いきなり年始からアメリカとイランの間で緊張感が走った。ひとまずは戦争のリスクは少なくなったような状況だが、まだ予断は許さない。しかしながら、アメリカとイランはなぜこんなに仲が悪いのか?その理由が少しだけわかる映画が今回紹介するアルゴ。冒頭からイランとアメリカの第二次世界大戦後から1979年のイラン革命に至る両国の関係と経緯が説明される。
ちなみに本作はアメリカ映画の最高の栄誉であるアカデミー賞受賞作品。しかしながらアカデミー受賞作品だからといって必ずしも傑作ばかりではないし、面白いとは限らない。むしろ、当時のアメリカの政治的な状況に求められる作品が受賞することが多い。ちなみに本作は2012年の作品であるが、この年にアカデミー賞を受賞した意義はどこにあったのか?
サスペンス映画の体裁をとりながらも、バリバリに政治的要素が感じられるストーリーとは如何なるものか
1979年のイラン革命において、反米感情が爆発したイランの過激派グループがアメリカ大使館を占拠。密かにアメリカ大使館を脱出した6人のアメリカ人外交官たちは、近くにあるカナダ大使館の公邸に身を潜める。
イラン人に見つかると処刑必至のため、ビクビクして一歩も外へ出ることが出来ない6人の居場所を特定したアメリカ諜報機関のCIA。そんな彼らを救出するために、CIAの職員であるトニー・メンデス(ベン・アフレック)は素人もビックリ仰天の方法を提案し、単身でイランに乗り込むのだが・・・
救出作戦の内容が素っ頓狂過ぎるのだが、驚いたことに実話を基にした映画。会社の偉いさん連中が問題解決のために延々と会議をしている時に、時々何もわかっていないような人間が思いつきで発言したら、実はそれが最高のアイデアだった、なんてことがある。本作における救出作戦が、まさにド素人レベルのアイデア。しかし、本作品の場合はド素人ではなく、人質救出のプロが提案するのだから面白い。しかも、この救出作戦の内容が映画愛を感じさせるだけにアカデミー作品賞を与えたくなる理由もよくわかる。
それにしても本作のような映画を見せられると、日本人として考え込んでしまう時がある。この映画で救出される6人は『もう限界だ』なんて言いながら、実際は3ヶ月程度我慢しただけ。我が国の拉致被害者は何年間我慢しなければならないのか?敵国に乗り込んで自国民を救出してしまうアメリカと言う国はなんだかんだ言っても羨ましい国だ。
やたらと緊張感を煽る演出はスリルを味わえて楽しいし、2012年という年はアメリカの大統領選挙だったということを思い出してもらえれば更に楽しい。ハリウッドの映画人には民主党支持者が多いが、本作なんかは民主党のプロバガンダ的な意味を持つ作品だということを観終わった後に感じることができる。そこまで考えると本作がアカデミー作品賞を受賞した理由がハッキリわかる。
政治的要素を感じさせる映画ではあるが難解な映画ではないし、歴代アカデミー作品賞受賞作品の中でも面白い方の部類にはいる映画。そしてタイトルの意味を知った時に映画愛を感じることができるアルゴは、過去のイランアメリカ大使館人質事件を描いているが、タイムリーな映画としてお勧めしておこう。
監督は本作で主演も兼ねるベン・アフレック。最近はまた役者業を活発化していますが、個人的にはもう監督業に専念しろと言いたい。なかなか彼の監督作品は少ないながらも傑作ぞろい。監督デビュー作品であるゴーン・ベイビー・ゴーン、そしてザ・タウンの両作品は余韻をバッチリ感じさせるお勧め作品です。
ちなみに本作はアメリカ映画の最高の栄誉であるアカデミー賞受賞作品。しかしながらアカデミー受賞作品だからといって必ずしも傑作ばかりではないし、面白いとは限らない。むしろ、当時のアメリカの政治的な状況に求められる作品が受賞することが多い。ちなみに本作は2012年の作品であるが、この年にアカデミー賞を受賞した意義はどこにあったのか?
サスペンス映画の体裁をとりながらも、バリバリに政治的要素が感じられるストーリーとは如何なるものか
1979年のイラン革命において、反米感情が爆発したイランの過激派グループがアメリカ大使館を占拠。密かにアメリカ大使館を脱出した6人のアメリカ人外交官たちは、近くにあるカナダ大使館の公邸に身を潜める。
イラン人に見つかると処刑必至のため、ビクビクして一歩も外へ出ることが出来ない6人の居場所を特定したアメリカ諜報機関のCIA。そんな彼らを救出するために、CIAの職員であるトニー・メンデス(ベン・アフレック)は素人もビックリ仰天の方法を提案し、単身でイランに乗り込むのだが・・・
救出作戦の内容が素っ頓狂過ぎるのだが、驚いたことに実話を基にした映画。会社の偉いさん連中が問題解決のために延々と会議をしている時に、時々何もわかっていないような人間が思いつきで発言したら、実はそれが最高のアイデアだった、なんてことがある。本作における救出作戦が、まさにド素人レベルのアイデア。しかし、本作品の場合はド素人ではなく、人質救出のプロが提案するのだから面白い。しかも、この救出作戦の内容が映画愛を感じさせるだけにアカデミー作品賞を与えたくなる理由もよくわかる。
それにしても本作のような映画を見せられると、日本人として考え込んでしまう時がある。この映画で救出される6人は『もう限界だ』なんて言いながら、実際は3ヶ月程度我慢しただけ。我が国の拉致被害者は何年間我慢しなければならないのか?敵国に乗り込んで自国民を救出してしまうアメリカと言う国はなんだかんだ言っても羨ましい国だ。
やたらと緊張感を煽る演出はスリルを味わえて楽しいし、2012年という年はアメリカの大統領選挙だったということを思い出してもらえれば更に楽しい。ハリウッドの映画人には民主党支持者が多いが、本作なんかは民主党のプロバガンダ的な意味を持つ作品だということを観終わった後に感じることができる。そこまで考えると本作がアカデミー作品賞を受賞した理由がハッキリわかる。
政治的要素を感じさせる映画ではあるが難解な映画ではないし、歴代アカデミー作品賞受賞作品の中でも面白い方の部類にはいる映画。そしてタイトルの意味を知った時に映画愛を感じることができるアルゴは、過去のイランアメリカ大使館人質事件を描いているが、タイムリーな映画としてお勧めしておこう。
アルゴブルーレイ&DVD (2枚組)(初回限定版) [Blu-ray] | |
ベン・アフレック,ジョージ・クルーニー,グラント・ヘスロヴ,クリス・テリオ | |
ワーナー・ホーム・ビデオ |
監督は本作で主演も兼ねるベン・アフレック。最近はまた役者業を活発化していますが、個人的にはもう監督業に専念しろと言いたい。なかなか彼の監督作品は少ないながらも傑作ぞろい。監督デビュー作品であるゴーン・ベイビー・ゴーン、そしてザ・タウンの両作品は余韻をバッチリ感じさせるお勧め作品です。