褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 ウェールズの山(1995) 山を作る話です

2013年02月06日 | 映画(あ行)
 最近ロンドンオリンピックが行われたが、開催国は当然ながらイギリス。しかし、オリンピック大会では選手たちがイギリス代表という扱いだが、他のスポーツの大会においてはサッカーW杯ならばイングランド代表、スコットランド代表、ウェールズ代表と区別される。他のもゴルフの四大大会を観ていると、イングランドの選手、スコットランドの選手、北アイルランドの選手といった表記がされていて、イギリスの選手という表記はされていない。
 ロンドンオリンピックにおいても、サッカーにおいてスコットランドの選手の中にイギリス代表として出場するのを拒んだように、イギリスを構成するイギリスのカントリー(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)と呼ばれるそれぞれの地域においては、文化、政治、法律、教育、言葉などそれぞれが異なったりする。
 ちなみにイギリスの首都であるロンドンはイングランド。そういうこともあってか歴史的経緯によりイギリスの中でもイングランドは他の三つのカントリー(スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)に対して優越感を持っている。

 そんなイングランドに対して、ウェールズ人の誇りを見せてくれる映画が今回紹介するウェールズの山。日本人にとってウェールズと言っても、特別に印象に残ることが無いだろうし、実際に僕もサッカー選手でマンチェスター・ユナイテッドFC(香川真司も所属しています)に所属しているドリブルが凄いライアン・ギグス選手のイメージしかなかった。
 
 しかし、今回紹介するウェールズの山を観ると、ウェールズ人の純粋さ、誇りに感動し、ちょっとウェールズの歴史についてお勉強した気分になれる映画。そして地図帳から自分の住んでいる所の地名が消えることが、どれだけ悲しいことで、誇りを傷つけられることかを教えてくれる映画だ。
 さて、そんなウェールズ人たちが愚直なまでに守ろうとする誇りとは一体何なのか?

 第一次世界大戦中の1917年にウェールズの小さな村に、イングランドから2人の測量士がやって来る。彼らの目的は、その地にある『フュノン・ガルウ』とその村の人々から呼ばれる山の高さを測量すること。ウェールズの人々にとっては敵からの侵略を防いでくれた神聖な山だ。
 しかし、測量士たちがフュノン・ガルウの高さを測ったところ300m足らず。実は山として認められるためには305mの高さが必要なのだ。
 このままではフュノン・ガルウが山ではなく丘として扱われ、ウェールズ人たちの誇りであるフュノン・ガルウが地図帳にも載らないことになってしまう。早々にこの村を去りたがっていたイングランド人の測量士達を、あの手この手で引き止め、そして村人たちは老若男女が一斉に協力して丘を山にするべく、ひたすら土をフュノン・ガルウの頂上に運びまくるのだが・・・

 山として認定してもらうのに5mほど足りないんだったら、ちょっと余裕をみて8mぐらいの棒でも頂上に突っ立てときゃ良いじゃん、なんて思ったりしたが、どうやら事はそんな単純ではないようだ。盛り土をして高くしようとするぐらい簡単だと思いきや、実は大変な作業。大量の土を運ぶだけでなく、土台から作り、しかも雨が降ってきたり。しかし、誇り高きウェールズ人は決して諦めない。
観ている我々はウェールズ人の行動に対して、どのような感想を持つのか?そんなに頑張らなくても良いんじゃないのと感じるのか、ウェールズの人々の純粋な行動に感動するのか?

 この話は実話がベース。ちなみに原題はThe Englishman Who Went Up a Hill But Came Down a Mountain(丘を登り、山を降りたイングランド人)。なかなか上手い題名だと思います。とても美しい景色、純粋な人間たちによって、汚れた心が洗われた気分になるウェールズの山は、ぜひ観てください

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 ちなみに測量士の役でヒュー・グラントが出演しています。見た目からして、いかにも英国の貴公子らしい気品があり、ラブコメの帝王と呼ばれる二枚目俳優。本作でもその帝王ぶりを遺憾なく発揮してくれます。
 ブリジットジョーンズの日記ノッティングヒルの恋人ラブ・アクチュアリー等で有名で、これらの作品は恋愛映画としてもお勧めです。

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コメント (2)
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