褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 グッドモーニング、バビロン!(1987) イタリア人の兄弟愛が伝わってくる

2018年11月22日 | 映画(か行)
1910年頃のハリウッド草創期において、映画を芸術的分野として高めた監督が国民の創生イントレランスなどで知られるD・W・グリフィス。彼の功績が無ければ、今頃は映画というものが存在していなかったに違いない、なんて言いながら実は彼の映画を観たことがない。
 さて、今回紹介する映画は前述したイントレランスの制作に係わったイタリア人兄弟のストーリーを描いたグッドモーニング・バビロン!。この兄弟だが常に一緒に行動し、苦楽を共にする大の仲良し。固すぎる兄弟の結束に感動するだけでなく、イタリア人の誇りが描かれているのがとても素晴らしい。

 映画イントレランスの舞台裏を描きながら、イタリア人の兄弟愛にきっと多くの人が感動するに違いないストーリーの紹介を。
1913年のイタリアのトスカーナ地方において。ロマネスク大聖堂の修復作業で生計を立てていた棟梁であるボナンノ(オメロ・アントヌッティ)は七人の息子たちや従業員を集めて、不景気のあおりをくらって膨らみ続ける借金を理由に仕事を辞めることを宣言する。七人兄弟の末っ子の二人のアンドレア(ジョアキム・デ・アルメイダ)と二コラ(ヴィンセント・スパーノ)は父親の許しを得て、自らの修行のためにアメリカに渡ることにする。
 当初、2人はアメリカを制覇するぞ!と意気揚々にアメリカにやって来たものの、ロクな仕事にありつけず厳しい現実を思い知らされる。しかし、ひょうんなことからサンフランシスコ万博博覧会のイタリア館建築に向かうイタリア人達と出会い、彼らと一緒にサンフランシスコに向かう。
 その頃、注目を集めていたのが映画監督であるD・W・グリフィスチャールズ・ダンス)。彼は1人で映画館を貸し切りイタリア映画の『カビリア』を観ていた。カビリアに感銘を受け、そしてイタリア館の建造物の素晴らしさに魅了され、構想を練っていた超大作イントレランスの美術セットにイタリア人を加えるように周りに指示をする。
 そのことを聞きつけたアンドレアと二コラは棟梁になりすまし、ハリウッドに行くと彼らはエキストラをしていた美女の二人、メイベル(デジレ・ベッケル)とエドナ(グレッタ・スカッキ)と出会う。アンドレアとメイベル、二コラとエドナはそれぞれ愛し合うようになり、彼女たちの励ましを受けて次第に兄弟たちにも運が向いてきた。D・W・グリフィスから認められイントレランスの美術スタッフとして彼らは参加し、彼らの美術セットの出来栄えは観客たちからも絶賛される。彼らは二人とも彼女たちと結婚し幸せの絶頂を迎えるはずだったのだが・・・

 父親からの言いつけを守り、運命共同体であり、まるで分身のような2人の兄弟。しかも同時期に彼女を作り、ほとんど同じ時期に子供まで生まれる徹底ぶり。絶妙すぎるバランスの上で成り立っていた兄弟だが、運命は二人の境遇を永遠には続かせない。バランスが崩れる瞬間は観る者に大いなるショックを与える。
 さて、この映画の印象的な場面に、兄弟がハリウッドのアメリカ人に馬鹿にされるシーンがある。この時に歴史の浅いアメ公どもにイタリアが芸術の隆盛を極めたルネッサンスの時代を例にだして言い返すシーンがあるが、イタリア人の誇りを大いに感じられる素晴らしい場面だ。なぜか俺も日本人として誇りを感じた。そして兄弟愛や誇りだけでなく、このタイトル名の意図が父と子供の愛情を表し、ラストシーンにおいては映画愛を思いっきり感じさせられる。
 ヨーロッパの建築物が好きな人、イントレランスという映画を観たことがある人またはタイトル名を聞いたことのある人、D・W・グリフィスという名前を聞いて心が躍った人、アメリカが嫌いな人等に、今回は映画グッドモーニング・バビロン!をお勧め映画として挙げておこう。

グッドモーニング・バビロン [DVD]
ヴィンセント・スパーノ,パオロ・タヴィアーニ,ヴィットリオ・タヴィアーニ,グレタ・スカッキ,デジレ・ベッケル
紀伊國屋書店


 監督はイタリアを代表するタヴィアーニ兄弟。もしかしたら本作もこの監督の想いが込められているのかもしれないです。絶対的な父親の支配から自立しようとする父 パードレ・パドローネ、童話的で美しさを感じさせるサン★ロレンツォの夜、ナスターシャ・キンスキーが美しい太陽は夜も輝くがお勧めです。

 
 


 
 
 
 

 

 

 


 
 
 

 

 
 
 
 
 
  
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