一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『最強のふたり』

2013-04-14 | キネマ
パラグライダーの事故で首から下が麻痺してしまった富豪の男と、介護役として男に雇われた刑務所を出たばかりの黒人青年の交流と友情という実話がもとのドラマという、できすぎなくらいの素材なので、話題になればなるほどこれをどう料理するかが問われるという難しさがあります。

そのへん、フランス人の監督・脚本は、脇役の造形やサイドストーリー、それにアメリカ映画とか飛行機の機内上映だったらカットされるじゃないかという辛口のユーモアを交え、味わい深く仕上げています。

大富豪が現在の地位を築いた背景への説明はなく、しかもパリの町中でスーパーリッチな生活が営まれているというのも、この映画を自然にしているのに一役買っています。
これがアメリカ映画だと、なぜ大金持ちかの説明が必要だったり、世間と隔絶した生活を送っていたりしそうなので、どうしても不自然になりそうです。

善悪や好悪や強弱は相対的で流動的だということが徹底しているところが、見ていて気持ちいい小品だと思います。

PS
Earth Wind & Fireの曲が大事な役回りとして出てくるのも良しw




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