過日、赴いた四天王寺さんの参道には、思いの外オールドファッションな露店商が多かった。
飲み食いできる店などなく、上記の感じのシブイ店が多くて落ち着くこと、この上なし。
特に買いたいものなど見当たらなかったが。 落語「天王寺詣り」を思い出す。
師と待ち合わせし、門前町の蕎麦屋へと。
まだ明るいうちから、ま、一杯。
ここは「土山人」で修業した、高校の後輩が始めた店。
師といつか来ようといいながら、ようやくかなった。
酒肴がいろいろあるのが嬉しい。
豆腐味噌漬 チーズのようで、お酒が進む。
自家製いかの塩辛 丁寧な仕事だ。
ポテサラ そば屋には珍しい。目がないので食っちまう。
だし巻き そばだしがじゅわっと染み出る。
酒の二杯程度。焼酎そば湯割を二杯程度・・・
頑固なそば屋の亭主なら、「うちは居酒屋ぢゃねぇぞ!他行ってくれ!」と言われそうだが、
そこは先輩後輩の縦社会。 黙って飲ませてもらった。 すまねぇ!
鴨汁せいろ これすすりながら一杯行くのもよし。
信州の蕎麦粉といってたかな、それを一見板そばみたいな器で出す。
蕎麦の香り、歯ごたえ、のど越し、つゆも結構ざんした。
辛味大根おろしそば
かけそば。
でもこの蕎麦は冷たい方が実力を発揮するな~。
太巻き 食わなくてもいいのに、こういうのもあれば摘まみたくなる。
ほんとは蕎麦と酒があれば十分なのだが、なんのかんのと頼んでしまう。 お恥ずかしい。
この時は師匠がいたから、と師のせいにしておこう。
ほんとは酒をきゅっとやって、蕎麦の一枚二枚、たぐって、さっと暖簾はね上げて出たいのだ。
出たいが、口卑しい性格はなかなかい抗いがたい。 修業が足りん!
最古の寺院、四天王寺さんに参って、帰りにここに寄り道するのはいいもんだ。
寺方そばっつって、お寺に蕎麦も付きものだしね。
谷町筋を一本入った場所。 ほんとに場所がよくて、のんびりした風情である。