行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする26年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

甘くはない、日本企業の海外進出!

2011-08-02 07:41:29 | 社会・経済

 経済団体やら大企業が、脱原発に伴う電力不足は製造業の国外脱出の引き金になると騒いで、我々国民を脅しているようだが、そう簡単に企業の海外移転が可能なのであろうか?

 例えば中国進出。手抜き工事の鉄道や建造物が多々あり、許認可権限を持つ中央・地方政府役人への賄賂が横行する国情不安定な国なのである。

 ある日突然、国の意向によって事業の継続が出来なくなるようなハイリスクの可能性を秘めた国が実はほとんどなのだ!

 只単に、人件費やエネルギーコストが安いだけで海外進出に踏み切って、大損した挙げ句に、中国のような国からの撤退を余儀なくされた日本企業が実際多々あるのである!

 また、今現在は中国での事業としては成り立っていても、そろそろ事業拡大を再考し始めている企業も相当数あるのである。

 一般的に、日本並みの民主法治国家で、製造コスト上のメリットがあり、かつ、政情的にも安定し、自由市場として参入障壁の少ないところは、せいぜいシンガポール、台湾、香港くらいしか無いのである。

 ところが、シンガポール、台湾、香港はいずれも小さな国又は地域でしかない。

 しかも、今流行のインド、ブラジル、ロシアなどでは、日本の製造業を移転させ、稼働させる事はそうは簡単ではないのである。

 ましてや、これらの国々の市場への参入が簡単にできる程、甘い市場環境には到底無いのである。

 一方、米国はそもそも高コストの上に、訴訟社会であり直接コスト以上の間接コストがかかる国である。まして、西ヨーロッパ各国やオセアニアなどの地域は、日本以上の高コスト国家ばかりである。また、アフリカはコスト以前の政情不安があり論外なのである。

 さて、日本を脱出したい企業さん達は、一体全体 ”どちらの国へその本拠地を移すおつもり” なのであろうか?

 海外での事業とは、そうは簡単に出来ないことは、私は長い長い中南米やスペインなどの海外勤務経験から良~く知っているつもりだ。

 ですから敢えて言おう!

 海外移転したい企業であるのならば、どうぞさっさと移転してみて下さい!

 できるものならば、さっさとやって見れば良いではないですか!と。

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2 コメント

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そのとおりですね。日本がドンだけいい国か。知ら... (田代正一)
2011-08-03 17:36:33
そのとおりですね。日本がドンだけいい国か。知らぬは自分ばかりなり。
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田代さん (Nakamura)
2011-08-03 18:29:59
田代さん
 お久しぶりです。本当に、海外で仕事をしたことのある人ならば、日本ほど仕事がし易い国は他には無いと必ず分かるはずです。

 海外で諸先輩方が苦労して積み上げてきた実績があるからこそ、今では何とか海外でもそこそこやってゆけるようになったのだという事を決して忘れて欲しくないですね。

 もっとも田代さんは未だにお仕事でご苦労されていらっしゃるのかな?

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