黒木亮氏の他の作品同様タイムリーな話題を綿密な取材をもとに小説にしています。
COP15をにらみながらの2007年から2009年初頭までを舞台にし、原油高やリーマンショックを背景に盛り込んでいて、タイムリーという点では随一かもしれません。
排出権取引の仕組みとそれをめぐる関係者の利害関係、認証の仕組みの問題点などが非常に分かりやすくまとまっています。
たとえば「日本一人負け」の京都議定書の枠組みからCOP15で米国と中国(両国で地球のCo2の40%を排出している)を巻き込んだ合意に達することが以下に難しいか、認証の仕組みからいずれは国連「中国政府に疑惑」…風力発電「排出権取引承認」を停止ということがおきるのではないか、というあたりも示唆されています
「週間金融財政事情」に連載されていたというのもわかります。
経済小説なので仕方ないのかもしれませんが、登場人物が分かりやすい人が多いというあたりが残念ですが、ビジネスを舞台にした場合、人間の行動はかなりの程度合理的になるので仕方のないことかもしれませんし、これ以上人物に深みを与えと、焦点がぼけてしまうかもしれません。
登場人物の情念に焦点を当てるのは、山崎豊子さんにまかせればいいという考えもありますね。
下手な解説書や雑誌の記事よりはわかりやすいし面白いですので、おすすめです。
PS
世界各地の描写があるのですが、著者はビール好きなのか、必ずビールについては銘柄と味への論評がはいるのがこれまた参考になります。
COP15をにらみながらの2007年から2009年初頭までを舞台にし、原油高やリーマンショックを背景に盛り込んでいて、タイムリーという点では随一かもしれません。
排出権取引の仕組みとそれをめぐる関係者の利害関係、認証の仕組みの問題点などが非常に分かりやすくまとまっています。
たとえば「日本一人負け」の京都議定書の枠組みからCOP15で米国と中国(両国で地球のCo2の40%を排出している)を巻き込んだ合意に達することが以下に難しいか、認証の仕組みからいずれは国連「中国政府に疑惑」…風力発電「排出権取引承認」を停止ということがおきるのではないか、というあたりも示唆されています
「週間金融財政事情」に連載されていたというのもわかります。
経済小説なので仕方ないのかもしれませんが、登場人物が分かりやすい人が多いというあたりが残念ですが、ビジネスを舞台にした場合、人間の行動はかなりの程度合理的になるので仕方のないことかもしれませんし、これ以上人物に深みを与えと、焦点がぼけてしまうかもしれません。
登場人物の情念に焦点を当てるのは、山崎豊子さんにまかせればいいという考えもありますね。
下手な解説書や雑誌の記事よりはわかりやすいし面白いですので、おすすめです。
PS
世界各地の描写があるのですが、著者はビール好きなのか、必ずビールについては銘柄と味への論評がはいるのがこれまた参考になります。
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