タイトル的には「トンデモ本」の香りがしないでもなかったがとてもまともな本だった。
「いい医者の見分け方」を指南する本でも「既存の医療の間違い」を威勢よく糾弾する本でもなく、「よい患者」になる心得を説いている。
具体的には、きちんと医者とコミュニケーションを取り、自分の健康のために何が必要かを考えながら医者の言うことをきちんと理解しようとする姿勢が大事。
血液検査や画像検査の結果が「正常化」するのは、病気の治療の結果生じる(かもしれない)副産物。けれども、血液検査結果そのもの、画像検査結果そのものは、治療の目的でも何でもありません。
健康診断で「異常」を指摘されても、じつは放っておいてよい人はとても多いのです(そうでない人ももちろんいます)。ですから、もっと気をラクに「検査は検査、大事なのは自分自身の健康で、両者は別物」と考えるのが賢明です。
ただ、実際に「放っておいてよい」か「そうでない」かを適切にアドバイスしてくれるかかりつけ医に巡り合うのはけっこう難しいのだが。
★3.5