一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『墨攻』

2007-07-30 | キネマ

映画の原作となった漫画版(実はそのまた原作となった小説があるらしいのですがそれは未読)は「ビッグコミック」連載時に読んでました。

中国の戦国時代、主人公の墨者革離が大国趙から弱小国梁を守る攻城戦が舞台になってます。

同じ墨家の「虫部隊」、特にイナゴの大群を育てて敵国の農作物に壊滅的な打撃を与える「飛蝗」と対決するところが映画になったら迫力あるだろうなと思っていたのですが、映画では残念ながらなし。それは映画の部隊の梁城の攻防戦の後革離が今度は秦から守るために趙から招かれたときの話です。

原作に比べると主人公の革離役のアンディ・ラウがかっこよすぎなところを除けばスケールが大きい映画に仕上がってます。
さまざまな教訓や主張は織り込みつつも「勝ったのは百姓たち」にならないリアリズムが中国(香港)映画らしくていいですね。


最後に映画のサイトにあった「墨家十論」を引用。

兼愛:自分を愛するように他人を愛せ
非攻:侵略と併合は人類への犯罪
天志:天帝は侵略と併合を禁止する
明鬼:鬼神は善人に味方して犯罪者を処罰する
尚賢:能力主義で人材を登用せよ
尚同:指導者に従って価値基準を統一せよ
節用:贅沢を止めて国家財政を再建せよ
節葬:贅沢な葬儀を止めて富を蓄えよ
非楽:音楽に溺れず勤労と節約に励め
非命:宿命論を信ぜず勤勉に労働せよ

キリスト教より約400年前からこうですから、いつの世も人の性は同じ、ということでしょう。 







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