もう昨年の事になるがノーベル文学賞を受賞したのはカズオ・イシグロ。その受賞者の名前を聞いて、日本人が受賞したのかと思った人が日本列島には多くいた?ようだが、実際は日系イギリス人。しかしながら、日本で生まれて、幼少期は日本で育ったのだから、日本と決して無関係ではない。そんな彼がイギリス文学の最高の栄誉とされるブッカー賞を受賞したのが日の名残り。今回紹介するのは同名タイトルの原作の映画化作品ということになる。
貴族社会の雰囲気が漂い、俺も住みたいと思わせる豪華な屋敷、俺が欲しいと思わせる食器の数々、多くの使用人の中には可愛い子がいたり、俺もこの屋敷の主になってバラダ(僕の本名じゃないよ)さんなんて呼ばれずに、バラダ卿と貴族風によばれたいものだと思わせる。
しかし、本作の独壇場を飾るのは名優アンソニー・ホプキンスが演じる屋敷の持ち主に仕える執事。この執事の仕事っぷりのストイックな姿勢が本当に素晴らしい。決して情に流されることなく、職務に邁進する姿勢はまさにプロフェッショナルそのもの。俺も仕事中は可愛い女の子の方ばかり見ていないで、もっと仕事に集中しようと思った。
しかしながら何かとストイックな姿勢振りは、時に後悔を呼び起こすこともある。それではストーリーの紹介を簡単に。
1958年のオックスフォードの大豪邸のダーリントンホールは前の持ち主のダーリン卿(ジェームズ・フォックス)から アメリカ人のかつては議員だったが今は引退している大富豪のアメリカ人のルイス(クリストファー・リーヴ)の所有になっていた。二人に仕えてきた執事のジェームズ・スティーヴンス(アンソニー・ホプキンス)だったが、かつての使用人はすっかち減ってしまい、スティーヴンス執事の力では手に負えない状況になっていた。
ある日のこと、かつて使用人として優秀で自らを助けてくれたベン夫人(エマ・ワトソン)から手紙がくる。その手紙の内容から彼女を再び使用人として向けえることが出来ると思い、また別の想いを胸に彼女と待ち合わせの場所へ向かうのだが・・・
実は映画は回想部分が殆ど。まだ前の主でありダーリン卿に執事として仕えていた時代のシーンが多くある。確かに色々と印象的なシーンがあるがジェームズが父親のウィリアム・スティーヴンス(ピーター・ヴォーン)使用人に雇うが、重大な国際会議でへまをしそうに思ったら、容赦なく格下げ。そして父親のウィリアムが仕事中に倒れて亡くなっても、彼は仕事をこなすことが第一だとお客さんを世話することを優先する。
恋愛に臆病なジェームズだが、ひそかにミス・ケントン(結婚後はミス・ベン)(エマ・ワトソン)に恋する気持ちがあり、ミス・ケントンも彼に恋をしていたのだが、とにかく情にながされないジェームズはいかなる時でも恋をしてしまうと仕事に差し障りがあるとばかりに、ひたすら仕事に打ち込む。
そして使える主人のダーリン卿がナチス擁護する立場に少し違和感があるようだが、それでも彼はダーリントン卿の人間性を否定することはせずに、一生懸命に彼のために仕事をする。ストイックな仕事ぶりはまさにプロフェッショナル。
仕事よりも遊びが好きな俺も少しぐらいはアンソニー・ホプキンス演じる執事を見習わないといけないと反省した。
しかしながら、そのストイックさはやがて悲哀へと導いてしまう。時代の変遷、残酷な時の流れ、時代と言うものをなかなか読めないが、そこに対応できなかった者の悲劇を感じさせられた。
カズオ・イシグロと聞いて興味が惹かれた人、ストイックに仕事をする男って恰好良いと思っている人、中年の大人の恋愛映画を観たい人、イギリスらしい上品で洗練された映画を観たい人・・・等などにお勧めです。
監督はイギリス人監督のジェームズ・アイヴォリー。英国社会を風刺的に描き、なかなか洗練された作品を撮るイメージがあります。お勧めはハワーズ・エンド、眺めのいい部屋が良いです。
貴族社会の雰囲気が漂い、俺も住みたいと思わせる豪華な屋敷、俺が欲しいと思わせる食器の数々、多くの使用人の中には可愛い子がいたり、俺もこの屋敷の主になってバラダ(僕の本名じゃないよ)さんなんて呼ばれずに、バラダ卿と貴族風によばれたいものだと思わせる。
しかし、本作の独壇場を飾るのは名優アンソニー・ホプキンスが演じる屋敷の持ち主に仕える執事。この執事の仕事っぷりのストイックな姿勢が本当に素晴らしい。決して情に流されることなく、職務に邁進する姿勢はまさにプロフェッショナルそのもの。俺も仕事中は可愛い女の子の方ばかり見ていないで、もっと仕事に集中しようと思った。
しかしながら何かとストイックな姿勢振りは、時に後悔を呼び起こすこともある。それではストーリーの紹介を簡単に。
1958年のオックスフォードの大豪邸のダーリントンホールは前の持ち主のダーリン卿(ジェームズ・フォックス)から アメリカ人のかつては議員だったが今は引退している大富豪のアメリカ人のルイス(クリストファー・リーヴ)の所有になっていた。二人に仕えてきた執事のジェームズ・スティーヴンス(アンソニー・ホプキンス)だったが、かつての使用人はすっかち減ってしまい、スティーヴンス執事の力では手に負えない状況になっていた。
ある日のこと、かつて使用人として優秀で自らを助けてくれたベン夫人(エマ・ワトソン)から手紙がくる。その手紙の内容から彼女を再び使用人として向けえることが出来ると思い、また別の想いを胸に彼女と待ち合わせの場所へ向かうのだが・・・
実は映画は回想部分が殆ど。まだ前の主でありダーリン卿に執事として仕えていた時代のシーンが多くある。確かに色々と印象的なシーンがあるがジェームズが父親のウィリアム・スティーヴンス(ピーター・ヴォーン)使用人に雇うが、重大な国際会議でへまをしそうに思ったら、容赦なく格下げ。そして父親のウィリアムが仕事中に倒れて亡くなっても、彼は仕事をこなすことが第一だとお客さんを世話することを優先する。
恋愛に臆病なジェームズだが、ひそかにミス・ケントン(結婚後はミス・ベン)(エマ・ワトソン)に恋する気持ちがあり、ミス・ケントンも彼に恋をしていたのだが、とにかく情にながされないジェームズはいかなる時でも恋をしてしまうと仕事に差し障りがあるとばかりに、ひたすら仕事に打ち込む。
そして使える主人のダーリン卿がナチス擁護する立場に少し違和感があるようだが、それでも彼はダーリントン卿の人間性を否定することはせずに、一生懸命に彼のために仕事をする。ストイックな仕事ぶりはまさにプロフェッショナル。
仕事よりも遊びが好きな俺も少しぐらいはアンソニー・ホプキンス演じる執事を見習わないといけないと反省した。
しかしながら、そのストイックさはやがて悲哀へと導いてしまう。時代の変遷、残酷な時の流れ、時代と言うものをなかなか読めないが、そこに対応できなかった者の悲劇を感じさせられた。
カズオ・イシグロと聞いて興味が惹かれた人、ストイックに仕事をする男って恰好良いと思っている人、中年の大人の恋愛映画を観たい人、イギリスらしい上品で洗練された映画を観たい人・・・等などにお勧めです。
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アンソニー・ホプキンス, エマ・トンプソン, ジェイムズ・フォックス, クリストファー・リーヴ, ヒュー・グラント | |
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監督はイギリス人監督のジェームズ・アイヴォリー。英国社会を風刺的に描き、なかなか洗練された作品を撮るイメージがあります。お勧めはハワーズ・エンド、眺めのいい部屋が良いです。