行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする26年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

相談料は有料? 或いは無料?(シリーズ 第29回)

2009-09-04 01:15:14 | 行政書士のお仕事

 原則として、私の事務所では相談料は有料(在留相談、家事・民事相談は1時間5千円、企業関連などの商事事案を含む相談では1万円)とさせて頂いている。勿論、開業のご相談などで、ご依頼に結び付きそうなご相談の場合には、敢えて相談料を頂かない場合も多少はあるのだが、この様な場合にはご依頼に至るまでのご説明の一部と考えている。

 ところが、相談料を無料、或いは、初回無料にしている同業や他士業の方々が実は意外に多いようである。しかし、私の場合、当初から西洋人のクランアントが多かったこともあり、相談料は当然のごとく頂戴しているのである。

 その理由として、一般的には南北アメリカ諸国やヨーロッパ諸国の人々は、無料で相談に応じる者は、素人か経験が浅い者だと思う傾向があるからだ。つまり、西洋人達の多くは、実力のある専門家による情報は、当然ながら有料であると思っているのである。

 従って、無料相談に頼る者は、情報の単なる確認に行く者達ばかりで、真剣な相談者は無料相談には頼らないのである。どんなに貧しい者でも、真剣な相談であれば、相談料は払わなければいけないという一般常識が身に付いている西洋人は実に多い。

 一方、日本人をはじめ、中国人やインド人などの東洋人の多くは、相談料を払う習慣に馴染みが薄いようである。つまり、相談は無料だと思っている者が逆に多いのである。

 今から7~8年前の事であろうか、東海地方にある某有名企業の工場から呼ばれた時、そこへ行く為の相談料と交通費と請求したら、非常に驚かれたことがあった。勿論、支払って頂いたのだが、どうも業者に来させて、聞くだけ聞いて、そして説明させるだけさせて帰って貰うといった感覚があったようだ。工場とはいえ、そんな日本の大企業の工場の方々の感覚に、当時の私は大変驚いた記憶がある。

 今どきの、丸の内や大手町にある巨大弁護士事務所が請求する相談料は、おそらく私の事務所の相談料の数倍から10倍近い額らしいのだ。勿論、それだけの内容やトラブルに関わる事案ではあろう。しかし、同じ外国人事案で、失礼ながらその回答内容が、私がお答えする内容よりず~と物足りなくとも、請求額はやはり数倍から10倍近い額となる筈なのである。

 まあそんなケースは一部の例外としても、相談に対する回答が有用な内容でなければ、当然の事ながら相談者は誰も来なくなる。だから、私は様々な事例や当局の方向性を関知する為のアンテナを、常に敏感に張り巡らせ、かつ働かせているのである。

 それは、相談者からお金を頂く以上は、それ以上の価値ある情報を相談者に提供し、ご満足頂く必要があるからである。インターネットで検索して得られる程度の情報でお茶を濁すような素人に毛が生えた程度の回答などは当然の事ながら一切しない。

 また、顧問先やご来訪されたクライアントなどに対しては、あえてお問い合せ頂かなくとも、最新の情報を絶えずご提供させて頂いている。それが、プロとしての自負でもあるのだ。

 しかし、同業で無料で相談に応じている者達の中に、質の悪い情報や不勉強で誤った情報を垂れ流している者達が居るとの話を聞くことが時々ある。

 こういった同業ばかりではないのであろうが、確かに無責任な同業が扱って失敗した事案の後始末をする場合が時としてあるのである。勿論、クライアントからのご紹介や他士業の先生方からのご紹介で最も多いケースは、入管手続を安易に考えていて、会社内部や個人でトライしてみたが、結果として、どうにもならなかったケースが最も多いのではあるが・・・。

 相談料が無料だからといって、嘘や不確かな情報をプロである私達が平気な顔をして垂れ流す事は、我々行政書士業界全体の信用を落とすことにもなるので誠に残念な事である。

 ただほど高いものはない! 昔の人は良く言ったものだ。格言とはやはり正しいようだ。 

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コメント (4)
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