酔狂にも、朝から飲もうと誘われて、朝8時前に京都烏丸。
人混みが嫌いなので、長年近くにいながら近付いたこともなかった祇園祭。
室町と新町がその中心。中でも西陣の織屋さんなどが今も集中する室町は、超リッチであり、幕府に対抗して町衆の力を祭で見せつけた。
空にそびえ立つ塔の先、これは知ってる、長刀鉾かと思ったら、菊水鉾。
大小全部で32もある。
唐破風造りの屋根が特徴なんだそうな。
足元にはブレーキなのかな。極めて原始的。
陣取った室町鯉山町の町家のまん前で、何にもない骨組みから、
山の組み立てが行われる。
毎年仕切っていた古老が引退したとかで、組み立て方が解らず、
スタッフはビデオを回しながらああでもない、こうでもないと
やっている。段取りよく行かないのが町衆の祭りらしいなぁ。
トロイヤの戦いを描いたタペストリーが周りにめぐらされる。400年から続く和洋折衷。
16世紀のベルギー製の重文だという。おそらくは当時の最先端で飾ったのだろう。
上には左甚五郎作と伝えられる鯉の一刀彫が飾られる。小さな社もあり、
なんでも飲み込んでミックスしてきた日本の宗教観にさもよく似たり。
テグスの束を垂らして、鯉の滝登りを表している。
家々の厄払いのために、いったん町の端まで戻ってからゆっくりと出発して行く。
あの山とはどうもハエ取り紙みたいなものらしい。
伝染病が流行った時代、悪霊退散のために始まったのが祇園祭。
役病を全部貼りつけて行ってくれると信じられたらしい。
穴子と夏野菜のテリーヌ
意外にバタくさいタペストリーなどを駆使してる祭を見ながら、
ワインなんぞを開ける。
真鯛のアクアパッツァ
こちらのお嬢さんがルーマニア留学中に付き、ルーマニアワインを。
毎年、祭に合わせて帰省するのかな。
ジプシー音楽について、少し話が合う。
豚肉のナントカかんとか
ドイツのボンでめし食った時にも、こんなふうに、ナイフがアイスバインに
突き刺さって出てきた。
こちら室町でもお隣の山伏山。
河原町通りに出たら、あれが長刀鉾かぁ。さすがにでかい。
岸和田のだんじりみたいな爆発力はないけれど、これでも昔は走り回ったのだという。
上は黙認、不満分子の究極のガス抜きでもあったのだろう。
こっちも葡萄酒なんぞを舐めながらの束の間のガス抜き。
昼には退散。朝から飲むのはなかなかキツい。