一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『64 ロクヨン』

2015-07-08 | 乱読日記
本のレビューもためてしまったので徐々に。

これは言わずと知れた横山秀夫の警察小説。「このミス」2013年1位の作品。

横山秀夫は書店の平積みに誘われてたまに買うのだが、常に非常に面白い。
ただ、現場の刑事をリアルに描きすぎて全般的にトーンが暗いという印象がある。

本作も冒頭から広報に異動になった元刑事のルサンチマンと諦念が語られるので、けっこうきついなぁ、と思った。

上巻はマスコミとの関係をめぐる広報と刑事部の確執の話が続く。
これは組織論、組織における中間管理職の身の処し方についての小説としてよくできていると妙に感心しつつ読み進む。

そして、下巻の中ごろになってミステリ・警察小説の本性が一気に牙をむく。
そこからラストまでは一気。
ここに至って、今までに様々な伏線が張り巡らされたいることにようやく気付くもすでに後の祭り。

圧巻。



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