出張ネタ続き。
サンフランシスコはGoogleやfacebookなどのテクノロジー企業でとても景気がいい。
若手の社員はナイトライフ目当てにシリコンバレーでなくサンフランシスコ市内を好むので、市内の家賃が高騰しているらしい。
Googleなどの企業はサンフランシスコ市内から本社までG-Busというシャトルバスを何本も運航しているし、社員食堂は家族も含めすべて無料。社員食堂といっても多様な人種に合わせて各国の料理があり、しかもそれぞれとてもおいしいらしい。
一度家に帰ってから家族で社員食堂に出直す人もいるとか。
あげくのはてに社員食堂のシェフの引き抜き合戦も起こっているそうだ。
日本で「会社の仕立てたバスで通勤し、社員食堂で食事をする」といえば、真っ先に「社畜」というレッテルを貼られそうである。
一方でGoogleの社員を社畜とは言う人はほとんどいない(と思う)。
また、Facebookの本社は"1 Hacker Way"という自ら名づけた(と思う)住所にある。シアトルのMicrosoft本社も"1 Microsoft Way"にある。
でもそれを言うなら、トヨタ自動車の本店所在地は「豊田市トヨタ町1番地」である。
この違いはどこから来るのだろうか。
会社で若い奴に聞いてみたら「そりゃGoogleやFacebookのほうがかっこいいからでしょ」と即答された。
まあ確かに、自分のイメージでは日本の社員食堂は「トレーの上にプラスティックの食器にメンチカツか何かが盛り付けられた日替わり定食500円」という感じで、おしゃれとかかっこいい、とは無縁な感じがする。
一方で社員食堂をモチーフにした丸の内の「タニタ食堂」は人気である。
おそらく社員食堂も、高度成長期の昭和30年前後は先進的で衛生的でオシャレだったのではないか。
車も普及せず、公共交通機関が行きわたらなかったころは、専用バスは必要な足だったであろう。
社宅という制度もそうだったのだろう。
それらの進展にそって、一定条件を満たした会社の福利厚生は給与所得として課税しないなどの税制も整備された。
しかし制度は固定化する。
そしていつの間にか時代遅れでニーズに合わなくなっているが会社側は税制優遇の範囲を上限とし、従業員は安いから仕方なく使う、というものになってしまったのではないか。
格好悪いのは、社員食堂などの結果ではなく、そういう考え方のほうなのかもしれない。