ホテルチェーンの東横インの元社長が逮捕されました。おそらく、「自分の会社の建物・敷地内に廃棄物を置いてどこが悪い!」、或いは、「どうせ捕まるようなことはないから大丈夫!」なんて思っていたのでしょうか? しかし、産業廃棄物を、許可無く保管すれば違法行為となり、最高で懲役刑の罰則もあるのです。
ところで、ここ数年ですが、こういった許認可に関わる法令遵守コンサルの仕事が増えて来ました。特に、私の専門である入管法の”不法就労助長罪”の適用が発端です。4年ほど前に、不法就労の外国人を雇用していた企業の担当者や経営者が矢継ぎ早に逮捕され、新聞を賑わすようになってからのことです。
今まで、不法就労の外国人そのものが逮捕されたり、入管に収容される事はあっても、使っている企業関係者が逮捕されたことは皆無だったのでした。余程悪質なケースでも、せいぜい書類送検がいいところでした。それが、著名な企業も含めて、担当者や経営責任者がどんどん摘発され、逮捕されるようになって来たのでした。
昨今は、食品衛生法、JAS法違反で数多くの企業責任者が逮捕され新聞・雑誌を賑わしています。僅かな費用や経費の節約のつもりと軽く考えていた企業が、結果として巨額の損失を被ることになり、中には、廃業に追い込まれたケースさえもあるのです。
ですから、顧問先、或いは、ご依頼される企業の担当者の方々は、どなたも事前の段階で、実に真剣にお尋ねになって来られます。確かに、昨今の司法当局の対応は、場合によっては企業担当者どころか、経営責任者までの逮捕というドラスティックな手法を採っているようですから、世間や取引先に与える影響は甚大なようです。
「オタクの社長XX法違反で逮捕されちゃったんだってねぇ!」と、重要な取引先に言われるだけでも営業担当者は辛いのに、「うちも世間体があるので、オタクとの取引は、当面は中止ということでお願いします!」なんて言われてしまっては、会社の屋台骨さえ揺るがしかねない重大な事態となってしまいますものねぇ!
特にそのリスクはモラルハザードや法令違反の露見から発生することが最近多いようです。
その意味で企業は予防法務を担ってくれる先生のような行政書士の存在を益々重視することとなるでしょうね。ましてや外国人関係は高度な法判断が要求される分野だと思います。
件数の問題はさておいて私も予防法務的なことを少しはやっているわけですが、それには日々の精進が欠かせないと再度認識した次第です。
そうですね。今は少なくなりましたが、資格外活動許可を持っていない留学生をアルバイトで使って良いかとか、エンジニアを畑違いの営業に回せるか?とか相談(いずれも、資格外活動となって違法です。)が結構ありました。
また、新卒外国人を採用する場合の配属先なども微妙な問題ですので、内定の段階での企業さん側との打ち合わせ(在留資格の該当性の問題)が重要です。
一方、起業する外国人の方々からの当該事業での必要許認可に関する相談も結構あります。こちらは、しっかり許認可を取得しないと無許可の違法営業になってしまいますから。