私たちの山の会は、冬に小旅行することになっているが、今年は、冬の龍飛岬に行ってみようということになった。2泊3日の旅だ。さすがに旅行客は少なかった。真冬の青森~竜飛崎を訪ねるのはよほどの旅好きしか行かないであろう場所だからだ。
大阪伊丹空港を飛び立った時はいい天気だった。
それが、青森空港に着くと、一面の雪で、雪雲が覆っていた。
一日目は弘前市の東、平川市南田温泉「アップルランド」に宿泊した。
2日目、1時間半ほどバスに揺られて、ようやく竜飛崎にある「竜飛崎温泉」に到着した。
早速、防寒服に身を固め、竜飛崎へ歩いていくことにする。寒風が吹きすさぶ岬なので、雪は風で吹き飛ばされ、道は凍ってつるつるで歩きにくいことこの上ない。灯台の向こうが龍飛崎だ。
ようやく竜飛崎に到着。ものすごい風で、写真のシャッターを押す手がかじかむ。一同、何はともあれ到達できたことを喜んだ。
直ぐ近くに、石川さゆりの「津軽海峡冬景色」の歌謡碑が立っていた。こんな寒い時に竜飛崎に来たのは、この歌があるからだ。
宿に戻って温泉に浸かり、地酒「竜飛崎」を味わった。旅情が加味された分、美味しさがひとしおだった。
明くる日の朝はいい天気になった。宿からは、津軽海峡の対岸にある北海道の山々がよく見えた。この下に北海道新幹線へと続くトンネルが通っている。
宿から青森駅に戻ってきた。道路には、雪がたっぷり残っている。そここで雪かきをしている人がいて、雪国の暮らしの大変さを思った。
青森に来たついでに、「ねぶたの家 ワ・ラッセ」を見学した。
多くのねぶた作家の作品が展示されている。照明が消されているので、美しい世界が広がる。
これが、祭りの時に街を練り歩いたら、さぞかし信じられないほどの迫力となって迫ってくるであろう。
雪の青森を離れ、伊丹空港に戻ってくると、穏やかな冬ばれの青空だった。