RIP DOC WATSON 1923 ― 2012
http://bluegrasstoday.com/42368/rip-doc-watson/
バンジョーのアール・スクラッグスに続いて、フラットピッキングの第一人者、ドック・ワトソンが旅立った。
最初に憧れたミュージシャンたちが次々に手を取るように逝かれては、せつなく、たよりない気持ちになる。
幸い、近所の「ルート171」でドックのCDをかけてもらい、一人献杯なぞしたが、
しみじみ追悼する場所がないことを思い知った。
フォーク酒場だかなんだか、集まってジャンジャン鳴らす場はできているが、本当に音楽を愛し、
広い音楽性で、我々が愛する音楽まで受け止めてくれ、話せる場所も人もいないことに愕然とした。
というか、オレたち世代がやっておかねばならなかったが、そう、誰もやってこなかった・・・。
初めてドックワトソンを知ったのは、このヴァンガード盤だったか、あるいはNGDBの「永遠の絆」だったか。
前者ではマーチンD-18で火の出るようなBlack Mt Rag。
どうしたら、あんな音が出るのだろうと思った。
後者ではWay Down Townの絶妙なギターソロと渋い歌声。
ドックはギターでフィドル・チューンをインストルメンタル曲として弾き出した最初の一人だった。
ドックのように弾きたいと望んだが、到底テクニックがついて行かなかった。
そのうち、ドックのように弾き、さらに上のジャケットの左はしにいる、
レスターフラットのブルーグラスリズムギターのセンスを体現できるクラレンス・ホワイトが出現。
クラレンスはブルーグラスギターに留まらず、バーズでロックの世界にも羽ばたいた。
クラレンスに夢中になり、ケンタッキー・カーネルズ、バーズ、ディラーズ、カントリーガゼットを追いかけた。
そしてクラレンスの直系、トニーライスへ。アコースティック・ギターソロイストの系譜は一本でつながっている。
思い起こせば、高校時代に組んだバンドのギタリストがドックにバリバリ影響されていた。
ある人物に、「ああいうギターはブルーグラスのギターぢゃない」
あんなメンバーと一緒にやっていても明日はない。
だからオレとやるべきだ、と言われたことがある。
ああ、一緒にやんなくてよかった。
今ならはっきり言える。
オレはただ、気の合う仲間と音楽をやっていたいだけなんだよ、と。
二人の英雄に心よりの感謝とRIPを伝えたい。 そちらで、また逢う日まで。
おっと尾崎紀世彦も亡くなったなぁ。
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