さて、週末に「戸籍とはなんぞや」のお勉強はして頂きましたか?えっええ?していない!週末は休むモノ!確かに。ふむふむ・・・。それでは、簡単にお話ししちゃいましょう。
今の戸籍は、1家族単位です。ですから、結婚しますと、戸籍上は親離れしなくてはなりません。つまり、親の戸籍から出て新戸籍が作られます。
「いや~だ!お父さんやお母さんと一緒にいた~い!」といっても同じ戸籍には残れないのです。いやでも独立(甘やかさない為には良いことですね(^_-))しなければならないのです。
親の本籍地と同じにすればどうでしょう? 残念~ん! それでも新戸籍は同じ本籍地で別に編纂されちゃいます。つまり、結婚したら、男性も女性もご実家の戸籍から強制的に追い出されてしまうのです。
除籍謄本というと、亡くなった方の戸籍謄本だと思っている方々が多いと思うのですが、それは間違いです。その戸籍に生存している方が一人でも記載されていると、除籍謄本ではなく、戸籍謄本です。
例えば、お父様が亡くなって、お母様がご存命、お子さんのうち、上の兄姉2人が結婚で除籍になり、下の男性が亡くなった場合。申請するのは除籍謄本ではなく、戸籍謄本です。ですから、除籍謄本とは、全員が除かれた時に、はじめて除籍謄本となるのです。ちなみに、戸籍謄本は手数料が450円ですが、除籍謄本は750円です。なお、抄本とは、筆頭者と特定の方の事項のみの部分抽出した証明書の事です。
ところで、結婚とか死亡とかで除籍となったりしますと、昔の縦書きの戸籍謄本では名前の上にバツ(×)が書かれていました。また、結婚して新戸籍を編纂したカップルが不幸にも離婚した場合、筆頭者でない者(だいたい、女性が多いのですが、女性を筆頭者とすることもできます)は、その籍から除かれますので、名前の上にバツ(×)が書かれていました。だから、バツいちなんて言われたのでしょうか?ところが、今の横書きの新タイプの現在事項全部証明書では、こういったバツに当たる記載が出てきませんので、かえって分かり難くなったという見方もありますが・・・。
以上は、戦後民法下の戸籍制度なのですが、戦前と言いますか、昭和23年以前の戸籍制度はまったく違います。家督制度といって相続人が長男だけの時代でしたから、筆頭者ではなく、「戸主」と書かれています。そこに、祖父母、父母から伯父叔母、弟妹から妻、そして長男長女次男と、家族ぜ~んぶが書かれています。
この古い、家族全員が入った、昭和23年以前に編纂されて、現在でも保存されている戸籍を「改製原戸籍」と言います。この原戸籍は、皆さんのご家族のルーツを知る上でも、とても重要なご先祖様の戸籍といえるのです。また、相続などが発生した場合には、必ずこの原戸籍まで遡って、相続関係に漏れがないかどうか確認します。この改製原戸籍ですが、一般的には、大正4年式が多いようですが、明治31年式や19年式のように「平民」といった身分が記載されている古い戸籍が未だに残されている場合もあります。中には、これら古い戸籍全部が残っているような場合もあるようです。
なお、戸籍はちょっと以前までは、その管轄は、実は市町村ではなく、法務局でした。その法務局は、今でも市町村が受理すべきかどうか悩んだ場合の照会先となっている機関です。また、法務局は法人登記簿も扱っていますから、戸籍と法人登記簿との間にはかなりの共通点があります。ちなみに、法務局は、戦前は裁判所が管轄する一部門だったのだそうです。
外国では、いまでも裁判所の一部門が出生証明や婚姻証明、死亡証明といったものを管理している国がありますが、民事登録事務所という独立した管理機関にしている国が多いようです。中には、市町村、公証役場、警察などが管理している国もあります。
日本でも、明治以前はお寺が過去帳として、出生、婚姻、死亡などを記録していましたが、外国でも、こういった民事登録機関が出来上がる以前は、教会が作成し、保存していたケースが多いようです。
日本では、このように戸籍といって、出生、婚姻、死亡のすべての事項が一括して記載されていますが、この制度は中国から伝来した方法であり、現在でも戸籍制度が残っているのは、中国、韓国、それに日本だけだと聞いています。ですから、戸籍を英訳するとファミリー・レジストレーション、つまり「家族登録」といいます。なるほど~!納得でしょう!
こんな話を書いていると、いつになっても終わりませんので、先に行きましょう! えっ! もう、時間切れですか! 仕方がありません、戸籍の話でだいぶ寄り道してしまいました。でも、どうやら「改製原戸籍」を探せば良い、というところまではお分かり頂けましたよね。では、その改製原戸籍はどうやって探し出すことができるのかは、次回のお楽しみという事で!
戸籍が新しくなった事を知らなくて、
行政書士登録の為に取ったら
横書きになっていて、???と思いました!
離婚がもうちょっと早かったら、
新しい戸籍には記載されなかったのになぁ~
なんて思いました!
明治以前には、お寺が記録していたのですね!!
次回も楽しみにしております♪
同業以外の方々にも読んでいただけるように書いたつもりでしたが・・・。
まあ、文章力がずば抜けているイワモッチさんに面白かったと言っていただけたので、かろうじて合格と思うように致しましょう!