褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 フレンチ・コネクション(1971) 刑事映画の最高傑作

2018年12月20日 | 映画(は行)
  仲間を誤って射殺してしまう少々おっちょこちょいの刑事を主人公とする映画が今回紹介するフレンチ・コネクション。ちなみにタイトル名の意味は、フランスを経由してアメリカに密輸される麻薬ルートのことだ。今ではすっかりメキシコ経由で麻薬が大量にアメリカに入ってきていることを思うと、なんだか懐かしい気分にさせてくれる映画。しかし、俺の中では未だに刑事映画の最高峰に君臨しているだけに面白さは抜群だ。
 ジーン・ハックマン演じるドイル刑事こと通称ポパイのキャラクターが良い。ものすごい熱血漢であり、カンに頼って捜査するようなあわてんぼうの刑事だが、仕事ぶりは至って真面目。とにかく麻薬絡みの犯罪者を見つけたら、徹夜も厭わずにあらゆる手段を使ってでもとことん追いかける。この刑事の悪人を追いかける鬼のような形相だけ見れば、どっちが悪役なのかわからないぐらい。しかし、この世の中をのうのうと生きているヤクザまがいの連中を見ていると、このような刑事も絶対に必要だと思わせる。
 この映画のユニークなところがフランス人の悪役。こいつが金持ち風情をしており、ちょっとお洒落なオジサン。傘を小粋に杖の代わりにして歩くなど貴族的雰囲気を漂わせていて、見た目だけなら刑事の方が悪そうに見える。しかし、コイツが麻薬を大量に売りさばくだけでなく、ヒットマンを抱えているのだ。
 そしてこの映画の凄さが、ドキュメンタリータッチのようなロケ撮影。登場人物たちの会話が全く聞こえない場面を多用しているのだが、これが退屈かと思いきや不思議とドキドキさせる。そして普通の刑事映画以上に追跡、見張り、走る場面が多いが、その迫力が画面から伝わってくる。1970年代の映画は大した特撮が使われなくても、リアルに感じさせるスリルを味わえる映画が多い。

 それではニューヨーク市警と麻薬組織の対決を描いたストーリーの紹介を。
 ひと仕事を終えたドイル刑事こと通称ポパイ(ジーン・ハックマン)とクラウディ(ロイ・シャイダー)は二人でナイトクラブに出かける。そこで彼らが見たのはマフィアの大物たち。しかし、その中に見たことのない若夫婦に違和感を持つ。
 さっそく二人は、この若者夫婦が何者かを知るために尾行する。やがて、夫の方はマフィアの大物ワインストックの部下であることがわかり、近々ニューヨークでフランス人と麻薬の取引が行われることを知る。そして捜査線上に黒幕としてフランスのマルセイユからニューヨークにやって来ているシャルニエ(フェルナンド・レイ)の存在が浮かび上がる。
 ポパイとクラウディは麻薬取引の現場を押さえて、フレンチコネクションを一気に叩き潰そうとするのだが・・・
 
 本作は色々と楽しい尾行や追跡のシーンがあるが、ポパイとシャルニエの追跡シーンが挙げられるだろう。この二人の全く会話はないが、駆け引きが面白い。地下鉄のシーンでのお互いに白々し過ぎる様子は笑えるし、シャルニエのポパイを小馬鹿にしたような仕草が、短気なポパイだけでなく俺もムカつかせる。
 そしてポパイ達が外からシャルニエを見張っている場面が印象的。安月給で働かさせられている刑事と麻薬で大儲けしている密売人の経済的格差が描かれているが、刑事の仕事の大変さが理解できるシーンだ。そりゃ~くそ寒い中で熱いコーヒーを飲めても、悪事を働いて儲けた金で優雅に昼飯を食っているところを見せつけられたら俺だって腹が立つ。
 この映画が大いに盛り上がるのが、シャルニエがポパイに対して差し向けたヒットマンを返り討ちにすべく、ポパイがヒットマンを逆に追いかけるシーン。この時のポパイの執念が凄すぎる。高架列車をハイジャックして逃げるヒットマンを、ポパイは高架の下を車で追いかける前代未聞のカーチェイスシーンを見ることができる。
 単なる刑事アクション映画と違って結末は色々な感情を抱かせるし、この映画は脇役も良い。特にポパイの相棒であるクラウディ(ロイ・シャイダー)が良いアクセントになっていたり、ヒットマンや財務省の役人も嫌な奴を演じていたりで、ストーリーに深みを与えている。
 熱血漢が主役の映画を観たい人、面白い刑事映画を観たい人、悪役が面白い映画を観たい人、アメ車が好きな人・・・等に今回はフレンチ・コネクションをお勧め映画として挙げておこう

フレンチ・コネクション(2枚組) [DVD]
ジーン・ハックマン,ロイ・シャイダー,フェルナンド・レイ,マルセル・ボズフィ,フレデリック・ド・パスカル
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


 監督はウィリアム・フリードキン。ホラー映画の傑作エクソシストが有名。最近は1977年に公開された恐怖の報酬のオリジナル完全版が日本で公開されています。


 
 


 
 
 
 

 
 
 


 

  
 



 

 

 
 



 
コメント (2)
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