これもisolog経由だったと思うのですが良書。
タイトルは好き嫌いがあるかも知れませんが、内容はいたって真っ当です。
企業の財務分析でB/S、P/L、キャッシュフロー計算書の見方や経営指標の解説をした本は沢山あるのですが、それをどうやって作るか、ということを実践的に説明してくれています。
中小企業経営者向けに書かれた本ですが、それ以外の人にも大いに参考になります。 キャッシュフローの増やし方だけではなく、銀行融資との付き合い方(「借入金と資金繰りを勘違いしちゃいけません」)、銀行の審査を通りやすくするにはどうするか(役員借入金を資本金に振替え(かっこいい言いかたをすれば"Debt Equity Swap")て自己資本比率を上げるなどという小技まで)、保証協会の使い方、資金繰りに困ったときのリスケの方法まで、とても実戦的で分かりやすく書いてあるので勉強になります。
しかも、裏技自慢でなく、会社の経営体質を改善するためにどうすればいいかという筋がきちんと通っているので、すっと読めます。
著者は中小企業向けの税務会計サービスやコンサルティングをやっている人なので、さらにギリギリの裏技なども知っているのでしょうが、そっちに走らなかったことが本書を良書にしています。
一箇所こんなフレーズがあります
連帯保証を組んでいて自宅が担保に入っていなかったとしても、ちょっとした手続き一つで自宅は競売物件行きなので、結局、担保提供も連帯保証もあんまり違わない。だけど万が一そういった場面に遭遇しても、銀行対策とか裁判所対策というのはいくらでも考えられる。知識や知恵って最低限の生活を守るために使うこともできるんです。
ここまでにならないために、本書は役に立つと思います。
そして、こうなったときどうする、というのは、本とかネットの情報を鵜呑みにせずに、真っ当な専門家に聞いたほうがいいですね。
(「その筋の専門家」については、特にコミックの世界ではいろいろ取り上げられていますが、あくまでも読み物としてだけお付き合いしたほうがいいかと)
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