褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 インファナル・アフェア(2002)2人の男の葛藤が描かれています

2018年08月08日 | 映画(あ行)
 巨匠マーティン・スコセッシ監督がリメイクしたように抜群に面白い映画が今回紹介するインファナル・アフェア。香港アクション映画であり原題は無間道。この原題の意味するところは、仏教用語でいう無間地獄のこと。つまり、一度入ると抜け出せない、絶え間なく続く苦しみを指す。この原題の意味を知って本作を観れば、主人公である格好いい2人の男が善と悪の狭間で葛藤する様子に切なさが込みあがってくるはずだ。
 潜入捜査官としてマフィアの組織に入り込み、ボスから厚い信頼を得るまでになるトニー・レオン、そのマフィアの組織から警察に入り込み内部調査課の課長まで上り詰めたアンディ・ラウ。相対する境遇の2人の男。2人とも何かと優秀であるために違う世界でも出世してしまうが、それが地獄の苦しみの始まりだ。
 警察であるのに警察から追われるという矛盾に苦しみ、それ以上にいつ正体がバレてしまうかという不安から精神病院通いをする羽目になり、もう一方はマフィアの手先ながら刑事として過ごしていくうちに何時しか善人になりたいと願う気持ちが芽生えてくる。そんな2人に果たして未来はあるのか?やがて彼らは導かれるように宿命の対決を迎えるのだが。

 早速だが自らの正体を偽って生きていくことの辛さを思い知らされるストーリーの紹介を
 マフィアに拾ってもらった青年ラウ(アンディ・ラウ)は組織の親分であるサム(エリック・ツァン)によって警察学校に送り込まれる。また警察学校でその優秀さをウォン警視(アンソニー・ウォン)から認められた青年ヤン(トニー・レオン)は警察学校を退学処分になるが、それはもちろん建前。実はサムのマフィア組織へ潜入捜査官として送り込まれたのだ。それから10年後、ラウは内部調査課の課長にまで昇進し、ヤンは親分サムの厚い信頼を得ることに成功していた。
 ある日のこと、ウォン警視はヤンから麻薬の密売が行われるとの情報を得る。警察側は密売現場を押さえようとするが、警察の情報はラウによってマフィア側に筒抜けになってしまう。マフィアの組織にしてみれば麻薬の密売に失敗、警察にすれば現場を押さえることができずに検挙に失敗。そのことによりお互いの組織にスパイがいることが判明。両者がスパイ探しをしていく内に警察とマフィアの争いもエスカレート。お互いにおびただしい犠牲者が出るが、それはラウとヤンの宿命の対決が近づくことを意味するのだが・・・

 いつ正体がバレるかのドキドキ感が非常に心地いい。香港映画といえばカンフー、銃撃戦のような見た目から派手な展開で楽しませることが多いが、本作は心理戦で楽しませる。それでいてインパクトのある死人も出てきたり、意表をついた展開もあったりで、香港映画にしては脚本がしっかりしているように感じた。
 しかし、本作を観ていて思うのは悪人が善人になろうとしても決してなり切れないこと。俺には本作の結末は、それは無いんじゃないの~!?なんて思えたが、これからも自分の正体をバレずに一生を過ごさないといけないことを考えると、まさに無間地獄。本作は三部作なのでその後の展開が楽しみだ。
 主役の2人は格好良くてアジアのスターと呼ばれることはあるし、個性的な脇役陣も良い。それに待ち合わせ場所がどうしてスターバックスじゃなくて、ビルの屋上なんだ?なんて疑問も湧いたが、考えてみれば誰も目に触れない場所といえば、なるほど屋上がうってつけだと妙に感心してしまった。
 ド派手なドンパチなんか無くても、スリルを味わえる映画なんか充分に作れる見本のような映画。ガラス、エレベーター、文字、携帯電話といった道具が巧みに使われているのも演出の妙を感じることができてポイントが高い。いつも当ブログでは小難しい映画ばかり紹介しているような気がするが、今回は誰が観ても面白い映画としてインファナル・アフェアをお勧め映画として紹介しておこう。

インファナル・アフェア [DVD]
トニー・レオン,アンディ・ラウ
ポニーキャニオン




 


 

 
 

 

 


 

 


 

 


 

 

 


 
 
 


 

 


 

 



 

 

 

 

 

 
 



 

 
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