宇宙人と人類のコンタクトを描いているSF映画が今回紹介するメッセージ。本作における宇宙人と人類のやりとりを見ていると、地球上でも起きていることが示唆されているような気がする。文化、伝統、民族、言語の違いが地球上では争いのネタになっているが、ただ『う~』とだけ響くような音を発するような宇宙人の言語を理解しようとする難しさが本作から多いに伝わってくる。そして言葉が理解できなかったり、相手の言語の特徴がわからなかったりしてお互いの意思が疎通できない時、一発触発の戦争の危機に陥るわけだ。今や世界がグローバル社会からナショナリズムの社会に向かいつつあるが、そういう意味でメッセージは現代的なテーマを描いている。
しかし、確かに宇宙人が地球にやってきた理由を調べる過程も面白いが、それ以上に興味が惹かれるのが女性主人公が普通の人間では到達できない心境に達してしまうところ。実はこの映画はアメリカ本国でのタイトルはメッセージではなくてArrival(到達、到着の意味)。確かに宇宙人から人類に警鐘をならすメッセージも非常に重要だが、そんなことよりも女性主人公が知りたくもないような有難迷惑な心境に達してしまうことに驚きと感動を覚える。
さて、SF映画として観るよりも人間ドラマとして観る方が深く感動できるストーリーの紹介を。
ある日のこと、世界各地に十二機の巨大な宇宙船が現れる。これらの宇宙船が地球にやって来た理由を探るためにアメリカ政府から女性言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)と物理学者であるイアン(ジェレミー・レナー)が応援を要請される。
彼らは宇宙船の中に入っていき、宇宙に乗っている異星人に恐々として会いに行くが、なんと目の前に煙のようなものの中から現れたのはひょっこりはん、と言うのは冗談。今まで見たことのない七本足のタコ状の異星人が二体現れる。
彼らが地球にやって来た目的を知るために、タコ足星人の言語を理解しようとするのだが地球上の言葉とは色々と異なる点があり、もう一つ理解できない。しかも、ルイーズは結婚もしていないのに、まだ見たことのないはずの我が娘に起こる恐ろしい出来事がフラッシュバックのように脳裏を駆け巡ることに悩まされるようになり、研究がなかなか進まない。
そして、そうこうしているうちにタコ星人を敵と見なした各国(中国を筆頭にロシア、スーダン)の軍事リーダーが軍事行動の準備に入り、アメリカ政府も同調して軍事準備を進めることになってしまうのだが・・・
この宇宙船は何のために地球にやって来たのか?そもそもこのタコ足星人は侵略者なのか、味方なのか?そんな謎と恐怖を感じながら我々は観るわけだ。しかし、この映画は冒頭から伏線を張りまくり、観ている者をミスリードに導くような演出もなされていて、サスペンス映画を観ているような気分になる。凝ったストーリー構成の巧みさと、伏線を回収していく作業がクライマックスで大いに効いてくるのだ。タコ足星人が墨汁のようなものを噴射して描き出す文字がなぜ円形状なのかを考えれば面白いし、表面的な言語のやり取りだけでは相互理解が難しいことがよく理解できる。
そして、現在の自分に置かれた状況に絶望してしまっている人がいるが、この世の中には更に将来にたいしても希望が持てない人がいる。そりゃ~、そうだ。アメリカは民主党から共和党の大統領に変わっても、色々と問題がドンドン山積みのように増えていくし、どんな経済政策を打ち出しても格差社会は拡がったまま。日本だってそうだ、政権が代わり総理大臣が変わって五年が経っても、懸念されている外交問題は何にも解決していないし、経済も株価が上がっただけで中小企業なんかは生き残りに必死。もしかしたら経済格差はさらに拡がったんではないか?アメリカや日本だけでなく世界中がそうだ。米ソ冷戦時代が終わり、これでもう戦争が起きる心配が無くなったと思ったら今では中国の軍事的膨張、テロリストの多発など、世界的に希望のある未来への見通しが立たないどころか、不安さえ感じる。
しかし、そんな未来に対して希望の持てない人に本作は癒しを与えてくれる。進んでも地獄、退いても地獄そんな時にどのような判断を下せばいいのか?そのことは本作で具体的にラストで述べられているし、女性主人公が降す覚悟の選択に大いに感動できるのだ。まあ、男性の俺にはあのような選択は無理だな。それにしてもこの映画は本当に色々なテーマを内包している。異文化交流、コミニュケーション、言語学、時間、家族愛・・・等。
そして主演女優のエイミー・アダムスや他の俳優も演技が安定しているし、音楽がまた良い。そして、程よく脳みそを使わせる展開も良い。もしかしたら既に観た人の中には、つまらなく感じる人もいたと思うが、そんな人でも再度観ることにチャレンジしたら本作の凄さに色々と気づけるはず。
今まで俺が観てきた映画の中でも名作に入るぐらいの傑作、多くの人にお勧めとして今回は映画メッセージを挙げておこう
これが原作本です
監督はあのカルト的ファンを持つブレードランナーの続編であるブレードランナー 2049に抜擢されたカナダの俊英ドゥニ・ヴィルヌーヴ。彼のお勧めはびっくりな結末が見られる灼熱の魂、父の日に見せたくなるプリズナーズ、なんだか微妙なラストシーンに思わせる複製された男、麻薬王と捜査官の戦いを描いたボーダーライン。今のところ俺が観た映画の中では外れ作品がない。今後も注目の監督です。
しかし、確かに宇宙人が地球にやってきた理由を調べる過程も面白いが、それ以上に興味が惹かれるのが女性主人公が普通の人間では到達できない心境に達してしまうところ。実はこの映画はアメリカ本国でのタイトルはメッセージではなくてArrival(到達、到着の意味)。確かに宇宙人から人類に警鐘をならすメッセージも非常に重要だが、そんなことよりも女性主人公が知りたくもないような有難迷惑な心境に達してしまうことに驚きと感動を覚える。
さて、SF映画として観るよりも人間ドラマとして観る方が深く感動できるストーリーの紹介を。
ある日のこと、世界各地に十二機の巨大な宇宙船が現れる。これらの宇宙船が地球にやって来た理由を探るためにアメリカ政府から女性言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)と物理学者であるイアン(ジェレミー・レナー)が応援を要請される。
彼らは宇宙船の中に入っていき、宇宙に乗っている異星人に恐々として会いに行くが、なんと目の前に煙のようなものの中から現れたのはひょっこりはん、と言うのは冗談。今まで見たことのない七本足のタコ状の異星人が二体現れる。
彼らが地球にやって来た目的を知るために、タコ足星人の言語を理解しようとするのだが地球上の言葉とは色々と異なる点があり、もう一つ理解できない。しかも、ルイーズは結婚もしていないのに、まだ見たことのないはずの我が娘に起こる恐ろしい出来事がフラッシュバックのように脳裏を駆け巡ることに悩まされるようになり、研究がなかなか進まない。
そして、そうこうしているうちにタコ星人を敵と見なした各国(中国を筆頭にロシア、スーダン)の軍事リーダーが軍事行動の準備に入り、アメリカ政府も同調して軍事準備を進めることになってしまうのだが・・・

この宇宙船は何のために地球にやって来たのか?そもそもこのタコ足星人は侵略者なのか、味方なのか?そんな謎と恐怖を感じながら我々は観るわけだ。しかし、この映画は冒頭から伏線を張りまくり、観ている者をミスリードに導くような演出もなされていて、サスペンス映画を観ているような気分になる。凝ったストーリー構成の巧みさと、伏線を回収していく作業がクライマックスで大いに効いてくるのだ。タコ足星人が墨汁のようなものを噴射して描き出す文字がなぜ円形状なのかを考えれば面白いし、表面的な言語のやり取りだけでは相互理解が難しいことがよく理解できる。
そして、現在の自分に置かれた状況に絶望してしまっている人がいるが、この世の中には更に将来にたいしても希望が持てない人がいる。そりゃ~、そうだ。アメリカは民主党から共和党の大統領に変わっても、色々と問題がドンドン山積みのように増えていくし、どんな経済政策を打ち出しても格差社会は拡がったまま。日本だってそうだ、政権が代わり総理大臣が変わって五年が経っても、懸念されている外交問題は何にも解決していないし、経済も株価が上がっただけで中小企業なんかは生き残りに必死。もしかしたら経済格差はさらに拡がったんではないか?アメリカや日本だけでなく世界中がそうだ。米ソ冷戦時代が終わり、これでもう戦争が起きる心配が無くなったと思ったら今では中国の軍事的膨張、テロリストの多発など、世界的に希望のある未来への見通しが立たないどころか、不安さえ感じる。
しかし、そんな未来に対して希望の持てない人に本作は癒しを与えてくれる。進んでも地獄、退いても地獄そんな時にどのような判断を下せばいいのか?そのことは本作で具体的にラストで述べられているし、女性主人公が降す覚悟の選択に大いに感動できるのだ。まあ、男性の俺にはあのような選択は無理だな。それにしてもこの映画は本当に色々なテーマを内包している。異文化交流、コミニュケーション、言語学、時間、家族愛・・・等。
そして主演女優のエイミー・アダムスや他の俳優も演技が安定しているし、音楽がまた良い。そして、程よく脳みそを使わせる展開も良い。もしかしたら既に観た人の中には、つまらなく感じる人もいたと思うが、そんな人でも再度観ることにチャレンジしたら本作の凄さに色々と気づけるはず。
今まで俺が観てきた映画の中でも名作に入るぐらいの傑作、多くの人にお勧めとして今回は映画メッセージを挙げておこう

![]() | メッセージ [DVD] |
エイミー・アダムス,ジェレミー・レナー,フォレスト・ウィテカー | |
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント |
これが原作本です

![]() | あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF) |
公手成幸,浅倉久志,古沢嘉通,嶋田洋一 | |
早川書房 |
監督はあのカルト的ファンを持つブレードランナーの続編であるブレードランナー 2049に抜擢されたカナダの俊英ドゥニ・ヴィルヌーヴ。彼のお勧めはびっくりな結末が見られる灼熱の魂、父の日に見せたくなるプリズナーズ、なんだか微妙なラストシーンに思わせる複製された男、麻薬王と捜査官の戦いを描いたボーダーライン。今のところ俺が観た映画の中では外れ作品がない。今後も注目の監督です。