浅田次郎氏の作品は、不法滞在外国人女性と偽装結婚までしなければならないまでに身を落としたある日本人男性が、次第にその彼女に心を惹かれてゆく悲恋を描いた「ラブレター」をはじめ、何編かは読ませて頂きましたが、どちかと云えば社会派というか、シリアスな内容の小説であったと思うのですが・・・。
確か4年ほど前、東京都行政書士会主催の講演会で、この「ラブレター」ができあがった背景などをお話し頂いた記憶があります。
しかし、このご紹介する「ハッピーリタイアメント」は、まあ、一言で云えば、「痛快、サラリーマン小説!」とでも称したくなるような、電車やバスの車中で読んでいて、幾度となく顔がほころんでしまうような実に愉快な漫画のような小説です。
それに、登場人物の年代が、私と同じ50代なかばのオヤジ達であり、その登場する人々の怪しげな天下り先である某財団法人の所在地が、これまた私の事務所の近くである東京神田の界隈を舞台にしていたので大変興味深く、かつ、楽しく笑いながら読めた本でありました。
疲れた脳を休ませるために読む本としては、実に最適でした。
私のハッピーリタイアメントはいつになるか?ですって! この仕事を始めて丸11年になりましたから、せめてあと14年はやって25周年記念を迎えることができたらなぁ・・・、などと願っています。
その後は、老害などと言われぬよう、もっぱらボランティア活動と後進の育成に従事できればなあ、などと思っています。