今年、ペダルスチールの業界でMVPに輝いたという、ホットフィドルバンドのバディー内藤さん。
彼のペダルスチールはWネック。
ウエスタンスイングという音楽に欠かせないのが、このスチールギターという楽器。
いわば華といえましょう。しかしこれがなんとも一筋縄ではいかない、ナンギな楽器なのである。
ハワイアンなどに使われるのはこのスチールギター。
すっきりとシンプルでござんす。
そもそもはギターにボトルネック(ガラス瓶の飲み口)を切った奴でもって弦の上を滑らせ、
チュワ~ンという音を出した。 次にはボディにリゾネーターを使ったDobroが登場。
ちょいと金属的な独特な音で、生音なのに共鳴板で音の拡大をはかった。
その後、アンプリファイドしたラップスチールが登場、膝の上に乗せて弾いたり、
三脚みたいな脚をつけての演奏となった。
バッキー白片や大橋節夫、ポス宮崎、バンマスはたいがいこのスチール弾きだった。
和田弘とマヒナスターズなんかもあったなぁ。 ♪~ 愛しちゃったのよ~ララランラン…
チュワ~~ン・・・に憧れた人は多いが、挫折した人も多いと聞く。
高い音楽性と、コード理論を理解していないとなかなか難しいようである。
ハワイアンの場合はC6th(Am7)のチューニングを使うことが多い。
ハワイアンからウエスタンスイングにシフトしたプレイヤーも多い。
ウエスタンスイングでは、ミルトンブラウンのブラウニーズにいた、ボブ・ダンという人が
スチールギターをもっとも早く持ち込んだパイオニアとされる。 なかなか癖のあるプレイをする人。
レオン・マッカーリフは言わずとしれた、Bob Willsのところのスチール奏者。
スラリと背が高く、歌もうまかった。 早くに独立して、Cimarron Boysのリーダーとなる。
彼もハワイアンから入り、ボブ・ダンに弾き方を学んだとされる。
下のスチールギターはすごいでしょ、4連。 すべてチューニングが違うんだから、頭こんがらがる。
「 Take It Away! Leon!」
スピーディーウエストも、ペダルスチールの代表的プレイヤー。
ギターのジミーブライアントとのコンビは一時代を築いた。
これはスピーディーがハワイアンを演奏したレコード。
一流は何だってできたのである。
一般的に注目されたというと、カーペンターズの「Top Of The World」。
あそこでペダルスチールを弾いたのがペダルの第一人者、バディーエモンズ。
ナッシュヴィルのスタジオミュージシャンで、Sho-Bud、Emmonsなどの楽器ブランドも持つ。
プレイヤーにして開発者。ペダルスチールギターの発展に大きな足跡を残した人物だ。
来日時に、ミュージックフェアで前田憲男指揮のビッグバンドと共演したのは見ものだった。
ハワイアン風に弾くことから、ジャズでスインギーなアドリブを弾くようになったのも、彼あたりからかな。
しかし、この楽器重たいのなんの。 夏場は大汗かいて運ばねばならんし、組み立てに時間かかるし、
弾かなきゃ埃をかぶるし(これはどの楽器も)、とりかかるには相当な覚悟のいる楽器で、
気軽に手を染めたら、ポッキリと挫折が待っている。
だけど、やってる人にはたまらなく面白いらしい。チタンとかで軽量にして、持ち運びよくして
価格も安くなるともっと若い人も始めるんだろうがな。
どうもこいつは頑固な人たちがやってるようで、使い勝手の悪いアメ車の雰囲気なんですよ。
ウェスタンスイングの華、スチールギター。ぜひ今後も注目してみてください。
これは高田渡さんの息子でスチール弾きの漣くんのブログより。転載お許しを。
なかなか的を得てますよ。 あ、そうそう、細野晴臣もウエスタンスイング好きなんだな。
http://blog.madamefigaro.jp/ren_takada/post-38.html
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