一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

現実主義、含みの多い手

2012-03-26 | 乱読日記

『一刀斎、最後の戯言』からもうひとつ  

新しい制度がそれほどうまく行かぬことの原因のひとつには、制度を変えた人が、こちらのほうがいいと思いたがって無理しすぎることがあるのではないだろうか。ぼくはその点では現実主義者なので、制度を改革してよくなると期待しない方がよいと考えている。それでもこの時代、いままでの制度は変えたほうがよい。とくにいままでの制度にとりついている考えを変えたほうがよい。だから思想は過激に、しかし実行は穏健に、それが現実主義というもの。それは言行不一致でないか、などと怒るのは古い時代の考え。

制度を変えるとすぐによくなるはず、よくならなくてはならない、というのは企業でもそうですよね。
特に成果主義などと結びつくとそれが倍化されてしまいます。
場合によっては結果はさておき制度を変えたこと自体が成果だと評価されたりする本末転倒なことも起きたりします。  


現実的な変革の実行という点では溜池通信(2012年3月19日)が「含みの多い手」は示唆に富みます。

3月11日の三重の国難を迎えて以後の日本には、「改革」への希望も、指導者への信頼も存在しない。もちろん東北地方の復旧、復興は日本国民の一致した願いである。しかし、それを導くべき政治指導者たちは、ちょうど昭和10年代初頭のように、四部五裂化して小物化している。「国難」に直面すれば、必ず「明治維新」が起こり、「戦後改革」が起こるというのは、具体的な歴史分析を怠った、単なる楽観に過ぎない。(中略)

○だったらどうするかというと、1週間前にこの欄で紹介した羽生善治二冠の知恵しかないと思うんですよね。

●いい手を指すより、悪い手を指さないことが重要だ

●将来に出来るだけ多くの選択肢を残すことが大事。将棋でいう『含みの多い手』が望ましい。


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