いったん座ったり 寝転んだりすると つぎに起きて何かしようという気に
ならず 起きたくない 立ちたくない 動きたくないのです。
体に鉛が入ったように重く TV前のソファへ寝転んだあと 耳かきを持って
くればよかったと思います。その耳かきが3-4㍍先に見えていても 動かずに
じっと時を待ちます。
老人夫婦二人住まいですから 待った時とは夫が動いた時になり トド妻は
立った者に言います。
耳かきと孫の手を持ってきて それと台のハズキルーペもね てな具合です。
ちょうどの絵がありましたので拝借しました。
立っている者は親でも使え という昔からの言い伝えを 最近はたびたび実践し
いったん腰を下ろすと もう根が生えたように動かん という困った日々です。
今は歳もかさね 若い頃のように動けませんが 母が家にいた12-3年前も同じく
休日にごろつくと そんな生き方が気にいらん母に たびたび怒られました。
母の言い分は 疲れたら布団で休みなさい TV前で終日だらしなくごろつくは
人間が堕落している とのことです。
起きている間は 何らかの仕事をしていた母から見ると なまけ者に育った娘
が情けなかったと思います。 ごめんね母ちゃん 今なお治っていません。
寝転びつつ読んだ 谷川俊太郎氏の詩は すうっと心に沁みます。
詩人谷川俊太郎氏87歳。歳を重ねた今も 次々と瑞々しい言葉をつむぎます。
そうですか3回結婚したのね。最初の妻は岸田衿子氏 3番目はあの佐野洋子氏
でしたか。
こんな人はごろ寝などせず 87年の歳月をむだなく 時間を大切に生きてきた
でしょうと思いつつ トドはいつの間にやら また眠っていました。