褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 三人の妻への手紙(1949) 洗練された映画です

2022年05月29日 | 映画(さ行)
 昔の映画監督には非常にお洒落で落語のような思わず唸らさせられる作品を撮る監督が多くいた。例えばエルンスト・ルビッチ、フランク・キャプラ、ビリー・ワイルダーのような監督は本当に抜群のテクニックで映画ファンを楽しまさせてくれる。そのような監督の中でジョーゼフ・L・マンキーウィッツを忘れてはならないだろう。今回紹介する映画三人の妻への手紙は彼の演出力が活かされた作品で、最後の終わり方もなかなか洒落ている。まあ、相当昔の映画であり当然時代背景も今とは違うから、このようなストーリーは現在では通用しないだろうが、とにかくセンスが良い作品だ。

 駆け落ちなんて要素が入ってくるが、楽しく観られるストーリーの紹介を。
 ニューヨーク近郊において、デボラ(ジーン・クレイン)、ローラ(リンダ・ダーネル)、リタ(アン・サザーン)の女性達は子供達のボランティアでピクニックに行くために遊覧船に乗ろうとしていた。そこへ、自転車にのって少年がやってきて、3人の共通の友人である美女アディ(声のみ)からの手紙を渡される。その内容はアディが3人のうちの誰かの夫とこれから駆け落ちする、という内容だった。近くに公衆電話があったのだが、手紙の内容を読んでいる間に船は出発。3人は平静を装いながらも、実は三人とも夫がアディと一緒に駆け落ちしてしまう理由が思いあたるのだった。三人の妻たちはボランティア活動どころではなく、早く自宅へ帰って夫がアディと駆け落ちしないかそればかり気になってしまい・・・

 もう今だったら船で陸を離れても携帯電話で直ぐに確認できるだが、本作が製作された時代はだいぶ昔。船からの俯瞰的なショットで公衆電話が写されるシーンがあるのだが、何ともやるせないシーンだ。本作が上手いのが駆け落ちを計画しているアディというのが、一回も登場しないこと。しかし、誰もが羨むような美女であることをわからせるような演出がなされているのが巧みな構成。しかもアディというのが色々なシーンでナレーターとして入ってくるので、どれだけの美人なのか考えさせられたりしてストーリーに没入できる。もちろん三人の妻たちの誰の夫がアディと駆け落ちしたのかと考えることによって映画に惹きつけられる。そして、ラストシーンでは思わずなるほど!と楽しめたし、オチも良かった。この映画は公衆電話や手紙、その他の小道具が巧みに使われていて監督の演出の力を感じるし、駆け落ちを題材にしながらも観ていて楽しめるし、笑えることもできる。
 出演陣の三人の妻たちは美人ばかりであり、しかもまだ売れていない頃のカーク・ダグラスが出演しているのも映画ファンには楽しめるだろう。最近にはない上質な映画を観たい人に今回は三人の妻への手紙をお勧めに挙げておこう

 監督は前述したジョーゼフ・L・マンキーウィッツ。お勧めは幽霊と未亡人イヴの総てジュリアス・シーザー裸足の伯爵夫人等がお勧めです。





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