イタリアのローマと言えば、日本人もそうだが世界中の人が観光旅行に行きたがる憧れの都市。あの名作中の名作である映画ローマの休日を観て、ローマに行きたいと思った人は多いはずだ。ところがイタリア人の超有名監督がローマを描くと、そこには我々のイメージをぶっ壊すようなローマが現れる。退廃的、堕落しきったローマが描かれているのが今回紹介する映画甘い生活。
冒頭からローマの上空をキリスト像を吊るしたヘリコプターが飛んでいたり、主人公のイタリア男は彼女が居るのにも関わらず、セレブの美女をナンパ、ハリウッドからやってき美人女優とはトレビの泉で戯れて水遊びをしているし、上流階級は乱痴気パーティー。反カトリックやモラル崩壊を感じさせ、ローマに住む人の心の闇をえぐり取ったスキャンダラスな内容は、戦後のイタリア映画に現れたイタリアネオリアリズモ的な作品に終止符を打っただけでなく、世界中にも衝撃を与えた。
さて、それでもやっぱりローマへ行ってみたいと思わせるストーリーの紹介を
作家を夢見てローマにやって来たマルチェロ(マルチェロ・マストロヤン二)だったが、すっかりゴシップ記者に成り下がり、セレブな有名人が現れる高級クラブやカフェでシャッターチャンスを狙っている。しかも恋人のエマ(イヴォンヌ・フルノー)と一緒に住んでいるのに、セレブの美女マダレーナ(アヌーク・エーメ)をナンパするだけでなく、ハリウッドからやって来た美人女優シルビア(アニタ・エグバーグ)もナンパしてトレビの泉の中に入って遊んでいたりした。しかしながら彼の心はどこか満たされない。
ある日のこと、マルチェロはエマを連れて、古い友人のスタイナー(アラン・キュニー)の自宅に行く。スタイナーは頭も良く、妻と子供二人で幸せそうに暮らしているのを見て、マルチェロは少しの安らぎを得て、自分も将来はスタイナーみたいに幸せに暮らそうと思うようになる。
それでも、相変わらずマルチェロの女遊びは止まらず、上流階級の人の中に入り込み遊びまくる。しかし、ある日のことスタイナーが子供二人を道連れに無理心中おこしてしまう。そのことにショックを受けてしまったマルチェロは・・・
伊達男のマルチェロ・マストロヤンニが彼女が居りながらナンパしまくるのが印象的。特にセレブな美女を口説きまくる様子は見ていて、羨ましいとは思うが、やっぱり俺には真実の愛が欲しい。そして、我々が憧れていたローマの退廃、堕落にショックを受ける。本作で描かれるローマからは、あの隆盛を極めていた頃の、ローマ帝国のプライドなんか何も感じられない。
すっかりローマによって心身ともに疲れ切ったマルチェロが最後に見ることになる、浜辺に打ち上げらた怪魚は何を意味するのか?きっとそれは今の自分を象徴しているのだろう。それにしてもこれほど観終わった後に空虚な気分になる映画は珍しいが、これからは競馬や風俗にお金を使うのは控えようと思った。
三時間もある長時間映画に耐えられる人、これからローマに行きたいと思っている人、人生の厳しさを知りたい人、フェデリコ・フェリーニ監督と聞いて心が躍る人、ヨーロッパの名作映画を観たい人・・・等に今回は映画甘い生活をお勧めとして挙げておこう。
監督は前述したようにイタリアと言うよりも世界の巨匠フェデリコ・フェリーニ。彼の作品は今回紹介した甘い生活から作風が変わってしまいますが、個人的にはそれ以前の作品が好き。永遠の聖女とでも言うべきジェルソミーナの純真な心に感動する道、人生の崖っぷちに追い込まれている詐欺師の姿を描く崖、騙されても騙されても決して希望を失わずに生きようとするカビリアの夜がお勧めです。
冒頭からローマの上空をキリスト像を吊るしたヘリコプターが飛んでいたり、主人公のイタリア男は彼女が居るのにも関わらず、セレブの美女をナンパ、ハリウッドからやってき美人女優とはトレビの泉で戯れて水遊びをしているし、上流階級は乱痴気パーティー。反カトリックやモラル崩壊を感じさせ、ローマに住む人の心の闇をえぐり取ったスキャンダラスな内容は、戦後のイタリア映画に現れたイタリアネオリアリズモ的な作品に終止符を打っただけでなく、世界中にも衝撃を与えた。
さて、それでもやっぱりローマへ行ってみたいと思わせるストーリーの紹介を
作家を夢見てローマにやって来たマルチェロ(マルチェロ・マストロヤン二)だったが、すっかりゴシップ記者に成り下がり、セレブな有名人が現れる高級クラブやカフェでシャッターチャンスを狙っている。しかも恋人のエマ(イヴォンヌ・フルノー)と一緒に住んでいるのに、セレブの美女マダレーナ(アヌーク・エーメ)をナンパするだけでなく、ハリウッドからやって来た美人女優シルビア(アニタ・エグバーグ)もナンパしてトレビの泉の中に入って遊んでいたりした。しかしながら彼の心はどこか満たされない。
ある日のこと、マルチェロはエマを連れて、古い友人のスタイナー(アラン・キュニー)の自宅に行く。スタイナーは頭も良く、妻と子供二人で幸せそうに暮らしているのを見て、マルチェロは少しの安らぎを得て、自分も将来はスタイナーみたいに幸せに暮らそうと思うようになる。
それでも、相変わらずマルチェロの女遊びは止まらず、上流階級の人の中に入り込み遊びまくる。しかし、ある日のことスタイナーが子供二人を道連れに無理心中おこしてしまう。そのことにショックを受けてしまったマルチェロは・・・
伊達男のマルチェロ・マストロヤンニが彼女が居りながらナンパしまくるのが印象的。特にセレブな美女を口説きまくる様子は見ていて、羨ましいとは思うが、やっぱり俺には真実の愛が欲しい。そして、我々が憧れていたローマの退廃、堕落にショックを受ける。本作で描かれるローマからは、あの隆盛を極めていた頃の、ローマ帝国のプライドなんか何も感じられない。
すっかりローマによって心身ともに疲れ切ったマルチェロが最後に見ることになる、浜辺に打ち上げらた怪魚は何を意味するのか?きっとそれは今の自分を象徴しているのだろう。それにしてもこれほど観終わった後に空虚な気分になる映画は珍しいが、これからは競馬や風俗にお金を使うのは控えようと思った。
三時間もある長時間映画に耐えられる人、これからローマに行きたいと思っている人、人生の厳しさを知りたい人、フェデリコ・フェリーニ監督と聞いて心が躍る人、ヨーロッパの名作映画を観たい人・・・等に今回は映画甘い生活をお勧めとして挙げておこう。
甘い生活 デジタルリマスター版 [DVD] | |
マルチェロ・マストロヤンニ,アニタ・エクバーグ,アヌーク・エーメ,イヴォンヌ・フュルー | |
アイ・ヴィ・シー |
監督は前述したようにイタリアと言うよりも世界の巨匠フェデリコ・フェリーニ。彼の作品は今回紹介した甘い生活から作風が変わってしまいますが、個人的にはそれ以前の作品が好き。永遠の聖女とでも言うべきジェルソミーナの純真な心に感動する道、人生の崖っぷちに追い込まれている詐欺師の姿を描く崖、騙されても騙されても決して希望を失わずに生きようとするカビリアの夜がお勧めです。