週一のスネの注射のため 母の施設はたびたび訪れますが 以前からずっと
撮っておかねばと思いつつ忘れて 家へ帰ってから 思い出すことがありました。
それは母の着るチョッキに 施設の職員が レース編みでポケットを付けてくれ
母は気に入って チョッキ自体がずいぶんくたびれましたが 毎日着ております。


施設では 入所者が朝 自室のタンスを開け その日に着る物を自分で選んで
コーディネート! するわけです。
毎日同じ服を着る母に 職員が別の服を勧めても いっときは着ますが いつの
間にやら このチョッキを引っぱり出し 着ているといいます。
元々ポケットなしのチョッキでしたが 母のポケット好きを知り 女子職員の1人が
家で編み チョッキに付けてくれ 中にはいつも ガーゼのハンカチを入れる母です。
こういう職場の職員は 9時から5時までの仕事ではなく 泊りの日もあるわけで
そんな しんどいローテーションの中 貴重な自分の時間を裂いて 母のために
編んでくれたと思うと 娘としては 涙が出るほど嬉しいものです。
食べこぼしで ポケットがすでに汚れており もっと早めに撮るべきでした。
年に2回の 家へ帰って泊っても 翌朝には
「 家へ帰らにゃ いかん 黙って出てきたき 皆んなぁが 心配しゆう 」
必ずこう言い 施設へ送ると ほっとした顔を見せる母は 幸せ者です。
チョッキ好きの母に シマムラで何枚か買いましたが ポケット付は滅多にないため
そろそろ寿命の お気に入りにさよならするとき ポケットだけは外し 他のチョッキに
なんとかして 縫い付けてみようと 編み物が出来ない娘は 考え中です。


一重の芙蓉が お昼前には 花の裏から うっすら紅が差していますが この種類は
夕方になっても真っ赤にはならず ほろ酔いの色で その日を終えます。