行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする26年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

なぜ4月が年度はじめ?

2008-04-02 12:21:02 | どうしてなんだろう?

 3月31日や4月1日は、世の中何かと騒がしいのである。月末で、決算の締日。お役所の会計年度末や年度初め。新入社員の入社式等々である。それに桜の咲く頃と合い重なって、何か華やいだ感がして、こころなしか気持ちが弾んでくるのである。

 ところで、私の仕事は決算や年度初めとは全く無縁な仕事と思われがちだが、案外そうでもないのである。ここ数年は新卒の優秀な外国人学生を採用する企業が急増しており、今年も何人かの新入社員の在留資格変更手続きをさせて頂いたのである。採用企業の入社式は今年は4月1日なので、3月31日までに社会保険の手続きをしたいので在留資格と在留期限を知らせて欲しいと云われる事が多い。そこで、旅券と卒業証書原本をお預かりして入管に許可証印を貰いに行くのである。卒業式は、3月20日頃から各地で集中するので、この10日間ほどはどこの入管でも大変な混雑になるのである。

 そんなご依頼もやっと一巡したので、「はて、なぜ4月が年度初めなんだろう?」とネット検索してみると、どうも4月年度初めというのは明治以降の話らしいのである。確かに、落語なんかでは、年末に大工などの職人の頭領や商人達が、売掛金取り立ての為に町中を(昔は、除夜の鐘が鳴った後は債権が時効になっていた?・・・)走り回っていた事から12月のことを”師走”といったのは有名な話なのですが・・・。

 そこでネットで見つけた諸説を並べてみると以下のような諸説がありました。

 諸説1. 江戸時代までは、暦年とは別の「年度」というものはなく、1月から12月までで会計を行っていた。しかし、明治維新の後、政府の財政が苦しく、暦年と合わせることができなくなって「年度」が作られた。1886年に、現在の4月から翌年3月までとなった。

 諸説2. もともと日本では、特に入学の時期は定められておらず、年中入学可となっているのが普通でした。1886(明治19)年10月に、高等師範学校が学年暦を4月1日からと定め、1888(明治21)年から全国一斉にこれにならうようになりました。

 諸説3. 当時の陸軍との人材獲得競争のためだったという。1886年(明治19年)十二月「徴兵令」が改正され,「壮丁」(青年に達した男子)の届け出の期日が,従来の九月から四月に改められた。当時の師範学校や高等師範学校は二十歳以上の新入生が多かったから,学校が九月入学のままだと人材が先に軍にとられてしまうということで,四月入学はまず高等師範学校から始まった。

 諸説4. 公費支出の都合から。同じ1886年,国や県の会計年度が七月~六月から四月~三月に改められ,これによって新学年の始まりも変わったのだという。

 諸説5. 日本では、イギリスに倣って1886(明治19)年に西暦(グレゴリオ暦)の4月~翌3月までを「会計年度」とすることに改められましたが、イギリスでは当時、西暦の3月25日が新年となる暦を採用しており、そのため4月からが新年度の始まりとなったようです。現在のようにグレゴリオ暦(西暦)が世界的に主流となってからもイギリスや日本では「会計年度」という形で4月~翌3月までという年度の考え方が残っているわけですね。この会計年度に併せて、会社などの新年度の始まりも日本では「4月」からとなっています。

 諸説6. 日本では明治初期には欧米と同じの9月スタートでした。これは外国人教師が多かったためだといわれています。しかし、国の会計年度と併せた方が都合がよかったのと、春の陽気が子供の健康にいい等の理由で「4月」スタートに改められました。まず、1886(明治19)年に高等師範学校が採用し、1892(明治25)年に全国の小学校が採用しました。

 以上からすると、確かに会計年度は明治新政府が始めたようですし、4月新学期は明治19年から、全国的には明治25年からのようです。

 それにしても、明治政府の財政が苦しくて暦年と合わせることができなくなって「年度」が作られたと聞くと、明治新政府の苦しい台所事情や、当時の陸軍との人材獲得競争のため学校の入学月を9月から4月に繰り上げた師範学校の事情とかを聞くとう~んと唸ってしまいました。

 ちなみに、昔、ヨーロッパでは3月25日を新年とし、4月1日まで春の祭りを開催していましたが、1564年にフランスのシャルル9世が1月1日を新年とする暦を採用したのだそうで、これに反発した人々が4月1日を「嘘の新年」として位置づけ、馬鹿騒ぎをするようになったのがエイプリルフールの始まりとされているだそうです。

 最後に、イギリスのBBC放送では、今年の4月1日のエイプリルフールとして「空飛ぶペンギンの撮影に成功?」なるジョーク画像を流したそうです。

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2 コメント

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なかなか渋いテンプですね。 (なむ)
2008-04-05 16:18:57
なかなか渋いテンプですね。
粋な感じが江戸・下町を連想させます。
色合いは山藤を感じさせてくれますよ^^

明治は9月がスタート月だったんですか。
知りませんでした。けれど、ここ最近
再び9月を入学時期にしようとか、3学期制を
2学期制にしようとか(実際2学期制にしている
ところもあるみたいです)
いろいろ案が出ているようですね。
「桜と共に入学式をするのは日本の伝統」
などと言っていた方もいたのですが。

近年の気象もそうなのですが、桜の時期に
入学式・・・という形はそのうち変わってくるかも
しれませんね。
返信する
なむさんへ (Nakamura)
2008-04-05 19:39:36
なむさんへ
 テンプレートをお褒め頂きありがとうございました。桜の散った後ですと、この雨上がりのような絵だったら、梅雨明けまで使えるかなって、ズルしちゃったんです。

 四月入学でも、九月入学でもどちらでもよいのですが、何もインフルエンザが流行したり、大雪で電車が遅れたりする二月を受験期にしなくても良いんじゃないかと個人的には思います。風邪や雪で人生狂っちゃたっら気の毒ですものねぇ。
返信する

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