行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする26年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

3年間の日系人再入国禁止期間で見えて来た厚労省の魂胆!

2009-05-14 00:16:08 | 日系人について

 ”帰国する日系人に30万円、その家族一人につき20万円の帰国費用を援助する。但し、原則として3年間の日本への再入国は認めない。景気がすごく良くなれば再入国禁止期間を短縮する”との川村官房長官や舛添厚生労働大臣の答弁から、厚労省の官僚達の魂胆が見えて来ました!

 おそらく、ほとんがの方々が、一時金を貰って帰国するのならば、3年間再入国禁止とするのもやむを得ないであろうと思われるかもしれません。しかし、この3年という数字には、実は次のようなトリックが隠されています。

 外国人へ許可されている在留期間は1年又は3年です。そして、その在留期間の限度内で再入国許可が与えられます。つまり、永住者を除いて、ビザを更新せずに3年以上滞在できる日系人はいないのです。更には、永住者でも、再入国許可の有効期間は3年間です。

 どうゆう事かといえば、3年間の再入国禁止期間の間に、彼等日系人及びその家族の在留資格(一般的には、ビザの事です。)はすべて失効してしまうのです。勿論、永住権も失効してしまいます(但し、在外公館が1年に限って再入国許可を延長することができますが、保証はされていません。)。つまり、一旦帰国事業援助を受けたら、ビザは基本的にはすべて失ってしまうのです。

 では、どうやって戻ってくるかと言えば、昔最初に来た時と同じように、日本に住む親族に依頼して在留資格認定証明書交付申請をして貰い、在留資格認定証明書を地方入管より取得しなければなりません。

 ところがもし日本政府が、日系人とその家族に対する許可条件として、日本語能力?級程度が無ければ許可しないと決めたら、それでもう日系人のほとんどは再入国できなくなります。

 そんなひどいことはしないでしょう!なんて思わないで下さい。実は、日系人の日本語能力要件を課す案については、法務省入国管理局も、そしてその他すべての官庁筋や政治家筋も、実はみな賛成なのです。

 従って、結果としてこの日系人帰国支援事業でお金を受け取ったら最後、受け取った日系人は、もう日本には戻れなくなる可能性が著しく高いと思います。いや、間違いなく戻って来られないと私は思っています。

 こんな、姑息な手段で、日系人達や国際世論を欺こうとする厚労省の魂胆が、私にははっきりと見えます。呆れました!彼等のやることには・・・。

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コメント (4)
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