースファイル1750]http://hrp-newsfile.jp/2017/3024/

HS政経塾第6期生 須藤有紀

◆危機に陥る私立大学!その報道、気になります

2016年8月4日、四年制私立大学のうち、44.5%が定員割れを起こしているということが、日本私立学校振興・共済事業団(私学共済)の調査で分かりました。

前年比1.3ポイント増となっており、特に「小規模校や地方にある大学で定員割れが多い傾向」であると言います。(同日20:08日経新聞電子版)

そして、この報道以来、私立大学の運営や国公立大学との格差是正についてなど、大学の在り方についての「大変気になる」報道が、見受けられるようになりました。

◆それ、学問の自由をじわじわ侵害していません?

2016年10月25日には、私大と国公立の格差を指摘したうえで、日本私学共済の河田理事長が、「国公私立の役割分担や規模、資金投入の在り方について国はグランドデザインを作るべきだ」と指摘しました(同日日経新聞朝刊)。

2016年12月22日には、私学共済が私学経営情報センターなど共に、全国700の私大・短大の資産運用の実態調査に乗り出すと報じられました(同日12:30日経新聞電子版)。

そして、2016年12月22日には、同日閣議決定した「地方創世の総合戦略の改訂版で、東京への大学新設を抑制する具体案を来夏までに検討する方針を打ち出した」と言います(2016年12月28日日経新聞朝刊)。

バラバラに見れば、「そうなんだ」で終わってしまうような内容ですが、こうして並べてみると一定の動きが見えてきます。

すなわち、政府の教育(特に大学教育)に対する規制強化の動きです。

◆そもそも私立大学とは

そもそも、私立大学の始まりは私学・私塾でした。

1858年福澤諭吉創立の慶應義塾大学や、1875年新島襄創立の同志社大学などを端緒とし、創立者の精神や創立の理念に添った独自の教育が行われていました。

慶應義塾大学は「ふるいしきたりや慣習にとらわれない教育」を基本とし、「独立」や「実学」など、今も受け継がれる建学の精神を掲げて教育を行いました。

「其目的は我日本国中に於ける気品の泉源、智徳の模範たらんことを期し」ており、「躬行実践、以て全社会の先導者たらんことを欲するものなり」という福澤の精神は、今も慶應義塾大学の中で受け継がれ、理念に掲げられています。

育てたい人材像を明確にし、私塾として、人を育てることに熱中した福澤の情熱が垣間見えるようです。

◆国家と私学の関係

私塾なら当然、国からの補助金は出ておりません。

私学の設立が認められたのは、1874年文部省布達、1879年発布の教育令が初めてであり、それも届け出手続きにより設置・廃止が自由にできるというものでした。

それが1896年の民法施行と文部省令により、諸学校令1条に該当する学校は法人格を取得できるようになり、私学の法人化が進むこととなります。

さらに1911年の改正私立学校令で財団法人の設立義務化による「財政基盤の確保」が求められるようになるなど、私立大学に対する「条件」が付与されるようになります(「学校法人と私立学校」長峰毅著1985)。

それでも、国からの助成金を出し国の意向を受けた教育を行うよう、「指導」されるといったことはありませんでした。

「官製大学」とは違い、国の予算を充てる代わりに国の意向を受けた教育ではなく、財政も教育内容も、オリジナルを貫いていたのです。

◆変わりつつある私立大学

現在、財源が確保されている代わりに、国の意向を受けた教育を行う国立大学と、独自に財源調達を図る代わりに、独自の教育を貫いてきた私学が、ここへきて大きく変容しようとしています。

定員割れや経営難など、私学の苦しみの声は増えています。

その一方、公立化によって黒字転換する私学が出始め、「予算があって学費が安くなって、「公立」という名前がつけば学生が集まる」という例ができつつあります。

上述した3つの記事は、そうした私学の声を反映し、国が「救済措置」をとろうと動き始めていることを示唆するものです。

◆学問の自由を守れ!

しかし、安易に国がグランドデザインを決め、私学の在り方を定義して、補助を行うことが本当に日本のためになるのでしょうか。

「読み・書き・そろばん」を含む基礎知識を教える義務教育とは違い、大学はより高次な研究を行って付加価値を生むためにあるものです。

どれだけ付加価値を生み、世の中に貢献しているかということは、国が決めることではなく自由競争の中で決まることです。

地方での教育機会均等や地方創世の美名の下、私学助成金を増やしていけば、教育の質はどんどん低下していきます。

そして、私学に対する関与が強まれば、「学問の自由」が侵害されます。

むしろ、2014年に教育内容に踏み込んで、大学設立を不認可にした例もあったように、学問の自由の侵害は既に始まっていると言えます。

必要なのは自由です。

自由競争を良しとし、市場原理を尊重する勇気です。

私学全体を統制し、教育に対する規制強化につながるような現在の動きには断固として反対し、警鐘を鳴らし続けたいと思います。


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